何か…。
伊織くんが思わず笑顔に なっちゃうような…
そんな、素敵なアイデア…
おっ!!閃いたっ!!
紫
紫
紫
もちろんお腹が痛いなんて嘘。
嘘をついて、伊織くんが 待ってるうちに
私が何かを奢って…、
…という作戦!!
成功、するかなぁ!?
伊織くん
伊織くん
そ、そんなぁっ!?
…もうバレてたっ!?
紫
紫
伊織くん
紫
紫
バレて…無かった!?
まだ望みがあるかもっ!?
やったぁっ!!
伊織くん
伊織くん
伊織くん
紫
そう言うや否や、私はトイレに 駆け込む。
…でも待って!
これって…
返って心配されちゃう!?
…私、伊織くんにいつも
心配かけてばっかりだ。
ええいっ!もういいやっ!
心配かけたとしても、 喜んでもらう事が
大切、だもんっ!
そうして私は。
人生初にして 人生最後であろう、
「トイレでの決断」を 下したのでしたっ!!
そーっと、そーっと。
抜き足差し足忍び足…っと!
ただ今私は、
トイレからそーっと 出てきましたっ!
な、なんと恥ずかしい 事を…っ。
…一生の不覚、ですね…。
…でもっ!!
伊織くんの為っ!!
伊織くんの為、ですからっ!
…でも、改めて見ると
今の私…
万引き犯に、見えるかも!?
や、やっぱり、
普通に歩こう!!
伊織くん
紫
い、伊織くんっ!?
そんなーーーっ!!
こうして、私のサプライズは
大失敗に終わったのでした!!
伊織くんは心配そうに
顔をしかめると…
伊織くん
紫
伊織くん
紫
ああ…
思ってた通りです!!
伊織くんからの心配の嵐が
鳴り止む気配はありません!!
伊織くん
紫
伊織くん
伊織くんはにっこりとまるで
向日葵のように優しく微笑む。
…この笑顔、好きだな…。
…って、えっ!?
私は伊織くんの笑顔が 好きであって、
伊織くん自体は…?
…や、やだなあ。
考えてたら恥ずかしく なるだけじゃん!!
徐々に私の体温がブワァッと 上がっていく。
考えない、考えないっ…!!
伊織くん
伊織くん
…伊織くん。
これは熱じゃないよ〜っ!?
心の中で叫ぶ私とは 御構い無しに
伊織くんは私の額に 手を添える。
伊織くん
紫
伊織くん
紫
伊織くんの言葉には
私は何故かいつも 逆らえませんーっ!!
紫
紫
紫
伊織くん
伊織くん
伊織くん
紫
伊織くん
紫
伊織くん
紫
伊織くん
紫
大作戦は失敗したけど。
バレたならしょうがない!
サプライズじゃなくたって。
普通に奢れば 良いんだ…!!