ピ~ピ~
小鳥の鳴く声で目を覚ました
校長(冬野 沙耶)
ん…
目の前には知らない天井
そして、見慣れた顔
莉子
沙耶!良かった…
校長(冬野 沙耶)
えっと…私、何が…
校長(冬野 沙耶)
ていうかここどこ…?
莉子
ここは病院
莉子
沙耶は事故にあったんだよ
校長(冬野 沙耶)
あ、そう言えば…
校長(冬野 沙耶)
私はトラックに…
莉子
そうだよ、それで足が…
校長(冬野 沙耶)
足?
校長(冬野 沙耶)
(痛みとかは感じないけど…)
莉子
その、言いにくいんだけど…
ガラガラ
莉子が何か言いかけた時、お医者さんが入ってきた
医師
冬野さん
校長(冬野 沙耶)
あ、前の…!
医師
はい、そうですよ
医師
それで冬野さん、足の具合は?
校長(冬野 沙耶)
特に痛くもないし、異常はないと思うのですが…
医師
今は麻酔していますからね
校長(冬野 沙耶)
麻酔…
校長(冬野 沙耶)
それで私の足はなにか?
医師
はい、冬野さんの足はもう一生動かないかと…
校長(冬野 沙耶)
…え?
医師
私共も最善を尽くしたのですが
医師
骨が粉々で…
校長(冬野 沙耶)
そう…ですか…
莉子
沙耶、大丈夫だよ
校長(冬野 沙耶)
大丈夫って何が?!
私は思い切り声を荒らげてしまった
校長(冬野 沙耶)
私の足は動かないっていうのに…
校長(冬野 沙耶)
何が大丈夫なの?!
校長(冬野 沙耶)
他人事じゃん…
莉子
違う!
莉子は私の手を強く握った
莉子
私はそういうつもりで言ったんじゃないよ!
莉子
沙耶の足が不自由でも私が助けるから
莉子
大丈夫って意味だよ!
莉子
私が沙耶から離れるとでも思ったの?!
校長(冬野 沙耶)
莉子…
校長(冬野 沙耶)
(私つい感情的になって…)
校長(冬野 沙耶)
ごめんね、莉子
莉子
ううん、良いの
莉子
私だって沙耶の立場だったら辛いし
校長(冬野 沙耶)
(ほんと莉子は大人…)
莉子
これからも二人で頑張ってこ
校長(冬野 沙耶)
うん…!
莉子
大好きだよ、沙耶!
校長(冬野 沙耶)
私も!
2人で強く抱き合いました
莉子とならどこまでも行けそうな気がする
例え、世界の果てまでも
「最後の冬は暖かい恋だった」
[完]