テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
幼い頃から魔法が使えた。 その頃は魔法を魔法と気がつかず、力が暴発しては「自分の周りではよく奇妙なことが起こるな」と思っていた。 私は、"魔法が使える"という能力をもっていた。
人間は基本的に魔法が使えなかった。 魔法なんてものは魔女や魔族が使うもので、人間はそれに怯え暮らしてきたのだ。
だが、研究の末に人間も魔法を使うようになった。近代になって魔法を使う人間は急増。しまいには、そんな人間の様子を見た他の種族もこぞって魔法を使うようになった。 街には魔法学校が建てられた。人間一人で弱い化け物くらいは倒せるようになった。魔法少女が活躍する映像が現実になり、流行した。 今や、魔法を使える人間はそう少なくない。
魔法を使うのには魔力が必要だ。 人によって魔力の量は生まれつき決まっており、増やしたり減らしたりすることは実質不可能である(手段はあるが、人間には寿命的におそらく不可能だろう。マジックアイテムを使ったり、一時的に魔力を他から借りたりすることは可能だ)。もちろん、人間の中には魔力を持たず魔法が使えない者も存在する。
魔法は自然の力と自身の能力のコラボレーションである。人間は、自然の中に多く存在している力を利用する。周りにその物質があるか、もしくは自身の能力と相性がいい魔法を使用するのが基本だ。 私は"魔法が使える"という能力で生まれてしまったため、後者の方法を活用することはできない。
うるう
そんなことはさておき、私は今遅刻しそうだった! 自分で支度している横で魔法を使って支度を進めているものの、こんなことするものじゃない。脳が二つあるならばオススメする。人間にはこんな芸当無理だ。
今日は近道をして空を飛びながら向かおう。このままじゃ先生に怒られる。どの道遅刻して叱られそうだけど、急いでいる姿勢を見せた方が少しはマシになるだろう。
うるう
今、鏡の向こう側に私じゃない別の人が映っていたような気がしたが、再び目を向けるとそれは紛れもなく自分だった。 こんなことしている場合ではない!!
うるう
うるう
返事が帰ってくることはもう一生ない。 それでも懲りずに声をかけるのは、私が帰ってきてほしいと思っているからなのか?
私は流星うるう。魔法を使う人間で、桜田魔法学園に通う生徒である。誕生日は珍しくも2月29日。
私の両親は昨年他界した。 ああ、駄目だ。朝っぱらから考えることじゃない。
うるう
イナ
うるう
うるう
イナ
うるう
イナ
イナは同じ学校に通っているエルフだ。魔法の使い方は脳筋としか言いようがない。
イナ
うるう
イナ
クロム
イナ
クロム
うるう
うるう
クロム
イナ
クロム
うるう
うるう
イナ
うるう
イナ
うるう
イナ
うるう
イナ
うるう
学園内を清掃して、その後ファミレスでご飯を食べた結果、こんな時間になってしまった。
部屋を見回していた時、ふと鏡のことを思い出して注視する。 今朝のは気のせいなのか、見間違いなのか。見間違いにしては、なんか鏡の中の私は髪色が黄色だった気がする。
やけに気になって鏡を覗き込むと、そこには黄色の髪色をした、およそ自分とは思えない人がいた。
うるう
私が驚いていると、向こうも驚いていた。だが、私とは動きが違って、鏡の前に立っているはずなのに違う場所と繋がっているかのようだった。
空間と空間を繋げる魔法?でも、鏡からは魔法をかけられた痕跡はない。なら、向こう側が適当に魔法を使ったら私の場所に繋がった…?
うるう
うるう
うるう
うるう
うるう
同一人物……は、ありえない。ドッペルゲンガー?でもそれにしては容姿が違いすぎるし、そもそも雰囲気からして私ではないだろう。
平行世界の私、だろうか。たしかパラレルワールドについては授業で教わったはず。別の世界線の私ならありえ………ない!! たとえ平行世界だとしても容姿が大きく変わることはないと先生は言っていた。私は茶色の髪で、鏡の向こうの人は黄色の髪。目の色だって違う。
うるう
うるう
うるう
うるう
うるう
うるう
うるう
うるう
うるう
混乱のどうにかするためお互いのことをいくつか話した。
どうやら、私の目の前にいる「流星うるう」さんは紛れもなく別人らしい。能力から違く、うるうさんは魔法が使えないそうだ。 住んでいるところは意外と近く、隣町にある大きい学園へ通っているらしい。
彼女から出てくる話はどれも楽しそうなもので、とても愉快だった。魔法に執着しなくていい。それが、私には羨ましかった。 私と彼女は違うのに。
うるう
うるう
うるう
うるう
うるう
うるう
うるう
うるう
うるう
私が言葉を発する前に、彼女は姿を消していた。鏡は通常通り私と私の部屋を映しているだけで、別の場所に住んでいる別人が映されるということはなかった。
うるう
うるう
コメント
1件
こちら、流星うるうさんと流星うるうさんです(紛らわしい)