岩動温泉旅館ホテル
読者さん
ふぅ……食べた食べた
読者さん
お腹いっぱいだぁ
智美
たったそれだけでお腹いっぱいなのかい?
智美
昼は特盛の丼を食べたらしいじゃないか……
読者さん
あの時と比べないでくださいよ
目の前には小さな茶碗に小鉢数品
昼間の野性味はなく
夜の優雅なもの
読者さん
それに……
読者さん
このような落ち着いた空間でガツガツ食べれるほど面の皮が厚くもないですって
智美
まさに正論さね……
智美
……
智美
……
智美
て
智美
さてと
智美
腹が満たされたら次は……
智美
お風呂さ
読者さん
おおっ!!
読者さん
待ってました!!
宿泊施設ならではの特権の温泉
ここは紛れもなく本物の源泉を使ったもの
車を降りたときに感じたあの香りは胸をときめかす湯の華の香り
読者さん
旅館に温泉はつきものですね
読者さん
っと……その前に
食べたものは片付けなくては
机の上の食器を重ねて
布巾で拭く……
桃子
いいのよ……
桃子
そこまでしなくても
読者さん
で、でも
桃子
あなたは外食をしたときにわざわざ食器を片付けようとするの?
桃子
そういうのは私に任せておけばいいのよ
桃子
……
桃子
……
桃子
……
桃子
私のお仕事だから
智美
そうさ
智美
私達は客人さ
智美
そうだろう?
智美
片付けなんざしなくてもいいのさ
桃子
自慢のお風呂を楽しんできてね
聖奈
大浴場は1階にありますからすぐにわかると思いますよ
智美
券売機で入浴券とタオルの貸出のチケットを買う
智美
フロントで引き換える……
智美
簡単なことさ
読者さん
まぁ……大丈夫ですよ
読者さん
お風呂目当てのお客さんの後ろについていけばたどり着けるでしょ……たぶん
智美
さてと……ここからは私達とヨミィは別行動になる
読者さん
一緒ではないんですか?
智美
私達は地下の秘湯でゆっくりするよ
読者さん
はえ……そんなのもあるんですね
智美
あいにくだけど神様専用のお風呂さ
読者さん
な、なんですかそれ……
読者さん
すっごい興味がある
聖奈
詳しくは言えませんが無理に普通の人が入ると……発狂するかもしれませんね
桃子
ましてやこの世界の人間じゃないあなただったら……なおさらね
読者さん
うっわ……なにそれ怖い
桃子
そうそう……あとこれを渡しておくわ
手渡されたのは鍵
どこからどう見てもこの旅館ホテルの宿泊部屋のものだ
たぶん今日はここに泊まっていけというお達しだろう
桃子
今日はタダにしてあげる
桃子
泊まっていってね
読者さん
それはどうもです……
読者さん
さて……ぼちぼち行きますかねぇ
智美
風呂上がったら自由行動しても良いのさ
桃子
ショッピングモール……ゲームセンター
智美
図書館に映画館
聖奈
24時間営業してますから飽きませんね
桃子
せっかく部屋の鍵は渡してるから……徹夜せず出歩かないで
桃子
きちんと睡眠は摂ることよ
読者さん
いやぁ……そこまでのフィジカルは持ち合わせてないですって
読者さん
流石に疲れたら素直に寝るタイプなんで
聖奈
疲れても寝ない人はいますからね
聖奈
どこの誰とは言いませんが……
桃子
茶髪でツンケンな……
智美
恋に恋する乙女さね
読者さん
だ……誰でしょうね~
読者さん
あはは……
読者さん
では自分はこれで
読者さん
いそいそ
鍵を持っていざフロントへ
そうして征くは
風呂の間へ