まだない
まだない
あれからこさめちゃんとは解散し
空はもう夕方になっていた
この家を見て思った
何故か暗い
それが、夕日に当たっているからなのか照明がないからなのか…
俺には分からなかった
なつ
みこと
なつ
俺は何故か″怖い″と思ってしまった
学校以外で怖いと思うのは数年ぶりだ
なつ先輩がおいでっと合図してくれたので
俺はそれについて行くことにした
この怖さを胸に閉じ込めて
なつ
みこと
玄関は綺麗だが…電気が付いていないからか凄く暗い
こんなんで脅かされたらたまったもんじゃないだろう
なつ
みこと
なつ先輩は何をしたいのか…何が目的なのか…
俺には分からない…
なつ
みこと
なつ
俺が見た光景は
沢山な薬、それから赤色に染ったカッター
血塗れな布団
…血塗れな…
″男の人″
らん
なつ
らん
なつ
らん
なつ
みこと
俺は後ろからそっと見守る
あんなこと…俺には絶対できないだろ
なつ先輩は凄い
なんでも出来る
料理も掃除も気遣いも
……
『みこちゃん~これ食べるぅ~?』
『みこちゃん…大丈夫?』
『みこちゃん』
みこと
みこと
なつ
らん
なつ
らん
薬を飲んでいるからか、反応が少し遅い
その時俺をパッと見た
らん
らん
みこと
俺を見た途端顔の色をすぐに変えた
俺はなぜ怒られるのかも分からなかった
だって″初対面″だから
みこと
らん
みこと
らん
らん
みこと
らん
みこと
なつ
俺は怒鳴られた…何故?
俺は分からないから怖いのかもしれない。
大事なことを忘れてるからかもしれない
でも怖かった…理不尽に怒られるのは怖い
みこと
らん
らん
みこと
らん
みこと
らん
なつ
らん
みこと
らん
らん
次に言われる言葉
信じたくなかった言葉
だってそれは…
らん
みこと
みこと
『みこちゃーん!!お手紙いっしょにかこ?』
『みこちゃんこれあげる!!クッキーっ!♪』
『みこちゃん!?大丈夫…?💦』
『みこちゃん』
『大好きだよ』
みこと
みこと
みこと
頭が痛い
誰かの声が入ってくる
一体誰なのか
全部…ッ
思い出しそうになる
みこと
らん
なつ
なつ
いるま
なつ
らん
俺は何も聞こえない中
らんと言った男の子が
泣いてるのだけは見えた
ごめんなさい
____くんっ!!
____ちゃん…ッ!?
わぁっ…ッ!!
もぉ……大丈夫…っ?笑
いたぁ…い…
はいこれ…絆創膏
ありがとぉ!
____ちゃんッッッ″……ッ!!!!
キキィィィッ!!
ドンッ
ぁ…ぇ?
___くん…?
………___ちゃん…ッ
ぁ……ぁ…ッごめッ…なッさ…ポロッポロッ
……___ちゃん……ッッ…
大好き…だよ…ッッポロッ♪
ぁ……ぁぁぁぁあ″ッ!!
まだない
まだない
らん
フリガナ:スイレイ ラン
年齢:15歳
すちの弟
いるま
フリガナ:スイレイ イルマ
年齢:38歳
すちとらんの父親
まだない






