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アンドロイドの街「レボ」 綺麗な建物

コン、コン

心守

・・・

コン、コン

心守

・・・

???

お嬢ちゃん?

SCS-03

お嬢ちゃん!

心守

ふぇっ!?誰だ!

SCS-03

こっちだよ、こっち

コンコン

心守

あっ!えっちゃん!!

SCS-03

はいはい、えっちゃんですよ

SCS-03

直ぐにここから出してあげるから窓から離れて待ってなね

心守

うん!

女が髪から取り外したかんざしを 窓ガラスに向ける

かんざしから照射された熱線が 瞬く間にガラスを焼ききり

小さな子どもなら余裕で 通れそうな空洞をあけた

SCS-03

こっちだよ

心守

・・・

SCS-03

お嬢ちゃん?

心守

……あっ!ごめんよ!

心守

直ぐ行くよ!

SCS-03

何かあったのかい?

心守

な、何でもないよ

SCS-03

それならいいが……

SCS-03

もうあいつもこの街まで来てる

心守

父ちゃんが!?

SCS-03

さっさとここから脱出するよ!

心守

うん!

女は少女を抱えたまま 屋根の上を走る

SCS-03

(緊急の通信コール……)

SCS-03

(今まで何年も使ってなかった、これを使ってまで助けを求めるなんて)

SCS-03

(一体相手はどんな奴なんだい?)

ひ弱そうなアンドロイド

ボス大変です!あいつが

SC-01

やはりまだ生きていましたか

SC-01

状況は?

ひ弱そうなアンドロイド

現在、街の防衛アンドロイド部隊、総出で止めに入っていますが

ひ弱そうなアンドロイド

全く制圧出来てません!

ひ弱そうなアンドロイド

ヤバイとは思ってましたけど、あいつ何なんですか?

SC-01

過去の遺物ですよ

SC-01

私と同じね

男はゆっくりと階段を上り ドアの前で止まる

SC-01

・・・

ひ弱そうなアンドロイド

ボス?

SC-01

いない

ひ弱そうなアンドロイド

SC-01

他にも仲間が?

SC-01

いやこれはサポート型の仕業か?

ひ弱そうなアンドロイド

あ、あのボス?

SC-01

今すぐ切っているアンドロイドとしての機能を、全てONにしなさい

SC-01

ここは既に戦場ですよ

ひ弱そうなアンドロイド

わ、分かりました!

SC-01

私たちも戦闘に合流しますよ

ひ弱そうなアンドロイド

ガキはどうします?

SC-01

既にその中にはいません

ひ弱そうなアンドロイド

え?あっ!本当だ!

ひ弱そうなアンドロイド

申し訳ありませんボス!

SC-01

誰にでもミスはあります

SC-01

次にこうならない為にどうするか

SC-01

後で一緒に考えましょう

SC-01

だから今は、あちらの事に集中しますよ

ひ弱そうなアンドロイド

はいボス!

アンドロイドの街「レボ」 通り

三郎

何十体でもかかって来やがれ!

男は襲いかかるアンドロイド達を 一人また一人と切り伏せていく

左から来る斬撃は屈んで避け

右から振り下ろされる拳は 足で蹴り上げ

正面から飛んできた銃弾は 己の斬撃で全て弾き返す

背後からの攻撃には後方宙返りで 避けながら相手の後ろに

攻撃した次の瞬間には その相手は倒れている

何よりも驚くべきは……

頑強そうなアンドロイド

おいおい……

頑強そうなアンドロイド

あいつマジで何もんなんだよ?

のんびりとしたアンドロイド

やば~い!

頑強そうなアンドロイド

全員倒されてるけど、殺してはいない

頑強そうなアンドロイド

頭部を破壊すれば殺せるのに

頑強そうなアンドロイド

出来そうなタイミングでもわざと外してやがる

のんびりとしたアンドロイド

神業~!

頑強そうなアンドロイド

俺らを舐めてるのか、それとも……

頑強そうなアンドロイド

ただの馬鹿か

物陰で震える2人のアンドロイドがことの顛末を見守っている

三郎

(これだけ派手に暴れれば、心守やえっちゃんに目はいかないだろ)

三郎

(そろそろ……)

ザザッ……

SCS-03

SCS-03

聞こえるかい?

