スマイル
スマイル
司書
スマイル
司書
司書
スマイル
スマイル
司書
スマイル
司書
俺はスマイル。
中学3年、苦手教科は体育だけ。 あのマット運動とかいう変なものは 許せない。
それと、教室が騒がしいので普段は 図書室にいる。
司書のしおり先生は優しいから、
俺みたいな奴も受け容れてくれる。
…それに本も教えてくれるし。
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司書
司書
スマイル
スマイル
司書
スマイル
スマイル
スマイル
スマイル
スマイル
スマイル
ガラガラガラ
スマイル
きんとき
その時、突如として現れたのが 当時同じクラスだった、きんとき。
うっわ、まじか……
しかも、その数十分後。 司書のしおり先生が耳打ちしてきた。
司書
司書
スマイル
司書
スマイル
司書
スマイル
まぁ結局やらされたけど!
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スマイル
スマイル
……だけど、
きんときは言ってくれたんだ。
「お勧めとかあるんだったら教えて」
俺は、理解者が増えた気がした。
いつも考え事をしすぎて、
変なやつだとしか思われていないのに………
だから、嬉しかったんだ。
……
でも、 「また明日」 と言って別れた日を最後に、
学生として きんときに会うのは最後になった。
突然、そんな日々が壊れたから。
…俺が、壊したんだ。
--ある日の昼休み--
スマイル
スマイル
この日も、きんときに共有する為の本を探していた。
???
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誰だろう?
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少し顔を見たら、分かった。
確か、生徒会長だったはず。
でも、 生徒会長ともなる人が、なぜここに?
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???
???
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???
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???
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俺の頭には?が沢山。
だが、そんな俺にも
人懐っこい笑顔で声をかける会長。
俺は、すぐに彼の話術に取り込まれてしまった。
???
???
???
スマイル
???
???
???
???
???
???
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???
???
???
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???
???
???
スマイル
???
スマイル
初めて、 「本が好き」って言ってくれた。
この人となら、たくさん本の話が 出来るかもしれない。
???
???
???
スマイル
???
???
???
スマイル
???
???
スマイル
その明るい笑い声によって、
暗い図書室に、 陽の光が差し込んだ気がした。
その日から、俺は
昼休みに生徒会長、
放課後にはきんときに、
本を教えるという日々を繰り返した。
スマイル
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バターン
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???
スマイル
???
スマイル
???
スマイル
───課題。
確かに、今回のは量が多かったな。
終わったけど☆
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???
…?
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???
???
???
???
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…何だ?
今、何かおかしかったような…?
???
何か、呟いてたような気もするな。
……まぁ、いいか。
???
???
スマイル
もう予鈴がなったので、 小さく手を振って送り出す。
生徒会長、 課題と仕事と部活とで大変だな… なんてぼんやり思いながら、
スマイル
俺は引き続ききんときと共有する為の本を探し始めた。
───あ、あった。
これなら、ちょうどいい。
「本を守ろうとする猫の話」
本についての物語だから、
改めて本についてきんときが深く 考える日が来たらいいなと、
1冊の本を胸に抱えて目を閉じた。
そんな日は二度と来なかった。
生徒会長に課題を教えた日の放課後。
少し暗く、 橙色の陽に照らされる図書室。
きんときは用事があるらしく、 今日は来なかった。
スマイル
人との関わりを避け、 人の声を遮断した俺だったが、
いざ失えば、幾らか淋しい。
そんな事を思いながら、
ぼーっと本を読んでいた。
…長い間、そうしていた。
そんな小さくも平和な空間は、
ドアを乱暴に開ける音に壊された。
???
???
スマイル
普段の会長からは想像も出来ない ぐらいの大声が、
俺の鼓膜を貫いて響く。
スマイル
???
???
???
ゾワッと、悪寒が背筋を伝う。
怖かった。
いつもの人懐っこい笑顔ではなく、
氷の棘で刺すような笑顔。
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引き攣った笑いを浮かべる。
会長が近付く。
???
