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日差しが柔らかくさし込む朝。
柚希は大きく伸びをしてカーテンを開けた。
朝比奈柚希
外では桜が舞っており、柚希は感動した。
そして、柚希はとある人から耳寄りな情報を入手した。
近々、ここの付近で『桜まつり』というものをやるらしい。
『桜まつり』では花見をしながら屋台を楽しむ伝統的な祭りである。
一見すると普通に聞こえる。
しかし、それはあくまで一見したらだ。
『桜まつり』にはとあるジンクスがある。
それは、神社の大奥の桜の木で告白した男性は恋が叶うというものだ。
柚希が楽しみにしているのはこれである。
朝比奈柚希
なんてありもしない妄想を働かせながら柚希は顔をニヤつかせていた。
朝比奈柚希
そう思い柚希は朔也説得作戦を決行する事にした。
高瀬朔也の家の前に来た柚希は、スーハーと深呼吸をした。
これは柚希が朔也宅に訪ねる前の習慣となっている。
朝比奈柚希
そして覚悟を決めてチャイムを鳴らした。
ピンポーン…
しかし、しばらくしても朔也は出てこなかった。
朝比奈柚希
そう思いもう一度チャイムを鳴らしてみた。
しかし、それでも朔也は出てこなかった。
朝比奈柚希
そう思い柚希は1度部屋に戻ろうとした。
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そう挨拶してきたのはチャラめの金髪サラサラヘアー。
けれど、高瀬朔也程背丈が高くない青年だった。
朝比奈柚希
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そうにこやかな笑顔を浮かべながら聞いてきた。
朝比奈柚希
そう言って柚希は自分の右横にある部屋を指さした。
しかし、柚希は数秒後後悔した。
その部屋に住んでいる高瀬朔也という男は、超がつくほどの大人気YouTuber。
そんな人の住所を軽々と教えてしまったのだ。
朝比奈柚希
????
朝比奈柚希
????
チャラ男は大きく息を吸い込み、そう大声で叫んだ。
するとその部屋の中からドタドタと徐々に大きくなる足音が聞こえてきた。
高瀬朔也
扉から出てきた朔也が柚希とチャラ男を引っ張り部屋に入れた。
高瀬朔也
朔也が大声で叫んだ。
高瀬朔也
????
高瀬朔也
そんな言い合いをしている様子はまるで高校生のようだった。
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朝比奈柚希
いきなり矛先が柚希に向いたものだから思わず戸惑ってしまった。
なんだ、何かヘマをしてしまっただろうか?
そう思いしばらく考えた。
朝比奈柚希
しかし、心当たりが無かったので、柚希はチャラ男に尋ねた。
????
そこでようやくはっとなった。
朝比奈柚希
柚希は絶望した。
このままじゃ高瀬朔也からの信用がガタ落ちである。
何か言い分を考えねばならない。
いや、その前に謝罪が必要だろう。
朝比奈柚希
高瀬朔也
朝比奈柚希
柚希はポカンとした顔で朔也を見つめた。
そりゃあそうだ。
普通に怒鳴られる事を覚悟していたが、思った以上に反応は薄かったものだからそりゃあ驚いたものだった。
朝比奈柚希
高瀬朔也
高瀬朔也
????
????
高瀬朔也
朝比奈柚希
柚希はずっと疑問に思っていた事を尋ねた。
村瀬陽翔
そうにこやかな笑顔を浮かべ、陽翔は手を差し出してきた。
村瀬陽翔
朝比奈柚希
柚希も思わず笑顔を浮かべ、手を握った。
高瀬朔也
村瀬陽翔
陽翔は何かを思い出したかのように鞄からノートパソコンを取り出した。
村瀬陽翔
高瀬朔也
村瀬陽翔
動画を確認する朔也の横で陽翔がドヤ顔をしていた。
しかし…
高瀬朔也
村瀬陽翔
驚く陽翔と一緒に柚希も動画を見た。
確かに砂糖が佐藤になっていたり塩胡椒の胡椒が故障になっていたりとかなりの誤字が見つかった。
高瀬朔也
