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アセビと、アネモネ。

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アセビと、アネモネ。

1 - アセビと、アネモネ。

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2019年11月30日

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僕の日常は、実に平穏である。

家を出て、学校に行って、 家に帰って、寝る。

毎日それが、続いていく。

山田 香凛

おはよう。

教室に入ると、 クラスの学級委員、山田香凛が 挨拶をした。

おはよう。

挨拶をかえす。

彼女は、正義感が強く、 ちゃんとした独自の価値観を 持っている。

誰よりも正しく、切な気で、 儚げな人。

僕も彼女も一緒に話す人はほぼいない。

山田なんてどこにもありそうな 名前なのに、彼女は 皆と少し違う。

山田 香凛

ねぇ、榊。

僕を呼ぶ声に振り向くと、 山田が話しかけていた。

何?

山田 香凛

ここの問題、教えてほしいんだけど。

僕らは、よく話す。 他に話す人がいないから。

優等生の山田がわからないなんて、珍しいね。

山田 香凛

ここの問題、分かんないけど。

山田 香凛

教えてくれない?

いいけど。

これって、今日の宿題じゃん。

山田 香凛

そうだけど。

先生に聞けば?

山田 香凛

宿題だから、ちゃんとやらなきゃ。

分かった、教えるから。

彼女は、何より正しく、何より気高い。

そして何より、

切なく、儚い。

…なんで、一緒に帰ってるんだ。

山田 香凛

だって、家がおんなじ方向でしょ。

だからって。

山田 香凛

榊、ぼっちでしょ。

君だって。
君にぼっちって言われたくないな。

山田が言葉につまる。

はっとした。

彼女は転校してきて3ヶ月、 未だにクラスに馴染めていない。、

あ、ごめ―

山田 香凛

榊。

山田 香凛

謝らないで、事実だから。

遮られて彼女の目を見ると、 少し寂しそうだった。

でも、ごめん。

山田 香凛

何、それ。

彼女が笑う。

山田 香凛

私はぼっちじゃないよ、榊がいるから。

じゃあ、僕だって。

山田 香凛

そうだったね。

もう一度笑い合う。

これが僕の、変わらない日常なんだ。

きっとこれからも変わらないだろう。

この平穏な日常だけは、きっと。

きっと…。

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