君と100年分に思える恋がしたい！

君と100年分に思える恋がしたい！

校門の横の桜は満開すぎて、 薄紅色の花びらがハラハラと舞っている

足元のアスファルトには散り落ちた 花びらの描くピンクのモザイク模様

ゆっくりと目を上げて、 校門にはめ込まれた光沢のある 黒いプレートと向き合う

｢桃色市立からぴち高校｣

今日からるなが通う学校だ

この春、大阪から東京都の桃色市に 引っ越してきたるなは このからぴち高校の2学年に転入する

昨日この学校に下見に来て担任になる 先生とも面談したけど…

始業式の今日、 ひとりでこの校門の前に立つと やっぱり緊張してしまう

新しい環境になじめるかな 勉強はついていけるかな 何より、友達…できるかな

ダメダメ決めたんだるな

この桃色市で、 新しい学校で

｢今まで｣

とは違う自分になるって

そのため転校が決まってからの１ヶ月、 必死で努力したんだ

気合を入れるために、 制服のリボンをキュキュッと 付け直す

うん、大丈夫完璧だ

不安よりも大きな期待と、 固い決意を胸に

ピカピカのローファーで るなは新天地への第1歩を踏み出した。