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メインストーリー(MORE MORE SMILE!編)

第17話 - 青色の景色

2025年06月22日

#初音ミク

#鏡音リン

#ステージのセカイ

#メインストーリー

かのん(あだ名でもいいよ)

ステージのセカイ

リン

うんっ！　フリの確認もバッチリ！
ミクちゃん、今日もいーっぱいライブしようね♪

ミク

うん！
……あれ？　あそこにいるのって……

ミク・リン

『みのるくん？』

リン

おーいっ！　みのるくーん！
来てくれたんだね……って

みのる

……ごめんね。急に来ちゃって……

リン

みのるくんどうかしたの？
何か悲しいことでもあったの？

みのる

…………うん。ちょっと……

みのる

自分がどうしたらいいのか
わからなくなっちゃって……

ミク

……。よければ話を聞かせてくれない？
わたし達、みのるくんの力になりたいな

リン

うん！　なんでも言ってほしいな！

みのる

ミクちゃん……リンちゃん……。
ありがとう……

みのる

……ぼくね、昔からすごく運が悪かったんだ

みのる

遠足の日はいつも雨だったり、
お気に入りの服を着てる日にハトにフンかけられちゃったり

みのる

他にも落ちこんじゃうことがいっぱいあって、
学校行くのがイヤになっちゃった時もあったんだ

みのる

でもね、そんな時に、テレビで葵ちゃんを見たんだ

みのる

葵ちゃんは、同い年だって思えないくらい歌が上手くて、
ダンスもかわいくて、
ぼく、気づいたらテレビに釘うちになってたんだ

みのる

それで、歌の最後に、葵ちゃんが言ったんだ

みのる

『今日がいい日じゃなくても、
明日はいい日になるかもしれない』

みのる

みんなが明日を信じてがんばれるように、
これからいっぱい笑顔を届けていくって

みのる

ぼくそれを聞いて……すごく感動したんだ

みのる

今日がいい日じゃなくっても、
きっといつかいい日がやってくるって思えるようになったんだ

ミク

そうだったんだね

みのる

それから葵ちゃんに憧れて、追いかけて、
葵ちゃんみたいに誰かに笑顔をあげられるようになりたい
って思って……

みのる

オーディションには落ちっぱなしだったけど、
葵ちゃんに向かって進んでいく毎日が、すごく幸せだったんだ。

ミク

葵ちゃんが、みのるくんの毎日を、
笑顔でキラキラ輝かせてくれたんだね

みのる

うん

みのる

葵ちゃんがいたから、今のぼくはいるんだ

みのる

でも……葵ちゃんはずっと苦しんでた。
自分はもしかしたら笑顔をあげられていないのかもって悩んで、
ステージに立てなくなって……

みのる

アイドルを……辞めちゃって……

みのる

笑顔をくれた葵ちゃんを励ましたいのに、
ぼく、どうすればいいのか、全然わからない……

ミク

…………。
みのるくんは、葵ちゃんが大好きなんだね

ミク

だから、葵ちゃんのことを考えて悩んじゃうんだね。
みのるくんは、優しいね

ミク

…………ねえ、みのるくん。
今からもう一度、わたし達のライブを見てみない？
特等席用意するから！

みのる

え？　と、特等席？

リン

いいから来て来て〜♪

みのる

わあ……！
ステージの舞台袖ってこんな風になってるんだ

みのる

あれ？　ステージの端っこにイスが……？

リン

はいっ！　みのるくんの席はここ！
じゃあ行こう、ミクちゃんっ！

みのる

え？　ええっ！？
こ、ここで見るの！？

ﾌｫｰ!ｲｪｰｲ!ﾊﾟﾁﾊﾟﾁ

リン

みんなー！　こんにちはー！
今日はお友達のみのるくんが見に来てくれてるんだ！

ミク

みのるくんには、
特等席でライブを楽しんでもらおうとおもいます！

ミク

そこで見ててねみのるくん！
それじゃあ……ライブ、スタート！

みのる

あっ……！

ミク・リン

『━━♪　━━♪』

みのる

（やっぱり、ミクちゃん達のライブは素敵だな……。
いっぱい元気を貰えるような気がする）

リン

それじゃ、次の曲いっくよー！！

みのる

あっ！
ペンライトがみんな青くなって……！

みのる

……綺麗……。
ステージから見ると、本当に海みたいなんだ……

みのる

葵ちゃんはずっと、
こんな綺麗な景色を見てたんだ……

リン

みのるくん、ただいま！
ライブどうだった？

みのる

すっごくよかったよ！　ふたりとも息ぴったりで……。
それに……葵ちゃんの見てた景色を見られて、嬉しかったな

リン

えへへ、あの青い海みたいなペンライト、
ここから見るとすっごくキレイだよね！

ミク

このセカイでライブをすると、
ペンライトが一面青くなる時があるんだよ

みのる

あ、そういえば前来た時にも……。でも、どうして？

ミク

なんでだろう？　でも、このセカイは想いでできてるから
誰かの想いが現れてるのかもしれないね

みのる

誰かの想いって……

葵

青い光と一緒に、みんなの嬉しそうな顔が見えて、
すごく━━綺麗だった

葵

…………もう、見られないけど

みのる

もしかして……葵ちゃんの……？

みのる

もし、あの景色が葵ちゃんの想いなら……、
葵ちゃんは、まだあの景色を……

みのる

でも……本当に、そうだとしたら……

葵

……ステージに向かおうとするとね、
もう、足が動かないの

葵

……でも、もういいの。
全部受け入れて、諦めようって、そう決めたから

みのる

……っ。
そんなの……そんなのすごく悲しいよ……！

みのる

葵ちゃんが……、葵ちゃんが一番見たい景色を、
もう、見られないなんて……！

リン

みのるくん……

みのる

…………

みのる

（でも……ぼくが葵ちゃんのために
できることがあるとしたら……！）

みのる

……ミクちゃん、リンちゃん！
このステージに葵ちゃんを連れてきてもいい！？

みのる

あの光を葵ちゃんに見せてあげたいんだ！

みのる

アイドルに戻れなくっても、せめてあの景色を━━、
葵ちゃんの大事な景色を、見せてあげたいんだ！

ミク

うん！　もちろんいいよ！

みのる

……！　ありがとう！

みのる

それじゃあ、葵ちゃんを連れてくるから、
ミクちゃんとリンちゃんはその時にライブを……！

ミク

でも、ライブをやるのは、わたし達じゃなくて
みのるくんがいいんじゃないかな？

みのる

え！？　ぼ、ぼくがライブ！？

ミク

うん！　葵ちゃんを励ましたいっていうみのるくんの想いは、
やっぱりみのるくんが直接届けた方がいいと思うの！

みのる

でも、ぼくステージに立ったことなんて……

リン

大丈夫！　みのるくんは葵ちゃんがだーい好きでしょ？
だからきっとできるよ！

みのる

…………

みのる

（葵ちゃんはどんな時も、ステージの上から、
たくさん笑顔を届けてくれた）

みのる

（だったら今度は━━ぼくが届けなくちゃ！！）

みのる

うん！　ぼく、がんばる！
葵ちゃんの一番見たい景色を届けてみせる！

ﾜｲﾜｲｶﾞﾔｶﾞﾔ…

スクランブル交差点

葵

……あ

葵

（この曲、ASRUNの曲だ……）

葵

……馬鹿だな。
もう、戻れないのに

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