美奈は市民のズボンのポケットから 何かを取り出した
萌花
……!(財布、、)
萌花
(今美奈、すりをしたの…!?)
八話 もう無理かもでも
あんず
どうしたの萌花
あんず
そんなボーッとして…
萌花
あ!ううん何でもない
萌花
じゃあ、早速映画行こっか!
美奈
うん行こ行こ〜!
あ!萌花ちゃん
萌花
……!
萌花
(この声は……、)
萌花が振り向くと 1人の中年男性がいた
萌花
(ああ、清孝さん)
殺した父親の兄
清孝
……やぁ、少し萌花ちゃんと話がしたかったんだ
清孝
でも連絡先とか知らないし、家も留守らしかったから、近所をウロウロしててさ
萌花
……
あんず
あー、私ら先に映画館に居るから〜
美奈
話終わったら来てね!
萌花
…うん、ありがと
美奈とあんずは映画館へ向かう
萌花
……それで、話って、、
清孝
ははっ 君が一番分かってるはずだろう
清孝
ねぇ萌花ちゃん
萌花
……
君が弟を 殺したんだよね
萌花
…っ!
萌花
ち、ちが……!
清孝
違くない違くない全然違くないその反応を見る限りまぁ図星だろう
清孝
……なぜ?
萌花
……
萌花
だから私は殺ってな
ガッ!!
清孝は萌花の首を勢いよく掴む
清孝
おい
清孝
質問に答えろ
清孝
なぜ殺したのか、それを聞いてんだ
萌花
……っ
萌花
言って何をするの……!
萌花
私が捕まったらお母さんが死んじゃう…!
清孝
…あー、まぁ警察もほぼお前が犯人だと思ってるだろうけど
萌花
え……!?
清孝
普通に考えてみて
家には萌花ちゃんと弟しかいなかったんだよ
家には萌花ちゃんと弟しかいなかったんだよ
清孝
……そういう考えになっても仕方ないでしょ
清孝
というか、今は警察だとかじゃない
萌花
!
清孝
お前の父親の兄として、個人的に聞いてるんだ
清孝
弟を殺したこと、俺は絶対に許せないが
萌花
……
萌花
……だ、だって…っ
萌花
私毎日暴行されてた……! お父さんに……、、いつも嫌な事、、
萌花
だから、、もう耐えられなくて私が自殺しようとしたら、、
萌花
お父さんが来て、嫌で……
殺しちゃって……っ
殺しちゃって……っ
清孝
……
清孝
……そうか
清孝は萌花に背を向け遠くへ歩き始める
萌花
……ま
萌花
待って……!!
萌花
せめて、、せめて警察に言わない事は誓って!!!
清孝
……
萌花
……嫌、ねぇ待って嫌
萌花
無視しないで!!
萌花
嫌……、、待って……!!
清孝は萌花の目では見えないほど遠くまで歩いていた
萌花は公園の広場で独り 座り込んでいた
萌花
……
萌花
……映画、行こう
なんだか
今更なのかもしれないけど
私がこの青空を見られる日々は もう多くないのかと感じてしまった
萌花
捕まりたく、ない……