ありさんのたび

ありさんのたび

ありさんは はたらきものです

あたたかくなると すぐに しごとを はじめます

おもい にもつを はこびます

おちている たべものを はこびます

なかまと いっしょに はこびます

いきる ために はこびます

しんだ むしを はこびます

ところが ありさんは とつぜん

なにかに つぶされて しまいました

あしがつぶされたので うごきません

ありさんは なかまに

たすけを もとめようと

まわりを みわたしました

なかまが つぶされて いました

てあしが もげていたり

からだが つぶされていたり

なかまは つぶされて いたのです

ありさんは さいごのちからを ふりしぼって

なかまを つぶした はんにんを みつけようとしました

ところが はんにんは

すぐそこで わらっていました

おおきなくちを あけて

わらって いました

わらいながら

あしを ずりずりと うごかしました

なかまを つぶしていたのです

ありさんは にくくて しかたがありません

わらいながら なかまを つぶす

そのすがたが にくくて

ありさんは しばらくして

うごかなくなりました

そこへ なかまの ありさんが

やってきました

なかまの ありさんは

はんにんを おぼえました。

それから ありさんは

はんにん の なかま がとおると

おもうのです

つ ぶ さ な い で ね

と。