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悪の大罪

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悪の大罪

2 - 第一章 Queen Of The Glass

♥

25

2024年11月02日

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今回はあまりIrisメンバー出てきません。 悪の大罪本家のキャラが出てきます。

後、本家の曲と小説を元に作っているので、物語性が分からなかったらmothyさんのMa計画聞いてください。後、分からない単語があったらコメで質問して下さい

Mothyさんの悪の大罪シリーズを聞いたら大体の物語は分かると思うんで

足元を這う蛇の頭を、勢いよく踏み潰した時だ。

赤い果実が、運河の上流から流れてくるのが見えた

ミロクが手を伸ばすと、幸運にもそれを上手く掴み取る事が出来た。

果実に勢いよくかぶりつくと、従者が目を見開きながら声を上げる。

従者

「いけません、ミロク様。そのような____」

ミロク(ループ=オクトパス)

「元老院長ともあろう者が拾い食いなど、みっともないとでも申すか?」

従者

「____いえ、そういうわけでは。ですが、不潔かと」

ミロク(ループ=オクトパス)

「運河の水は綺麗だよ。貴様の小便よりかはよっぽどな」

従者

「……」

ミロク(ループ=オクトパス)

「浄化装置は順調に機能している。アスマウスの市民が飲み水の不足に悩まされる事はもはやなかろう」

従者

「ええ、ええ、そりゃあもう。アスマウスだけではなく王国の民は皆、セカンドピリオドの叡智に感謝しております」

それを聞いたミロクの眉が、ピクりと吊り上がる。

従者は慌てた様子で、こう付け加えた

従者

「____それにもちろん、元老院のご慈悲にも」

ミロク(ループ=オクトパス)

「その通り。貴様らが豊かに暮らせるのは元老院があってこそだ。それを忘れるな」

従者

「へい……」

ミロクの機嫌が悪いのは、今のやり取りのせいだけではないだろう。長年、彼に仕えてきた従者はその事を敏感に察知していた。

従者

「……やはり、良くない『 お告げ』だったのですか?」

ためらいながらも、従者はそう切り出す。

ミロクは無言で頷いた。

ミロク(ループ=オクトパス)

「その事で、また会議を行う必要がある。二時間後だ。それまでに元老院のメンバーを全員、円卓の間に集めておけ」

従者

「は、はい!」

急いで王城に向かおうとする従者だったが、すぐにミロクに呼び止められた。

ミロク(ループ=オクトパス)

「待て。……他にもう二人ほど、会議に呼んでおけ」

従者

「え?ええと……どなたを?」

ミロク(ループ=オクトパス)

「まずはIf。イフ=ソーンツァだ」

従者

「王立研究所の所長ですね。分かりました、王城に行く前に立ち寄りましょう____もう一人は?」

ミロク(ループ=オクトパス)

「……ガモンだ」

従者

「い……いや、しかし……確か治安部隊は、これからウェルブイアー市への巡回に____」

ミロク(ループ=オクトパス)

「隊長一人がいなくとも、そんなものはどうにでもなるだろう」

従者

「ですが、それでは示しが____」

ミロク(ループ=オクトパス)

「父親が息子を呼んでいるのだ!それ以上に優先すべきことがあるというのか!?」

従者

「わ、分かりました……」

走り去る従者には目もくれず、ミロクは手に持った果実をじっと見つめていた

ミロク(ループ=オクトパス)

(林檎……か。運河の源泉近くには小さな森があったな。そこで実っていたものか)

誰が育てたのではない、自然にできた果実。

だからといってそれを食らうのをためらう必要はない。王国にある物全てを手に入れる権利が自分にはある_____そうミロクは考えていた。

ミロク(ループ=オクトパス)

(果実だけではない。地下や海底に眠るセカンドピリオド……『 神の国』の遺産も。たとえ自分たちで作り上げたものでなくとも、それが役立つ者であるなら放っておく理由などない)

神の遺物は、今を生きる人々の理解を越えた技術の宝庫だ。王立研究所の科学者たちであっても、できるのはそれをどう使う物なのかを解明する事だけだ。

王国にはもう一つ、誇るべきものがある。偉大なる魔術の力だ。遺物を実際に運用する時、その動力源として大抵、魔力がが必要となる。そしてそれを扱える魔道師がいるのはこの王国だけ……レヴィアンタが「魔道王国」と呼ばれるゆえんだ。

遺物と魔術によってレヴィアンタ魔道王国は、隣国とは比べ物にならないほどの繁栄を遂げた。

ミロク(ループ=オクトパス)

(今さら……それを失うわけにはいかぬ!)

