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青春って、難しい
第 4 話
⚠️ 通 報 ✖ ⚠️ ブ ク マ 一 言 欲 し い で す ⚠️ 桃 赤 、 青 黄 の 地 雷 バ ッ ク
れ っ つ ご ー
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上水口 赤(カミナグチアカ)
お母さん
家に戻るとママが食事の支度を整えて待っていた。
食卓テーブルの上には今日のおかず、4品くらいがすでに並んでいる。
そこから離れた場所にある大型のソファから立ち上がりながら、ママが手にしていた雑誌を目の前のガラスのローテーブルに置いた。
ママの隣で丸くなっていた猫のキャラメルが、不服そうに、なー、と鳴いた。
上水口 赤(カミナグチアカ)
上水口 赤(カミナグチアカ)
制服のシャツのネクタイに指をかけて緩めながら、まだソファの上にいるキャラメルに顔を近づける。
ぐるぐると喉の奥から甘えた声を出す。
でも、もう以前のようにソファからぴょんっと飛び降りることはしない。
もう若くもない。
怪我のせいなのか落ち着いてきているのか、それはわからない。
キャラメルは1年前近く前に酷く足を引きずって帰ってきたことがあって、
それ以来、以前ほど活発に動くことはなくなってしまった。
すぐに病院に連れて行きレントゲンを撮った結果、後ろ脚の骨にヒビが入っていることがわかった。
なにか強い衝撃が加えられたのかもしれないですね、とお医者さんはいった。
オス猫で行動範囲が広いキャラメルに、何があったのかは結局わからない。
お母さん
お母さん
キャラメルに構って遊んでいると、ママが声をかけてきた。
上水口 赤(カミナグチアカ)
俺は、今となっては大きすぎるガラスの食卓テーブルの上にちらりと視線をはわせ、身をひるがえした。
今日もテーブルの上に用意されている食事は2人分。
ママと俺の分だ。
かなり広いリビングに置いてある家具は、こっちに引っ越してくる時に全部買い替えたものだ。
ガラスの食卓テーブル。
ガラスのローテーブル。
高価なクリスタルだけを収納した背面が鏡のコレクションボード。
めったに家族が集うことのないリビングは、ガラスの硬質な光であふれかえっていて、
それが美しさよりも冷たさをさそっている。
今日も黄は外食だ。
俺たち2人が貰っているお小遣いは、高校1年としては少ない。
でも食事代は常に男の子に出してもらっている黄は、そのほとんどを洋服代やゲームに使っている。
いくら使ってもパパから貰えるのだ。
手を洗って部屋着に着替え、食卓に着く頃にはもうママが全ての用意をしてくれていた。
2人
2人で手を合わせてお箸をとる。
すっかり慣れた日常だ。
お母さん
里芋を頬張りながら答える
上水口 赤(カミナグチアカ)
上水口 赤(カミナグチアカ)
お母さん
上水口 赤(カミナグチアカ)
上水口 赤(カミナグチアカ)
お母さん
お母さん
俺はまだ咀嚼不十分な大きさの里芋をごくんと飲み下した。
上水口 赤(カミナグチアカ)
上水口 赤(カミナグチアカ)
上水口 赤(カミナグチアカ)
最近家で暗い顔をしていたとしたら、原因は他のところにある。
一瞬一澤くんの事が頭をよぎり、叩かれた頬を意識した。
上水口 赤(カミナグチアカ)
お母さん
お母さん
上水口 赤(カミナグチアカ)
ママは趣味が高じて自分でデザインし、縫製まで手がけた洋服をネット上で販売する工房をやっている。
それが最近はそこそこ人気があって、ちゃんと軌道に乗っているのだ。
お母さん
上水口 赤(カミナグチアカ)
ママが立ち上がって何枚かのデザイン画を持ってきた。
お母さん
俺はお箸を置いてデザイン画を受け取った。
上水口 赤(カミナグチアカ)
上水口 赤(カミナグチアカ)
お母さん
上水口 赤(カミナグチアカ)
上水口 赤(カミナグチアカ)
お母さん
上水口 赤(カミナグチアカ)
上水口 赤(カミナグチアカ)
俺たちはお行儀悪くご飯を食べながらデザイン画を手に、ああでもないこうでもないと意見交換をする。
ママと2人は気楽だ。
そこに、ガチャガチャと玄関の鍵を開ける音がした。
お母さん
ママがデザイン画をバサッとテーブルの上に置いて立ち上がる。
はしっこが味噌汁に入りそうだ。
そのままスリッパの音もあらく玄関のほうに急ぐ。
俺もママの後ろから立ち上がり、のろのろと玄関に向かう。
お母さん
上水口 黄(カミナグチキイ)
制服の上に高いブランドのダッフルコートを着た黄が、ママに背を向けてドアの鍵を回しながら答えている。
髪は俺よりちょっと長く、東京の雑誌に載るような有名な店でたまに染めたり切ったりしている。
上水口 赤(カミナグチアカ)
俺もママの数歩後ろから声をかける。
上水口 黄(カミナグチキイ)
お母さん
ママの声はどこか心細そうに響く。
上水口 黄(カミナグチキイ)
お母さん
お母さん
上水口 黄(カミナグチキイ)
黄は自分の部屋に向かおうと階段に片足を乗せ、ちらりと俺のほうに視線を動かした。
お母さん
お母さん
苺は黄の大好物だ。
上水口 黄(カミナグチキイ)
上水口 黄(カミナグチキイ)
お母さん
黄はそのまま、階段を上がってしまった。
黄が毎日のように外食をしてくるようになってしまったのは、いつ頃からだったんだろう。
高校に入った当初はまだ3人、たまにはパパも入れて4人でご飯を食べていた。
お母さん
上水口 赤(カミナグチアカ)
上水口 赤(カミナグチアカ)
お母さん
それから俺とママはリビングに戻り、夕食の続きをした。
お母さん
上水口 赤(カミナグチアカ)
上水口 赤(カミナグチアカ)
お母さん
上水口 赤(カミナグチアカ)
上水口 赤(カミナグチアカ)
上水口 赤(カミナグチアカ)
上水口 赤(カミナグチアカ)
宮内くんを傲慢な態度で振って、俺がその余波を頭から思いっきりかぶさったことを思い出し、苦い感情が湧き上がる。
お母さん
お母さん
上水口 赤(カミナグチアカ)
お母さん
お母さん
新生児室と幼稚園ですでにモテ期を2回も使ってしまったってこと?
頭が痛い。
そんなとこでモテたって全然嬉しくないよ。
黄のほうは、小学校までそれほど目立つ子ではなかった。
黄のモテ期開始は中学からで、そこからずっと今に至るまで続いている。
お母さん
きゃははと笑うママ
上水口 赤(カミナグチアカ)
俺のモテ期の話をしながら、ママはさっきと同様明るく振舞っていた。
でもわかる。
黄が帰ってくるまでのあのテンションを取り戻すことはできなくて、明るい声音に演技の色あいが微妙に感じる。
それはきっと俺も同じだった。
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