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然し
生きるということは
難しいことですね
それは
齢14にして
身に染みました
傍から見れば
遅いと感じるでしょうか
そうですね
私にとって
生きることの難しさとは
病弱であること
敵から身を狙われること
それだけでした
私は明治時代を生きております
華族令嬢という身分で
大勢の者から身を狙われてきました
私を殺そうとするのは
随分昔に行った私達の行動の恨み
私たち華族の力を弱める
この2つが主な理由でしょうか
私は今日も
ベッドで本を読むだけなのに──
私は今
イギリスに住んでおります
故郷の日本には大勢の敵がいますからね
バレないようにとここまで来ましたが
もうバレてしまいました
今、日本に戻ろうとすれば
危険なだけ
ですからね
病弱である私は
本を読むしかなかったのですよ
菊
それはお父様で
ドアの外から聞こえてきた声
菊
菊
菊
菊
菊
菊
少し怖かった
家から出たのは、数年前ここに来た時だ
敵の多さから、外に出られることはなくなった
お父様はここへ来てから西洋の言葉をよく使うようになった
ですがそれは、いつもいつも、 「イギリスの友人のおかげだ」と言う
菊
お願いって……、どうすると言うのですか
菊
何度もお父様は 大丈夫と言われる
お父様だって身の危険があるというのに
敵はどんな方法を使ってくるか分からない
私は病弱で
友達などで来たことがなかった
同じ華族と外で遊んだことがあった
数分歩いただけで息を切らして座り込んでしまった
そんな私を見て 「つまらない」
そう言ってどこかへ行ってしまった
もし、私を好いてくれる人がいれば
友達ができるのかもしれない
菊
私は開いていた本を閉じて、俯いた
そう言い残して、お父様は部屋を出た
今日は、舞踏会当日の夜でした
夜になると、夜特有の空気が覆う
もし殺されてしまったら
という不安がありました
死ぬこと自体が怖いわけではないのです
毒を盛られたのなら、数分苦しむでしょう
その時間が怖いのです
大量の血が流れでている時間
息ができない時間
肌が焼け焦がれてゆく時間
その
生と死の狭間が怖かったのです
不安だ
だから本を読む
落ち着いて
私を守ってくれる人はいるのだから
階段を降りると
お父様とSPであろう3人が私を待っていた
菊
菊
そして私は、開かれたドアの前にある馬車に乗った
外は真っ暗でした
久しぶりに見れると思ったのに
前には2人のSP、横には1人
私の顔は布でおおわれているため外からは見えないけれど
やはり怖かった
光っている目があり手を強く握ったが
結局はうさぎだったり
舞踏会へ向かうだけで疲れてしまう
SPの1人が、私に手を添えて、地へ下ろしてくださった
菊
息が詰まった
この扉の向こうに、敵がいるかもしれない
会場はとても広かった
日本の華族として着物で行ったほうが良いと思い来てきた
けれど、周りとは違う服装で
余計目立ってしまう
SPは、私の手を優しく握って連れて行ってくれた
そこへ来たって、何もすることがありませんでした
皆、仲の良い女性、男性と話していて
大人の雰囲気を纏っていた
そもそも私は、まだ16であり
ここへ来る様な者ではないのでしょう
菊
毒の心配はできなかった
折角ここへ招待されたのですから
何も飲まず食わずでは礼儀が悪いでしょう
給仕を見つける
そこから貰うのですが
SPが決めて、少しその場から離れた
そう言って、匂い、色を確かめて
1口、口にすると
私はそれを口に含んだ
少し口に含む時間が長くなる
意を決して、ごくりと音を立てて胃に入れる
菊
菊
これは アップルティーだった
いつもとは少し酸っぱめだったが
これも良い
菊
この時から、私は身の危険は心配しなくなった
沢山のデザートを食べて
SPと舞踏会を満喫した
声をかけてきたのは男性
これは女性と話すものでは……?
ああ、友人になりたいのですね
菊
菊
内心、とても嬉しかった
菊
菊
そう思う人もいるのですね
ですが、もし
SPが近くにいない時に何かあったら……
コソッと私に耳打ちをしてくれた
そう聞いた私は安心して男性の横を並んだ
舞踏会の端の方の席だった
人は当たり前に多い
菊
菊
笑顔で受け答えする
特になにかするのようには思えない
そういえば、狙撃守護の方は……
周りを見渡すと3mほど離れたところに
目を光らせて座っていた
顔が整ってるなあ
菊
先程アップルティーを飲んだ私は
ストロベリーティーと聞いて、飲みたくて仕方がなかった
でも
毒は……
言葉詰めされた私は 飲まざるを得なかった
菊
菊
その時の彼はとても怖かった
私は殺されてしまうかもしれない
怖い
ただ、その鋭い目が
菊
その瞬間
男性はテーブルの上にあったナイフを手に取り
私の胸元に近づけた
その時のナイフと私の胸元の距離は 3cm程度
バンッ
舞踏会中に銃声が響いた
横を見れば 脳の中心から血を流し、意識を失った男性がいた
肩にもたれかかられた
早く、逃げたい
早く、逃げたい
この場からすぐに
人は皆、悲鳴をあげて遠くへ離れた
数秒フリーズしていると、近くにいた違う華族のSPが私を抱えて遠くまで連れて行ってくれた
菊
菊
私は、何が何だか分からなかった
銃撃は狙撃守護の方でしょう
ナイフで殺されそうになった瞬間に……
すぐにSPは来た
菊
菊
SP達は、私の前で土下座をした
菊
菊
アーサー・カークランド
菊
近くで見ると、顔整いが目立つ
鼻筋の通った高い鼻、緑色の目、美しい黄金色の髪
アーサー・カークランド
アーサー・カークランド
アーサー・カークランド
アーサー・カークランド
アーサー・カークランド
アーサー・カークランド
菊
アーサー・カークランド
アーサー・カークランド
アーサー・カークランド
アーサー・カークランド
アーサー・カークランド
菊
アーサー・カークランド
アーサー・カークランド
家に戻ると お父様とお母様は泣いて私を抱きしめた
私はもう二度と外へは出たくない
安心しきっていたあの場所にも敵が居ました
もしかしたら屋敷内にもいるかもしれない
全てが怖かった
私には
生きることが
向いていないのでしょう
ずっと命を狙われて生きてきた
生きることはつまらない
でも
生きるしかないだなんて──
コメント
3件
病弱っていう設定好きなんですよ! ありがとうございます😭
そんなの有り得ないということもあると思います。 ですがこれは非現実なので気にしないでいてください🥞