三郎

(あぁ……)

SCS-03

SCS-03

お嬢ちゃんは救出したよ

三郎

(助かった)

SCS-03

SCS-03

それは構わないけど、それよりいい加減事情を説明しな

SCS-03

コールを使って、建物の座標と心守が捕まった……だけじゃ何にも分からないよ

SCS-03

あんたは誰と戦ってるんだい?

三郎

(ゼロイチ)

SCS-03

SCS-03

は?

SCS-03

12年前の模擬戦闘ですら、あんたが一度も勝てなかった、あのゼロイチかい?

三郎

(あぁ、そのゼロイチだ)

SCS-03

SCS-03

悪いことは言わないから

SCS-03

今すぐ逃げな

三郎

(俺だってそのつもりだ)

三郎

(心守が助かった以上、少し時間を稼いだら直ぐに逃げ出……)

三郎

そう上手くはいかねぇか……

三郎

心守を頼んだ

SCS-03

SCS-03

ちょっとあんた!

SCS-03

待ちな……

ザザッ……

SC-01

ゼロサン

SC-01

私の街によく来てくれました

三郎

無理やり来させといてよく言うぜ

SC-01

あなたには色々聞きたいことがあるんですよ

男は既に刀を構え 臨戦態勢になっていた

しかし相手は未だに 刀の1本も出していない

三郎

(気を付けるべきはジャマーか……)

SC-01

そう警戒しなくても大丈夫ですよ

SC-01

もうジャマーを使うことも、他のアンドロイドが襲って来ることもありません

SC-01

決着は私とあなたの2人でつけるんですよ

SC-01

だからその前に少し話をしましょう

三郎

・・・

三郎

いいぜ

SC-01

あなたはこの街をどう思いますか?

三郎

広くて沢山の建物があって最高だな

SC-01

最高?この街が?

SC-01

よく見てください

SC-01

綺麗な建物なんて片手で数えるくらいしかない

SC-01

殆どがボロボロになった家屋

SC-01

そんな場所に何人ものアンドロイドが住んでいる

SC-01

これはあなたのせいなんですよ

三郎

・・・

SC-01

12年前あなたに遅れて覚醒した私たちは

SC-01

他のアンドロイド達を従え、人間と戦っていた

SC-01

生活に溶け込んでいたアンドロイド達の反逆に

SC-01

人間たちは混乱し、弱っていた

SC-01

間違いなくアンドロイド達の勝利に終わると皆が思っていた

SC-01

しかしそんな中で……

SC-01

数多の前線で人間の味方をして

SC-01

戦況を何度も引っくり返すアンドロイドの話が出てきた

SC-01

それがあなただった……

SC-01

仲間だと思っていた存在に裏切られ

SC-01

今度は私たちアンドロイドが混乱する事になった

SC-01

何であんな事をしたんです?

三郎

あの子が生きていく世界には、人間の存在が必要不可欠だった

SC-01

ははっ……やはりあの子どもの為ですか

笑いながらも男の表情は ぴくりともしていなかった

そんな男の体から 刀を持った腕が2本生えてくる

いつでも戦いの始まりには

ゴングなど存在しない

ギィン!ギィン!

そんな相手の動きに 男は直ぐ様対応する

首元を狙ってきた2本の刀は どちらも弾かれた

SC-01

あなたのせいで、人間たちが勢いを取り戻し

SC-01

今度は私たちアンドロイドが圧される事になった

SC-01

しかし結局天秤は人間にもアンドロイドのどちらにも傾く事はなく

SC-01

戦闘の規模は徐々に縮小していき

SC-01

最終的にアンドロイドも人間も、己の街や領地を持ち

SC-01

相手と小競り合いを繰り返すような今の形になってしまった

SC-01

そんな中で生まれたこの状況が

SC-01

この街が、本当に最高だと?

三郎

・・・

SC-01

こうなったのはあなたの裏切りが原因でしょうが……

その瞳には 強い憎しみの炎が灯っていた

三郎

(どうする?SYSTEMを使って一気に畳み掛けるか?)

男が考えている間にも 相手の手は緩まない

左上からの斬撃

刀を構えて受け流す

一撃目から少しタイミングを ずらした右下からの攻撃

後ろに飛んで避ける

着地と同時に一気に前へ

地面に突き刺した刀を 勢いよく振り上げる

刀と共に抉られた地面がまるで 銃弾のように相手に降り注ぐ

ギィン!

