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『もう、失わない為に。』

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『もう、失わない為に。』

第7話 - Episode7　君がいないと、俺は。

57

2024年11月03日

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深音＠半失踪中(？)

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Episode7　君がいないと、俺は。

先日「愛」のほうでatktを書いたんですけど（唐突）続編クリスマス編にしよかなーと思ってます。いつか短編集でakatも出すかもしれないけど取り敢えずコメントで言ってるので詐欺にならないように実行します投稿日　2024/11/03

俺は“駄目な子”だった。

期待された勉強が出来なかった。

atが引き取られたのは俺のせいだ。

親は、俺の代わりを探してたから

俺が代わりがいらないくらい優秀だったら

atはあんなに苦しまなくて良かった。

でも、atがいなかったら、俺は…

想像することすらできない。

…少なくとも、人生がもっと狂っていたのは確かだろう。

ak

やなこと思い出したなぁ…

atは小さい頃の記憶があまりない。

施設に入ったときの記憶は何となくあるらしいけど

……信頼がないから、教えてもらってないけど。

一方その頃atは…

at

………はぁ、

頭痛が酷くて一睡もできない。

形だけでも寝る努力をしているが

如何にも眠気は失せてしまっている。

at

……

結局俺は、akに迷惑を掛け続けている。

突発的にそんな考えが浮かんでくるあたり、自分で思った以上に申し訳無さを感じているのだろう。

…何の刺激もない施設での日常。

うっすらとしか記憶がない肉親との記憶。

全部、気にしなくていいのはakのお陰だった

でも、俺は何も返せてない。

一方的に想ってばかりなのが辛い。

俺はいつも、自殺を頭に思い浮かべていた。

卒業とか将来とか、そういう未来のことじゃなくて

「いつか、自殺するその日まで」を生きていたような気がした。

でも、いざ自殺するとなると恐怖が込み上げてきて

苦しいばかり。

…akがいなかったら、俺は今頃死んでいたんだろう。

人生っていうのは発作的な考えの連続だ。

自殺だって寿命だろう。

at

…ak、

ふと呟いた名前が遠く感じた。

時が止まったような俺と、進み続けているak。

改めて迷惑かけてばかりなのを感じてしまう。

at

……ぅ…

涙がぼろぼろ零れ落ちて

自分がどれだけ追い詰められているのか悟る。

at

（『たすけて』、『きて　』）

体調が悪いからって訳でもないのに

連絡することを躊躇うことすらできなかった。

心理的不調なら間違ってないけど。