先日未明、世田谷市内にて大型怪獣が────── 今日午後5時頃、小型怪獣の大群が───────── 明日防衛省の会見では─────── 数週間前の怪獣の被害は───────
怪獣
怪獣
怪獣
怪獣
怪獣
小さい頃から、怪獣にまつわるニュースを見る度こう思った。
“怪獣が居ない世界は一体どんなものなのか”、と
怪獣の居ない世界を求めるものの、14の頃に発現した難聴のせいで防衛隊に入る夢は絶たれ
生きる意味を考えながら脳にエナドリを流し込む …最中
○○
小型の怪獣だった。
「あ、これ殺される」と確信した。
こんな人生だし、もういいや と吹っ切れ
私は静かに怪獣を睨み付けた
小型怪獣
○○
難聴で喋り方を忘れ始めてきた口から声が漏れた。
…今思えば
本当の始まりはここからだったのかもしれない。
「人間1号」 start!
───────3年後
ピピピピ♪
○○
ピピピピ♪
○○
ピピピピ♪
アマガサ
○○
○○
アマガサ
○○
皆さんこんにちは。この春から社会人の○○です。 「アマガサ」は3年前に家に来た怪獣。
3年前のあの日、防衛隊との戦いで負傷したアマガサは私に助けを求めて家の窓からやってきた。
あの時アマガサが私の家に来なかったら、今の私は居なかった。
アマガサは私に 「ジブンを助ける代わりにオマエの願いを1つ叶える」と交渉してきた。
承諾する理由も断る理由もなかったから、私は交渉を飲み アマガサを人間流で手当てした。
「アリガトウ」
補聴器越しに聞こえてきたその言葉は、 当時の私の心を奪った。
そこから今までの3年間、この怪獣は
土砂降りの私の心の「雨傘」となっていた。
アマガサは私の全部だった。
○○
アマガサ
○○
アマガサ
○○
アマガサ
○○
○○
アマガサ
○○
────アマガサと生活してると、ふとした疑問が湧いてくる。
「人間と怪獣はなぜ対立するのか」
怪獣は今の今まで「言語」というものを持つ個体は居なかったはず。…アマガサを除いて
ぶっちゃげ私、怪獣と戦う理由があるのか些か疑問だ
私達人類が攻撃を始めていなければ、怪獣と共存する人類の姿があったんじゃないか
そうなれば事実上、私達が「怪獣」と呼ぶ者達は存在しないことになっていて
死者も負傷者も───────出なかったんじゃないか、と
○○
アマガサ
○○
アマガサ
○○
ガチャッ バタン…
○○
あいつに留守番任せて大丈夫かな…??????
スタスタ…
──────午後18時 帰社
○○
会社員
○○
仕事も終わり帰社の時間になった。 その日は妙に蒸し暑かった。
○○
そんな呑気なことを考えつつ帰路に立つ。
ウウウー…
○○
家も見えてきたし、怪獣来てるかもだからさっさと入ろ…
○○
私のアパートに規制線…?
ザワザワ…
○○
住民
○○
住民
○○
スタスタ…
保科
○○
保科
○○
アマガサだ…
○○
保科
保科
○○
え…、なんで……
なんでアマガサの居場所がバレたんだろう…?
保科
○○
保科
保科
○○
これ バレた
○○
怪獣と住んでる事
第1話 finish!
コメント
5件
ちょっとまってんてん✋🏻 めちゃおもろいんですけど好き😘 ストーリー構成良すぎて禿げます。
続きまだですか