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レールの上を暴走するトロッコがある。
あなたは切り替えポイントに立っている。
このままでは、レールの先にいる5人の作業員が死んでしまうことだろう。
しかし、あなたがポイントを切り替え、トロッコの進路を変更すれば、その先にいる作業員は1人だけ。
さて、あなたは5人を救うために、ポイントを切り替えるべきだろうか。
あなたがポイントを切り替えなければ、死なずに済んだ1人を犠牲にすべきだろうか。
3年D組史上、静かな昼食時間だった。
担任が用意したのは、そこら辺で売っているような菓子パンを1人につき1個ずつと、ペットボトルのお茶だけ。
どんな状況に置かれても腹は減る。 いや、腹が減るのは、生きようとする生存本能なのかもしれない。
ヨウタ
ハカセ
シズカ
セイヤ
机の形は最初に班を作ったまま。
なんとも味気のない昼食だった。
ヨウタ
ヨウタは教壇の上でスマホをいじっている担任へと視線をやる。
クラス全員のスマホは、この教室が占拠されてしまった時に全部奪われてしまっている。
外部と連絡できる手段が断たれせいか、教室の閉塞感が増していた。
ハカセ
ハカセ
教室に監禁され数時間。トイレには一度行ったきり。
それ以降、教室を出たのは、クラスメイトを殺すために隣の教室に連れて行ったフルフェイス達と、食事を取りにどこかへ向かった担任のみ。
隣の教室がどのようになっているのか、想像するだけでもゾッとする。
セイヤ
セイヤ
担任に逆らえば容赦なく殺される。
目の前でクラスメイトが犠牲になった光景が、みんなの脳裏に焼きついているのだろう。
食事中はみんな大人しくパンを食べたし、結託して謀反を企てる者もいなかった。
ヨウタ
ツヨシはうなだれたまま、自分の席からぴくりとも動かない。
彼女を失ってしまった悲しみを、分かった気になるのは申し訳なく思えた。
志賀先生
担任はフルフェイス達に手招きをする。
そして、なにかの打ち合わせをすると、フルフェイス達は教室の外へと出て行ってしまった。
しばらくすると、フルフェイスAだけがなにやら段ボールを抱えて戻るが、担任と頷き合うと、再び教室を出て行った。
志賀先生
志賀先生
手を叩いて周囲の関心を引くと、いつも通りと変わらぬ調子で口を開く。
志賀先生
志賀先生
担任はそう言うと、さっきフルフェイスが持ってきたダンボール箱を開ける。
マドカ
セイヤ
志賀先生
志賀先生
志賀先生
担任の発言に教室がざわめく。
ヨウタ
ハカセ
志賀先生
志賀先生
志賀先生
担任の発言に、無駄であろうに吐き出そうとする者が出てくる。それを制しながら担任は続けた。
志賀先生
志賀先生
志賀先生
志賀先生
アカリ
シズカ
セイヤ
志賀先生
志賀先生
担任はそう言うと、ダンボールの中から次々と小瓶のようなものを取り出す。
小瓶の中には透明な液体が入っていた。
それを教壇の上に2列に並べると、小瓶は偶数個のようで、前後の列の個数が綺麗に揃った。
志賀先生
志賀先生
志賀先生
志賀先生
志賀先生
志賀先生
志賀先生
志賀先生
志賀先生
志賀先生
志賀先生
志賀先生
志賀先生
志賀先生
志賀先生
担任は笑みを浮かべながら、まだダンボールの中からなにかを取り出す。
ビーカー、リトマス試験紙、スポイト、メスシリンダー、ポリバケツ。
志賀先生
志賀先生
セイヤ
アカリ
ハカセ
ハカセ