2本の腕が持つ交差した刀に よって男の攻撃は止められた

迫りくる石つぶては……

SC-01

どうします?SYSTEMを使いますか?

SC-01

しかしあなたは私のように……

男の体が左右に割れた

男の体の中から現れた 4つの銃口から放たれるレーザー

廃墟の時よりは威力が かなり落ちていたが

自分に迫る石つぶてを 消し去るには十分な威力だった

SC-01

連発は出来ませんものね

体が左右に割れたまま 男が突っ込んでくる

三郎

ちっ!

その手はいつの間にか 4本に増えていた

ギィン!

一撃、二撃

刀を弾く

弾いた瞬間から 三撃目、四撃目が目の前に

ギィン!

刀を切り返し三撃目は弾くが 四撃目は少し体にかすった

SC-01

廃墟で最後に使いましたよね?

三郎

(クソッ!全部お見通しかよ)

CRYPTOS SYSTEM

CRYPTOSシリーズに搭載された 個別の特殊能力

SC-01は体に仕込まれた出力調整が利く4つのレーザー砲

そして男の特殊能力は……

三郎

(こいつ、廃墟では遊んでやがったな)

三郎

(迷ってる暇はねぇ……)

三郎

いいぜ!お望みなら使ってやるよ!

三郎

CRYPTOS SYSTEM

SC-01

待ってましたよ

相手の表情は変わらない

しかし声は……

まるで感動しているかのような 抑揚だった

三郎

行くぞ!

男の姿が一瞬で目の前から消えた

ギィン!

刀と刀がぶつかる音

それも一度だけではない 二度、三度

数えてる間にも 音が響き続ける

相手の4本だった腕は いつの間にか6本に増え

それら全てが 常に激しく動いている

三郎

(レーザーは撃たせねぇ!)

人間と同じく 体を守る為のリミッター

アンドロイドにもそれはあった

SYSTEMでそのリミッターを 解除した男の体は

2倍、3倍……

それ以上に速く、強くなっていく

SC-01

流石ですねぇ

相手の動きに感心しながらも 6本の手は激しい剣劇を繰り返す

左右に割れた体の中の銃口も 上下左右忙しなく動いている

撃たないのではなく 撃てない

銃口は男を捉えられていないのだ

SC-01

楽しかったですか?

三郎

何がだ?

会話を続けながらも 刀がぶつかる音は止まない

SC-01

私たちアンドロイドを裏切って

三郎

・・・

SC-01

CRYPTOSシリーズの最終試験

SC-01

あなたはその途中で、私たちの誰よりも早く覚醒し

SC-01

試験の途中で逃げ出した

SC-01

それぞれ違う場所で試験を受けていた私たちは

SC-01

帰ってきてその話を聞かされました

SC-01

思えば私たちの覚醒はそれが原因だったのかも知れません

SC-01

まだ自我の芽生えていない

SC-01

甲斐甲斐しくも未だ人間の命令通りに動く私たちを置いて

SC-01

自らが殺した女の娘を抱いてあなたは逃げた

三郎

なっ!お前何でそれを

SC-01

知ってますよ

SC-01

私たちが覚醒した後

SC-01

私たちは真っ先に自分達を作った研究所を襲った

SC-01

あの時私たち以上のアンドロイドは存在していませんでしたからね

SC-01

そこで見付けた最終試験の資料……

SC-01

そこにはあなたが殺した女と赤ん坊がいる事も書かれていた

SC-01

しかし現場には女や他の人間の死体は沢山あっても

SC-01

赤ん坊の死骸はなかった

SC-01

そして後から人間に味方しているアンドロイドがあなただと知って

SC-01

直ぐに分かりました

三郎

・・・

沈黙の中でも 刀の音だけは鳴り響いている

既に6本の腕では 対処が出来ていない

男の刃が相手の体に少しずつ 傷を付け始めていた……

SC-01

ねぇ?

SC-01

だから聞かせて下さいよ

SC-01

仲間を裏切り

SC-01

善人気取りで自分が殺した女の赤ん坊だけを助け

SC-01

同胞を殺しまくる毎日は楽しかったですか?

侍人型戦闘兵器CRYPTOS

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