???
???
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その手が 俺の前の机に叩きつけられる。
バン!
スマイル
一枚の紙、成績表。
スマイル
???
スマイル
???
声を荒らげる生徒会長。
ちらっと、生徒会長の結果を見る。
2位────
???
???
???
???
???
???
スマイル
スマイル
???
???
???
???
???
スマイル
???
「嘘つき」。
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いきなり襟元を掴まれる。
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そのまま奥の本棚に連れていかれ、
掴んでいた手を乱暴に突き放される。
スマイル
スマイル
本棚に叩きつけられる。
その拍子に何冊かの本が 頭に落ちてくる。
逃げようとしたが、 会長は俺を押さえ込んだ。
スマイル
そして、 俺を抑えたまま空いている方の手を 大きく振り上げて……
スマイル
???
???
???
???
???
???
もうさっきまでの面影が消えた会長。
浴びせかけられる罵声の数々が、
人の温もりで溶けかかった心を 冷たく固めていく。
スマイル
スマイル
スマイル
小さな声の先が、 弱々しく震えていた。
俺を無視するかのように、
大きく彼の右手が振り上げられる。
スマイル
???
???
急に響く大きな声。
きんとき?いや、あいつは用事があるって言ってたし……
???
舌打ちをして俺を突き放し、
荒々しく立ち去る生徒会長。
彼を変えたのは俺だ。
そして、 それが自分に降り掛かった罪なのだ。
これが「揺り戻し」かと、 俺は自嘲的に小さく笑う。
スマイル
金髪の男子が駆け寄る。
???
スマイル
スマイル
スマイル
ゆっくりと立ち上がり、 周辺に散らばった本を見回す。
???
???
スマイル
痛みと悲しみで冷えた心は、
もう少しも灯らなかった。
床に散らばった本に手を伸ばすと、
別の手が伸びて、 本棚にそれを仕舞った。
スマイル
???
???
ぶっきらぼうなソイツの声は、
何故か心に温かく響いた。
スマイル
???
そう言われたら、 もう立ち去るほかなかった。
手当てを終えて校舎の外でぼーっとしていると、
金髪の男子が昇降口から 駆け寄ってきた。
???
スマイル
スマイル
???
呆れたような、嬉しいような、
はたまたその両方かぐらいの笑顔を 浮かべて、彼は歩き出す。
スマイル
???
スマイル
???
楽しい会話。
彼の笑い声と俺の小さな声が重なる。
???
???
きりやん
きりやん
スマイル
生徒会長と初めて会った日が 思い出される。
あの日も、名前を聞かれて、
嬉しさの余り、 馬鹿みたいに返事をしたっけな。
スマイル
でも、大丈夫。
スマイル
コイツなら、
スマイル
コイツとなら、大丈夫。
きりやん
そんな気が、する。
きりやん
スマイル
きりやんは、驚いて目を見開く。
きりやん
きりやん
スマイル
きりやん
きりやん
スマイル
スマイル
きりやん
きりやんの反応的に、 俺は変顔になってたんだと思う。
きりやん
きりやん
スマイル
きりやん
きりやんは、しばらく爆笑した後に、
肩を震わせて顔を上げた。
きりやん
スマイル
きりやん
スマイル
きりやん
スマイル
きりやん
スマイル
笑えよ。 そう言った彼の顔は、泣いていた。
スマイル
スマイル
慌てて伸ばした俺の手を取って、
彼はもう一度、笑う。
きりやん
きりやんの笑い声が、煌びやかな オレンジ色の空に弾けて溶けた─。
……To be continued
コメント
12件
うん、神
コメント欄が暴れている...まぁそういう日もあるよね 本当にこの話の人の関係性や一つ一つの過去がとても日常でも有り得そうで親近感みたいなのが湧くミッドナイトさんの作品は神ですね✨