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家に帰ってから、
何となく、
脱力感がでてきて、
キッチンにある冷蔵庫にもたれかかった
佐藤はる
佐藤はる
佐藤はる
あなたから離れるべきだ、
そう思った私は
しばらく図書館に行くことは無かった、
いや、厳密に言うと1度だけ図書館に行っていた、
大事な資料を借りに
資料を借りるだけの10分間、
あなたと会うことは無かったのに、
いつの間にか
あなたが私の視界に入ってくる、
少し遠くで誰かを待っているかのような、
そんな表情で、
今日はダメ、
自分にそう何度も言い聞かせて
私は図書館から出ていった
図書館から本館に繋がる廊下で私は胸が苦しくなる、
心の中で波打つ何かが、
心臓をえぐるかのように私を支配する、
あの時と同じだ、
あなたに恋をしたと気づいた時と、
これが恋って、
私は、
どうして気づいてしまったの、?
どうしてあなたと関わってしまったの、?
頭の中で「どうして」がぐるぐると回って
どうしたらいいか分からないくらいに苦しくなって、
ハッとしたの、
そこで気づいた、
私はきっと、
図書館であなたを探していたの、
無意識に、
私の目の奥ある隠れた本性の瞳が、
あなたを探していたの、
そんな私を知らないで、
あなたは誰を探していたの?
心のどこかで
“私だといいな、”
なんて自惚れて、
馬鹿みたいにソワソワして、
彼女がいるのだからやめなさい、
って何度言っても、
恋をしてしまったからには止められない、
誰もいない廊下をひとり
図書館に向かって走り抜ける、
この気持ちを誰にも見せることの無いまま
行き場のないこの気持ちをこれからも隠したまま
彷徨わせたまま
私はあなたに会いに図書館に向かって走るの、
図書館に着いた頃には先刻ほどの賑わいではなかったけど、
やっぱりいた、
いつもの窓際にあるテーブル席
声をかけようか悩んだけど、
西畑大吾
西畑大吾
佐藤はる
西畑大吾
いつもより関西弁の数が多い、
焦ってたりびっくりしている証拠、
私だって、少しはあなたのことはわかる、
そう物申すかのように
私はあなたに言った
佐藤はる
西畑大吾
西畑大吾
西畑大吾
佐藤はる
初めて医学部に入ったことが役に立った、
そう思っただけだった
あなたに抱いた恋心は、
決して抑え込めるものじゃない、
ならば私は、
あなたの彼女になることは、
“許されないことなのですか?”
続きのSTORYまで
♡220以上