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い、伊織くんっ、あのね…!

伊織くん

…?何ですか?

あ、あの…っ!

や、やっぱり私も伊織くんに奢りたい!!

…だめ、かな…?

私の言葉を聞いた伊織くんは

少し考えて…。

はあっと息を吐く。

伊織くん

先輩…。

伊織くん

…分かりました!!

伊織くん

先輩の気持ちも、よく分かります。

やった〜っ!!

うふふ、嬉しいな〜!!

私、伊織くんに 奢らせちゃって…

なんだか伊織くんに、 申し訳ない気持ちで

いっぱいだったんだよね…!

伊織くん

その代わり…。

そ、その代わり!?

一体何が私を待ち受けて いるのでしょうか…っ!?

伊織くんは悪戯っぽい笑みを 浮かべて、私に告げた。

伊織くん

…一つだけ。俺の言うことを聞いて下さい!!

い、言う事…っ!?

伊織くん

はい。一つだけ、です!

一つだけ、とはいえ…

何を言われるか分からない から、怖い…ですね…。

で、でも…

伊織くんはそんなに酷い人じゃないもんね!!

伊織くんは、すっごく 優しい人…だもんね…!?

…いや待て!?

伊織くんって、案外怖い部分もあるんじゃなかった…!?

…ううん、あれは、光樹くんに対してだから…ですよ…っ!

…そう、信じようっ!!

伊織くん

せ、先輩…っ!?

あ、ああ、ごめん

考え事してて…。

伊織くん

そ、そうですか…!

伊織くん

じゃあ、すみません…

伊織くん

…なんだか、申し訳ないな…。

え…っ!?

伊織くん

奢ってもらうの、初めてで…。

伊織くん

光樹とか、仁とかに奢ってばかりで…。

…そっか!!

私はにっこりと笑う。

うーん…何がいいかなぁ…?

あ…!!そうだ!!

伊織くんに奢るのは… これにしよう!!

じゃあ…。

私はいちごみるくを 手に取った…。

これ、どうぞ!!

伊織くん

え…っ!?

私と一緒!!

あ、嫌だったら言ってね…っ!?

伊織くん

伊織くん

…嫌なわけ、無いじゃないですか…っ!

えっ…!?

伊織くん

先輩から奢ってもらえる。そして、それはいちごみるく…。

伊織くん

伊織くん

…幸せすぎて、俺、今日が命日かもしれませんね!!

ええっ!?伊織くんっ!?

伊織くん

…俺は死にませんよ、大丈夫です!

…伊織くんには。

私の気持ち、読まれてた みたいです…!!

よ、良かった〜!

それじゃ、払ってくるね!

伊織くん

伊織くん

ありがとうございます!!

店員さん

一点で、261円になります!

はい!!

店員さん

ありがとうございました!!

伊織くん

お、ありがとうございます!

いやいや、お互い様、でしょ?

伊織くん

…そうですね!

はにかみながらも答えてくれる伊織くん。

…伊織くん、喜んでくれてる みたい…!?

良かった〜!!

伊織くん

それじゃあ、行きま…。

そこで止まってしまう 伊織くん。

さっきの照れ笑いとは 打って変わって

険しい表情。

ど、どうしたんだろう…!?

い、伊織くん…っ!?

伊織くん

先輩。

伊織くん

…ごめんなさい。

え…?何が…!?

伊織くん

今日の事、無かったことにしましょう…?

伊織くんは手を合わせて 何やら唱え始める。

伊織くん

今を忘れよ、記憶から。

伊織くん

今日を忘れよ、記憶から。

伊織くん

我と共に、居た記憶。

伊織くん

記憶を残さず、消し去れよ。

い、伊織くんっ!?

シュンッという音がする。

それと同時に、黄金の光が私を包んでゆく…っ!?

な、なんだこれ…!?

伊織くん

楽しかった、今日の日を。

伊織くん

ひとつ残さず、忘れよ…っ!!

え…っ!?

い…おり…く…ん…っ…?

…朦朧とする意識の中。

一つだけ聞こえたのは。

伊織くんの声だった。

伊織くん

先輩…。

伊織くん

…ごめんなさい…。

その時ぼんやりと見えたのは。

いつもは黒色の伊織くんの瞳が

黄金に輝いて見えた事…。

…綺麗な色だな…。

なんて、私はのんきに 考えていた。

先輩が。

お互い様、でしょ?

…って言ってくれた時。

俺は嬉しかった。

それと同時に、なんだか 恥ずかしかった。

だけどその後。

丁度海に行こうとした時の 事だった…。

俺は見つけてしまったんだ…。

俺達、魔法使いの天敵…。

…そう。

彼奴の姿を…。

失恋しちゃいました‼️伊織くんルート‼️

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311

コメント

13

ユーザー

どのルートも素敵で、選べないです‪w

ユーザー

彼奴の姿……!?だ、誰!?魔法使いの天敵!?え、誰!?←驚きすぎw

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