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りうら
悠佑
学校帰り、いつも通り家一直線に 帰ろうとした時りうらに家に誘われた
悠佑
基本、悩むなんてことを知らない 子供みたいな面引っ提げているし、 実際、こんなことは初めてだった
悠佑
そんなことを胸の内に秘めたことが まあ無駄になったのは後の話である
りうら
衝撃すぎた。いや、本当に。
悠佑
喜びか、悲しみか、そんなものより 先に驚きがきた。
りうら
妙に恥じらう姿が余計現実味を 増して、いっそう、りうらの顔を 真っ直ぐに見れなくなる。
悠佑
悠佑
手を組み、机に肘を置き、 口元を隠し、顔は俯く……いわゆる ゲンドウポーズで聞く
りうら
悠佑
りうらの顔は見えないが、声で 顔が真っ赤に染まっていることは 長い付き合いなため、わかった
悠佑
りうら
少しの沈黙の間、悠佑はとりあえず 気持ちを沈め、元の目的…そう、相談に乗ることだけに集中した
悠佑
相変わらずゲンドウポーズで りうらに尋ねる 心臓に悪いというか 脳に悪いご相談だよ全く。
りうら
りうら
悠佑
うう"〜恥ずかしい…みたいな小声が スッゴイ聞こえちゃって 申し訳ない気持ちになる。
悠佑
これは、絶対に聞いておかなければ ならないと思っていた。 誰だりうらをたぶらかした女は…!
りうら
りうら
悠佑
どんな惚気話が来ても受け止められる 自信はしっかりと持っている こちとら覚悟を決めた一端の漢だ。
りうら
ここからは簡単にまとめた内容を お伝えしようと思う。
りうら
理由はこの文章から察してほしい
悠佑
要約すると、こう言うことだ 髪、瞳がなんか黄色くて 声とかは身体しぼってるからか、 めっちゃ通る声で、チビで、 性格は男前って感じらしい。
りうら
悠佑
本当に30分…いや、それ以上 語られ続けた。正直聞いているコッチが恥ずかしい気持ちになった
りうら
悠佑
りうら
悠佑
豆鉄砲喰らったかもしれない… なんのことか全くわからない いや、え、アピール方法じゃないの? と頭をぐるぐると回転させる
りうら
よっぽど忘れてほしいのか、 結構大きな声で、めっちゃ顔を 真っ赤にしながら言ってきた
悠佑
勢いに押された俺は大人しく 返事をする以外、選択肢はなかった
りうら
悠佑
謎の勢いに乗せられたのか、 乗ったのか、それは知らないが、 話題は展開されていった
りうら
悠佑
恋愛経験は豊富な方ではないが、 人並み程度にはある。 …好きになったことはないが。
悠佑
やはり、ここは重要なところだろう 気がついてないとしたら…… 面倒な方向へ行く気しかしない
りうら
机に項垂れて力なく独り言のように 呟くりうらの様子をみるに、 相手は相当、鈍感なやつらしい
悠佑
りうら
どういう意味か、全くわかって いなさそうな顔をしている。 恋愛経験0だから仕方ないが。
悠佑
りうら
もう泣きたい…と思っていそうだ そんなに辛いものなんだなあと どこか他人事のように考える
悠佑
悠佑
りうら
りうらの迷子の小動物みたいな目に、 昔から俺は弱かった
悠佑
りうら
悠佑
悪戯に笑うと、まだ無理まって…! と真っ赤な顔をして言っている。
悠佑
りうら
そんなりうらを見るのは初めてで、 なんだか、それがおかしくて、
悠佑
りうら
なんて、ガラにもないことを 口走った。
悠佑
りうら
悠佑
りうら
嫉妬なんてしたことはなかったが、 今なら少し、気持ちがわかる。
悠佑
…どっちかというと、息子が彼女を 連れてきた虚しさと喜びとが 混じった感情と似ているのだろうが
りうら
悠佑
りうら
悠佑
俺が言い切る前に、りうらは話した
りうら
悠佑
訳が分からない なんで俺なん? 他にええ奴はいっぱいおるやろ?
りうら
りうら
悠佑
最後の恋?
りうら
りうら
悠佑
俺が話そうとするとりうらは 俺の口元へ手を持っていき、塞いだ
りうら
悠佑
その真剣な眼差しに…俺が何かを 言える訳がなかった
りうら
りうら
りうら
いいよ、もう、怒れるわけもない
りうら
りうら
りうら
ごめんね、なんて、言わないで。
りうら
りうら
悠佑
謝らなくていいから、そばにいて
りうら
りうら
りうら
りうら
りうら
りうらは息をして、悠佑に向かい言う
りうら
りうら
好き"でした" なのか、 終わってしまった恋なのか。
悠佑
りうら
りうら
りうら
そう言って笑った。 悲しみが溢れる顔で笑った。
りうら
りうら
"親友でいよう" "好きでした" 二つが同時にこだまして、重なり合う
悠佑
りうら
全部、全部忘れなんてするもんか
悠佑
りうら
悠佑
悠佑
りうら
吃る声で話しているため、 聞き取れはしなかったが 大方予想はつく
悠佑
悠佑
悠佑
りうら
シュン、といきなりの説教に 気分は下がり俯いている。
悠佑
悠佑
悠佑
りうら
りうらが言い切る前に俺は話し出す
悠佑
りうら
悠佑
りうら
悠佑
りうら
悠佑
そこで先ほどまでとは比べ物に ならならいほどに真っ赤な顔した りうらがそこにはいた
りうら
悠佑
悠佑
りうら
分かるけど、わからない。 みたいな感じの顔してる。
悠佑
悠佑
悠佑
変わらなかったんじゃない、 変わる必要がなかったからだ
悠佑
りうら
悲痛な叫び声のようにも、 愛を叫ぶ声のようにも聞こえた
悠佑
悠佑
りうら
りうらが変わると言うのなら、 俺も変わるしかない。
悠佑
りうら
なんで、どういうこと、なんていう 疑問の答えはきっと自分の中にある
悠佑
悠佑
りうら
悠佑
手を振り、扉が閉まる音が聞こえた
悠佑
苦笑い、というには少々悪戯な風な 気がする。
悠佑
悠佑
悠佑
それを望んだのはりうらの方や
悠佑
このまま終わるか
これからを始めるか
悠佑
少しの笑い声と共に、 消えていくのは果たして 恋だろうか、それともーーー
悠佑
悠佑
悠佑