ミロクは林檎に力をこめ、勢いよく握りつぶした。

そしてその残骸を、運河に放り捨てる。

河の流れを見つめながら、彼は昔の事を思い出していた。

ミロク(ループ=オクトパス)

(『 神の双子』……果たして、あれは本当にそうだったのか)

____神託を授かる立場である女王は、夫を持つことを禁じられている。

女王は生涯、純潔でなければならないのだ。

しかし女王アリスはある日……子供を身ごもった。

誰の種なのかは、結局わからなかった。

女王は処女懐胎だと主張したが、少なくとも当時のミロクはそれを信じることができなかった。

若き日のミロクは何より、自分の地位が脅かされることを恐れた。

神託を女王から受け取り、民に伝えるのは元老院長の役目だ。

ゆえに女王との対面を許されているのもまた、ミロク一人だけだった。

女王が妊娠したとなれば、誰が疑われるか……答えは明白だ。

事が公になる前にミロクは女王に中絶させようとした。

しかしその前に女王は逃げ出し……捕まえた時には、すでに双子が産まれていた。

ミロクは当時の従者の一人に、その双子を川に捨てるよう命じたのだ_____。

わずかな罪悪感から、赤子に直接手をかけることはしなかったが_____。

川に流した赤子が、生き延びているはずもない。

ミロク(ループ=オクトパス)

(あの双子が『 神の憑依』だったと?……いや、そんなはずはない)

もしもそうだったのならば、双子を殺したミロクは神罰を受けているはずだ。

あれはやはり女王の不貞の子だった……そう彼は結論づけた。

ミロク(ループ=オクトパス)

(今回の神託は……あの事とは全く別の話だ)

ともあれ、女王からの「神託」が下された以上、ミロクとしてそれに従うしかなかった。

アリスはただの傀儡でしかない。

ガラスケースの中に飾られたお人形だ。

しかし、女王が神の言葉を聞けるというのは本当の事なのだ。

レヴィアンタで生まれ育った者にとって、神_____神竜レヴィアビヒモは絶対の存在である。

その言葉に逆らう事は、決して許されない。

◎●◎

エヴィリオス地方の北部一帯を領土に持つレヴィアンタ魔道王国。

その北西部に広がる十二の小都市_____通称「十二王都」の中央に王城・アリスグラードはある。

王城とは言っても、元々は神竜を奉る神殿を守るための壁、でしかなかった。

かつて神殿近くの地中には多くのセカンドピリオドの遺物が眠っていた為、発掘者たちが縄張りを守るために作った壁だった。

その壁は時を経るごとに増築されていき、発掘者たちの、住まいとなり、巨大な建築物へと変わっていった。

その周りには遺物の、恩恵を求める人々が暮らすようになり、やがてそれが都市となったのだ。

その成り立ちゆえに、アリスグラードはあまり高さの無い城であるが、そのぶん広大な敷地を持つ。

この城自体が一つの町であるといっても過言ではないほどだ。

元老院が会議を行う「円卓の間」は王城の中心近く、「第一の壁」区画西部に位置している。

ミロクが円卓の間の扉を開くと、元老院のメンバー十一人はすでに集結していた。

しかし、アダムとガモンの姿は無い。

ミロクは壁際に立っていた従者に尋ねた。

ミロク(ループ=オクトパス)

「あの二人はまだ来てないのか?」

従者

「は、はい……なにぶん、急な事でしたので。ですがもうすぐ_____」

ミロク(ループ=オクトパス)

「まあよい。貴様は席を外せ。アダムとガモンが来たらここに通せ」

従者

「承知しました」

従者が出て行ったのを確認してから、ミロクは院長席に腰を下ろした。

ミロク(ループ=オクトパス)

「会議を始めよう。本日の議題だが_____」

切り出したミロクに対し、巻き髪の男が口を挟んできた。

リー卿

「『 ガラスの女王』が神託を授かったのだろう?ループ=オクトパス院長。そして……それはあまり良くないものだ」

ミロク(ループ=オクトパス)