村瀬陽翔
若干不機嫌になったものの、陽翔は椅子に腰掛け、また動画編集に取り掛かり始めた。
高瀬朔也
朝比奈柚希
柚希と朔也は沈黙が続いた。
高瀬朔也
朝比奈柚希
高瀬朔也
朝比奈柚希
村瀬陽翔
陽翔が椅子から立ち上がりそう言った。
村瀬陽翔
高瀬朔也
朝比奈柚希
高瀬朔也
村瀬陽翔
高瀬朔也
朝比奈柚希
高瀬朔也のツンデレ具合は本日も健在だった。
高瀬朔也
朝比奈柚希
高瀬朔也
村瀬陽翔
朝比奈柚希
高瀬朔也
朔也が陽翔を睨みつけていたが、陽翔は気にも止めない様子だった。
朝比奈柚希
柚希がそう言うと、その場は一瞬沈黙に包まれた。
そんな中口を開いたのは陽翔だった。
村瀬陽翔
高瀬朔也
そう言って朔也はデスクトップパソコンの方を向いてしまった。
朝比奈柚希
そりゃあそうだ。
前にも言ったが仕事を引き合いに出されたら何も言えない。
朝比奈柚希
柚希は弱気になっていた。
村瀬陽翔
村瀬陽翔
朝比奈柚希
村瀬陽翔
村瀬陽翔
朝比奈柚希
いきなりの誘いに柚希は開いた口が塞がらなかった。
朝比奈柚希
正直、今の状況なら是非とお受けしたい気持ちだ。
けれど、もしここでOKを出してしまったら朔也との間に距離ができてしまうのではないかと思ってしまった。
それに何より…
朝比奈柚希
朝比奈柚希
朝比奈柚希
真摯に、そしてなるべく大きな声で断った。
村瀬陽翔
陽翔は大声で笑い始めた。
柚希は驚いてしばらく呆然としていた。
村瀬陽翔
朝比奈柚希
高瀬朔也
村瀬陽翔
そう言って陽翔は帰っていった。
高瀬朔也
朝比奈柚希
高瀬朔也
何か物思いにふける顔で朔也が話しているのを見て、柚希は疑問に思った。
朝比奈柚希
高瀬朔也と仲が良い…それはものすごく憧れることだ。
高瀬朔也
朝比奈柚希
高瀬朔也
高瀬朔也
朔也の回想
カタカタ…カタカタカタ…
高瀬朔也
高瀬朔也
当時の俺はとある出来事の後でレシピの案もまともに思い浮かばなかった。
もともと口が悪くこだわりが強いため、アシスタントと衝突したりする事が多々あって、その時も1人だった。
俺はこれからもきっと、天涯孤独なんだろう…
そんな事ばかり考えていた。
この男と出会うまでは…
村瀬陽翔
背後からとある青年が話しかけてきた。
金髪で、見るからにチャラそうな男。
俺と1番相性の悪いタイプの人間だった。
高瀬朔也
俺はそうキツく言い放った。
村瀬陽翔
高瀬朔也
村瀬陽翔
高瀬朔也
村瀬陽翔
村瀬陽翔
高瀬朔也
村瀬陽翔
高瀬朔也
とにかく褒めていたことは覚えてる。
それが当時の俺にはとても鬱陶しかったのも覚えてる。
村瀬陽翔
村瀬陽翔
高瀬朔也
俺は驚きのあまり立ち上がった。
高瀬朔也
死にものぐるいで動画を作ってきた俺は、その言葉に憤慨した。
頭が真っ白になり気づけばチャラ男の胸ぐらを掴んでいた。
高瀬朔也
村瀬陽翔
高瀬朔也
編集長
編集長があの時入ってこなかったら、俺はそのまま村瀬を殴っていたかもしれない。
高瀬朔也
編集長
村瀬陽翔
癇癪を起こしてしまった俺に、村瀬はにこやかな笑顔を向けた。
村瀬陽翔
編集長
村瀬陽翔
高瀬朔也
編集長
編集長
村瀬陽翔
村瀬陽翔
編集長
高瀬朔也
それが衝撃的だった。
それからというものの、しょっちゅう村瀬から連絡が来る様になった。
高瀬朔也
しかし、無視をした罰が下ったのかその10分後。
高瀬朔也
時計を見ると既に18時50分というかなりやばい時間だった。
高瀬朔也
飲食店の中に入った時には、少しだが汗だくだった。
高瀬朔也
店員
店員
高瀬朔也
村瀬陽翔
店員
高瀬朔也
村瀬陽翔
高瀬朔也
村瀬陽翔
高瀬朔也
高瀬朔也
村瀬陽翔
高瀬朔也
村瀬陽翔
村瀬陽翔
高瀬朔也
村瀬陽翔
高瀬朔也
村瀬陽翔
村瀬陽翔
高瀬朔也
村瀬陽翔
そう言って村瀬はファイルからポテトの画像を開いた。
すると、フォントがポテトのデザインに変化した。
村瀬陽翔
高瀬朔也
村瀬陽翔
高瀬朔也
村瀬陽翔
高瀬朔也
村瀬陽翔
高瀬朔也
