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ふっかside

あべちゃん

あの……どちら様でしょうか?

Snow Man

え?

ふっか

嘘……

さっくん

え?あべちゃん?

あべちゃん

あべちゃん?

あべちゃん

知り合い?でしたっけ?

あべちゃん

確かに俺は阿部ですけど

あべちゃん

そうやって呼ぶのは大学の頃の友人が多いんですが

あべちゃん

あなた達は……友達?

翔太

ほんとに……分からない?

あべちゃん

ごめんなさい……

嘘だ

あべちゃんが

俺たちのことを

忘れてる?

ラウール

嘘だ……

こーじ

嘘やろ……

さっくん

やだ!やだ!あべちゃん!

佐久間……落ち着いて

舘様

あべが心配してるから

あべちゃん

……

めめ

1回出ましょ。

めめ

あべちゃん。落ち着いてからまた来るね

あべちゃん

はい……

そう言って泣いてる佐久間と ラウールと康二を外に連れてく

ふっか

俺は残るよ

でも……

ふっか

大丈夫

ふっか

大丈夫だから

ふっか

な?

うん

病室の扉が閉まり

病室は静まり返る

さっくん

あべちゃん……あべちゃん……

ラウール

なんで……あべちゃん……

廊下から佐久間たちの泣き声が響く

あべちゃん

あの人たち大丈夫ですか?

ふっか

うん。みんながついてるから

あべちゃんの表情から見て 嘘をついてないことは

みんなすぐにわかった

だからこそ

辛かった

俺はびっくりしすぎて涙なんて 出なかったし

声も出なかった

でも、佐久間やラウール、他のみんなが 泣いてるの見ているあべちゃんは

ものすごく心配してたし

多分俺のせいって思ってると思う

だからこそ泣けなかった

苦しいし、辛い、信じたくない

そう思ってるのは俺だけ じゃない

あべちゃん

あの……

あべちゃん

俺と、あの人たちの関係って?

ホントのことを言ってもいいのか?

ホントのこと言ったら

あべちゃんは自分を攻める

あの人たちが泣いてるのは

俺が忘れてるからだって

どーしたらいい

あべちゃん

本当のこと言ってください

あべちゃん

俺のことは気にせず

あべちゃん

本当の事を

あべちゃん

知りたいんです

俺の目を真っ直ぐ見て言う あべちゃん

その目には

誰も敵わない

ふっか

メンバー

あべちゃん

え?

ふっか

あべちゃんはSnow Manで

ふっか

俺たちはそのメンバーだったんだ

ふっか

仲良くて

ふっか

家族みたいな

ふっか

大切な存在だった

言ってるうちに涙が出てきた

あべちゃん

そうですか

あべちゃん

Snow Man……

あべちゃん

なんも覚えてないや

あべちゃん

みんなのことも

あべちゃん

Snow Manのことも

あべちゃん

なんも……

あべちゃん

なんで……

あべちゃん

なんで涙が出てくるの

あべちゃん

あなたが泣いてるのを

あべちゃん

あの人たちが泣いてるのを見ると

あべちゃん

心が痛くなる

あべちゃん

Snow Manって聞くと

あべちゃん

心が暖かくなる

あべちゃん

なのに……

あべちゃん

なんにも思い出せない……

あべちゃん

……

あべちゃん

ごめんなさい

あべちゃん

忘れてて……ごめんなさい

布団を握りしめ

頭を下げるあべちゃん

泣きながら

手を震わしながら

「ごめんなさい」

「ごめんなさい」

って何度も何度も

「あべちゃんのせいじゃない」

そう言えばいいだけなのに

俺も泣きすぎて声が出ない

そんなあべちゃんに何も言えず

背中を摩ってあげることしか

俺にはできなかった

佐久間side

あべちゃんが目を覚ました

ものすごく嬉しかったし

抱きつこうとした時

あべちゃん

あの……どちら様でしょうか?

衝撃だった

聞き間違いだって思いたかった

でも、目の前で

あべちゃんが凄い怯えた目で

俺たちを見てくる

怯えた目で……

怖がってるんだ

俺たちに

そりゃそうだ

目を覚ましたら

知らない人達が

自分を囲んで泣いてるんだから

さっくん

やだ!やだ!あべちゃん!

