陸
私
の名前はルナ、母さんに叱られて家出をした私は、森の木の上で泣いていた。
「もうおしまいよ。みんなに嫌われたわ。」
すると下の方から声がした。
「おい、お前大丈夫かい?」
そこには若い人間の男が立っていた。どうやら木の上まで登ってきたようだ。
「貴方誰?」
「俺の名はルーカス。冒険者をしている。君はどうしてこんな所で泣いているんだい?」
「実は・・・」
私は彼に今までのことを話し始めた。初めて会った時、私が持っていたお菓子を食べられた事。
初めて一緒に遊んだ時のこと。
私の大切な宝物のペンダントをなくしてしまった時のこと。
おままごとをした時に私がパパ役になって彼が子供役をした事。
ママのお見舞いに行った帰り道で初めて手を繋いだ事。
喧嘩してしまった後の仲直りの仕方を教えてくれた事。
そして、あの日約束を交わした事を……。