「どうしてそう思う?リー卿よ」

リー卿

「顔色が良くない。あなたのそんな顔を見たのは……そう……」

イドラ卿

「二年前の日照りの時以来だ」

ミロクの向かいの席に座る白面の男が、リー卿の代わりにそう発言する。

イドラ卿

「あの時も神託があった。そのお陰で我が国は被害を最小限に食い止められたのだ」

ミロク(ループ=オクトパス)

「その通りだ、イドラ卿。だが……今回はその時の非ではない」

イドラ卿

「ならば何だ?洪水、それとも地震_____」

ミロク(ループ=オクトパス)

「どちらでもないし、その両方であるかもしれない」

イドラ卿

「もったいぶらずに、単刀直入に言え」

ミロク(ループ=オクトパス)

「……『 神の怒り』。すなわち_____この世の破滅だよ」

その瞬間、その場にいた全員がざわつき始める。

イドラ卿

「おお……ついに、その時が……」

リー卿

「だが、いくらなんでも突然すぎる。何の前触れもなく_____」

ミロク(ループ=オクトパス)

「神託に前兆などあったことがあるか?神のご意志とはそういうものだ」

ミロクはメンバーに対し、静まるよう求める。

ミロク(ループ=オクトパス)

「まぁ待て。何も今日明日の話ではない。まだ時間の余裕はある」

キナ卿

「いつ訪れるというのだ?『 神の怒り』は」

目つきの鋭い老人がミロクに尋ねた。

ミロク(ループ=オクトパス)

「『 宵闇の歯車』……だそうだ」

キナ卿

「古代歴か。となると今は『 夜明けの歯車』だから……大体、二十年後か。なんだ、ずいぶんと先の事じゃないか」

ほっとした表情を見せた老人を、リー卿が睨みつけた。

リー卿

「あんたの場合、その頃には寿命が来ているでしょうからな、キナ卿」

キナ卿

「なに?口を慎め、若造!」

興奮するキナ卿を無視して、リー卿はミロクの方に顔を向ける。

リー卿

「で、当然、それを回避するための方法も教えてくれたのだろう?神様は」

ミロク(ループ=オクトパス)

「ああ……女王曰く、神竜は憑代を求めているそうだ」

リー卿

「憑代?」

ミロク(ループ=オクトパス)

「ああ。それについてだが_____」

その時、円卓の間や扉が開かれ、二人の若造が中に入ってきた。

ミロク(ループ=オクトパス)

「_____ちょうど良い。来たか」

ミロクはまず、青髪の男に目を向ける。彼は柔和な微笑みを見せた後、その場に跪いた。

If

「遅れて申し訳ございません。イフ=ソーンツァ、ただいま参上いたしました」

一方、Ifの後ろに立つ長髪の男_____ミロクの息子・ガモンは不機嫌な顔で直立したままだった。

ミロク(ループ=オクトパス)

(……ふん、まぁいい)

息子の無礼を咎めるのは後でもいい。

まずは話を先に進めなければならなかった。

この会議は長くなる。ミロクがこれから提案するつもりの「計画」は、易々と全員が賛同するものではないだろう。

ミロク(ループ=オクトパス)

「Ifについては……ヴァジュ卿はよく御存じであろう」

ミロクは隣に座っている、顔の右半分にだけひげを蓄えた男に話しかける。

ヴァジュ卿

「うむ。例の……『 次期女王計画』に関して、王立研究所には協力してもらっている所だ」

その研究所の所長を務めるのがこのIfだ。

ヴァジュ卿

「父親の後を継いだばかりだというのに、よくやってくれているよ、彼は」

そう嬉しそうに述べるヴァジュ卿に対し、Ifは笑顔を返していた。

ミロクはコホン、と軽く咳払いをした後、話を続ける。

ミロク(ループ=オクトパス)

「で、その『 次期女王計画』についてだが_____少々、変更してもらいたいと思っている」

その言葉を聞いたIfの表情が、真剣なものに変わった。

If

「それは……どういう事でしょうか?」

ミロク(ループ=オクトパス)

「そう構える必要はない。我が国にとって、より重要な、事案へと変わる……という事だ」

If

「……話が、よく見えてこないのですが」

ミロク(ループ=オクトパス)

「そうであろうな。では……全員が揃った所で、改めて始めるとしようか」

ミロクは両手を目の前の机に置き、次にこう呟いた。

ミロク(ループ=オクトパス)

「_____『 Ma』計画についての話し合いを、な」

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