村瀬陽翔
高瀬朔也
高瀬朔也
村瀬陽翔
高瀬朔也
村瀬陽翔
高瀬朔也
村瀬陽翔
高瀬朔也
高瀬朔也
村瀬陽翔
高瀬朔也
村瀬陽翔
高瀬朔也
村瀬陽翔
その日は…何だか楽しかった。
朝比奈柚希
高瀬朔也
朔也が微笑みを浮かべそう言った。
朝比奈柚希
柚希は手を挙げた。
高瀬朔也
朝比奈柚希
高瀬朔也
朔也は顔を曇らせた。
恐らく、聞いてはいけない事だったのだろう。
高瀬朔也
朝比奈柚希
高瀬朔也
朝比奈柚希
柚希は勇気を振り絞った。
高瀬朔也
朔也はしばらく黙り込んでいたが、何かを紙に書き始めた。
そしてそれを柚希に手渡した。
朝比奈柚希
高瀬朔也
高瀬朔也
朝比奈柚希
高瀬朔也
そう言って朔也は再びヘッドホンを着けてパソコンとにらめっこした。
朝比奈柚希
朝比奈柚希
朔也からのミッションをクリアすれば、一緒にデートが出来ると分かった柚希は、いつも以上に気合いが入っていた。
朝比奈柚希
朝比奈柚希
朝比奈柚希
朝比奈柚希
柚希は普段料理をしないので、鍋なんていう品は持ち合わせていない。
高瀬宅に借りに行こうかとも考えたが、仕事中の最中邪魔をする訳にもいかない。
朝比奈柚希
そう思い柚希はクローゼットから段ボールを引きずり出し、中を漁ってみた。
朝比奈柚希
そこで見つけたのは昔母が味噌汁を作ったりするのに使っていた鍋だった。
しかもご丁寧に蓋まで。
朝比奈柚希
そうと決まれば早速材料調達である。
柚希は近所にあるスーパーマーケットに訪れた。
品揃えが豊富だが、驚いたのは値段の高さ。
物価の高騰でかなり野菜も高額になっていたのだ。
朝比奈柚希
そんな事を能天気に考えていると、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
堂本佳奈
あまり聞き心地の良い声では無かった。
朝比奈柚希
堂本佳奈
朝比奈柚希
堂本佳奈
この女はいちいちうざったらしく突っかかってくるのだ。
何ともめんどくさい(´ε`;)
朝比奈柚希
柚希はそう言った。
しかし、堂本佳奈は険しい表情を浮かべた。
堂本佳奈
朝比奈柚希
堂本佳奈
そう柚希が頷くと、堂本佳奈は大声で笑い始めた。
堂本佳奈
朝比奈柚希
堂本佳奈
堂本佳奈
そう小馬鹿にするような言い方で柚希を下げる姿は周りから見ても不愉快極まりなかった。
朝比奈柚希
柚希は堂本佳奈をずっと睨んだ。
堂本佳奈
堂本佳奈はまたもや怯んだのかぷんすこと帰っていった。
朝比奈柚希
そんな事をぶつくさ言いながら買い物を終えた。
睨む事はできるのに言い返す事は出来ない。
柚希の悪い所である。
肝心な部分で勇気が出ない。
それから家に帰宅すると、体から力が抜けた。
早く料理を…考えてはいるのに頭はぼーっとする。
朝比奈柚希
そう結論づけてキッチンによろよろと向かった。
キッチンに着いた後は、でかでかとした買い物袋を置き、冷蔵庫を開けた。
材料をある程度冷やし、レシピを確認。
料理は思った以上に難しいのだなと再確認した。
朝比奈柚希
ズキズキと頭が痛みで重くなる。
風邪をひいただろうか?
朝比奈柚希
すりおろし器で生姜をすりおろし、鶏ひき肉の入ったボウルに入れた。
朝比奈柚希
ぐちゃぐちゃと音が脳内に響き渡った。
朝比奈柚希
生姜の匂いがいいアクセントになっていて食欲をそそられた。
朝比奈柚希
そんな事を思いながら肉団子のタネをこね続けた。
朝比奈柚希
柚希は疑問に思いスマホで出汁の取り方を調べてみた。
すると、動画の欄に朔也の動画のサイトが映っていた。
朝比奈柚希
柚希はタップしてその動画を見た。
朝比奈柚希
この事を知っているのは自分だけ。
その事実がなんだか嬉しかった。
朝比奈柚希
柚希は感動した。
自分が普段飲んでいる味噌汁はこうやって作られているのかと改めて知れた。
それに何より…
朝比奈柚希
そう思い気づけば胸が高鳴っていた。
胸がドキドキして、体全体が熱っぽくなり…
朝比奈柚希
バタッ
朝比奈柚希