信じたくない

聞き間違いだと思いたい

自分の脳が追いついてないのか

目の前が歪んで見える

多分今、俺はあべちゃんを

怖がらせてる

分かってるのに

涙が出てくる

そんな俺を見て

あべちゃんは悲しい顔をした

あー。悲しませてる

自分のせいで泣いてるって 思ってるんだろうな

めめ

1回出ましょ

あべちゃん

ごめんね

怖がらせてごめん

悲しませてごめん

でも、今の俺には

何かを考えることは出来ない

ショックが大きすぎる

ずっと一緒に過ごしてきたのに

ずっと一緒だったのに……

大切な人に

わすられる悲しさ

苦しさ、辛さ

多分この感覚は

これから先

一生忘れることはないと思う

翔太side

あべちゃんが目を覚ましてから

1週間が経った

あの後佐久間やラウール、康二は

ショックが大きすぎて

あべちゃんと話すことが出来なかった

でも、3日も経てば笑顔で

あべちゃんの病室に来た

あべちゃんは申し訳なさそうに

「ごめんなさい」

「皆さんを忘れてごめんなさい」

と頭を下げた

そんなあべちゃんを見て

3日前には号泣して

何も喋れなかった3人が

さっくん

あべちゃん顔上げて

さっくん

この前あんなに泣いてごめんね

さっくん

怖がらせたよね

ラウール

俺ら自己紹介もせずに

ラウール

こっちの方がごめんねだよ

こーじ

俺らのこと忘れたのは

こーじ

ショックやったけど

こーじ

あべちゃんのせいやない

こーじ

これから思い出してけばいい

さっくん

大丈夫だから。ね?

ほかのメンバーはみんな びっくりしてた

でも、俺達も思ってることは 一緒だったから

みんな1人ずつ自己紹介をすることにした

一人一人あべちゃんとの思い出

なんて呼びあってたのかも

全部伝えた

あべちゃんは一人一人

ちゃんと目を見て聞いてくれて

時々泣きそうになりながら

「そうだったんですね」

と最後には笑った

その笑顔を見て

涙が出てきた

あべちゃんは自分の名前や 家族のこと以外

何もかも忘れてるっぽくて

この1週間

誰が訪ねてきても

くすりとも笑わなかった

ただ怖がって

自分のせいだとせめて

「ごめんなさい」と謝る

その繰り返しだった

だからあべちゃんが

笑ってくれたのがすご嬉しかった

これから先俺たちが

思い出せるように頑張るから

あべちゃんを1人にしないから

だからその笑顔をもっと見せて欲しい

俺たちに笑いかけて欲しい

それでなるべく早く

俺たちのことを思い出して欲しい

また一緒に仕事の話しようよ

踊ろうよ

くだらないことで笑おうよ

駄菓子の話しようよ

俺たち待ってるから

あべちゃんが思い出すまで

ずっと待ってるから

自己紹介をし終わって

あべちゃんはスタッフもマネージャーも

クイズ部の人も

カズレーザーさんのことも忘れてた

ほんとに家族以外の人を

忘れてるんだなって思った

その時廊下を走る音がして

勢いよく扉が開いた

??

あべくん!

入ってきたのは

岩永さん

あべくん!大丈夫?

岩永さん

ごめん忙しくてなかなか来れなかった

岩永さんだった

でもあべちゃんはもちろん 覚えてないと思う

それを伝えるために

翔太

あの……岩……

あべちゃん

岩永さん!

あべちゃん

久しぶり!

Snow Man

……え?

翔太

え?

何が起きてる?

岩永さんって言った?

岩永さん

あべくん大丈夫なの?

あべちゃん

うん。順調に回復してる

岩永さん

そっか……よかった……

あべちゃん

病院の廊下は走っちゃダメだよ

岩永さん

今それ言う?

岩永さん

心配して来たのに

あべちゃん

へへっ

ねぇあべちゃん

岩永さんのことは覚えてるの?

いつものように一緒にいて

家族のような存在だった俺たちは 覚えてないのに

岩永さんのことは覚えてるの?

喜ばなきゃいけないことなのに

なんでだろ

全く喜べない

ただただ虚しくて

ただただ切ない

楽しそうに話してるふたりを

呆然と見つめることしか出来なかった

あべちゃん 記憶喪失

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