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ｺﾝｺﾝ
日向
夜ご飯を食べ終わった俺は、1番目に食べ終わった兄さんの部屋に来ていた。
謝りたいんだ。
俺の勝手な解釈で、兄さんを避けようとした。
飛雄
日向
柊翔(ｼｭｳﾄ)
日向
柊翔(ｼｭｳﾄ)
日向
柊翔(ｼｭｳﾄ)
飛雄
柊翔(ｼｭｳﾄ)
飛雄
飛雄
日向
日向
柊翔はいつも、こうやって人の物を盗る。
昔から。
昔。
日向
柊翔(ｼｭｳﾄ)
日向
日向
俺だけに買ってくれたおもちゃを柊翔に奪われてしまった。
だから取り返そうとしたんだ。
柊翔から。
ｸﾞｲｯ
日向
柊翔(ｼｭｳﾄ)
ﾄﾞﾝｯ
ﾄﾞｻｯ
日向
柊翔(ｼｭｳﾄ)
柊翔(ｼｭｳﾄ)
俺は柊翔を押し倒してしまった。
日向
母
母
日向
母
日向
この時から【お兄ちゃんだから】と言われるのが嫌いになった。
たったの、小さな時差で生まれたのに、弟や兄と決め付けられる。
何かしたら、兄の責任。
兄が悪くなる。
柊翔なんか、大嫌いだ。
兄さんたちが家に来てからも、柊翔は俺のものを盗るようになった。
大事にしていたシャーペン。
父さんからくれたバレーボール。
兄さんが俺だけにくれた、バックまで。
日向
日向
兄さんから貰った物は、何があっても奪われたくなかった。
柊翔(ｼｭｳﾄ)
日向
ｸﾞｲｯｸﾞｲｯ
盗られたくない。
柊翔には、っ。
ﾌﾞﾁﾌﾞﾁｯ
日向
ﾄﾞﾝｯ
ﾄﾞｻｯ
柊翔(ｼｭｳﾄ)
柊翔(ｼｭｳﾄ)
これは···俺のだもん。
盗られたくない。
兄さんから、貰ったものだから。
ｷﾞｭｯ
日向
飛雄
日向
柊翔(ｼｭｳﾄ)
柊翔(ｼｭｳﾄ)
飛雄
日向
日向
母
ﾊﾞﾁｯ
母
母
日向
母
母
ｽﾞｷｯｽﾞｷｯ
頬が、すごく痛かった。
誰にも、信じて貰えない。
兄さんさえ、俺を軽蔑する目で見ている。
俺は【兄】だから。
日向
柊翔の、傲慢さは変わらない。
何があっても自分のモノ。
自分のモノにならないと機嫌が悪くなる。
昔から、今も。
変わらず。
日向
誰かの前で泣くことも無くなった。
きっと、泣いても誰も気付いてくれないと思うから。
だから、俺は静かに泣くんだ。
誰にも聞こえないように。
次の日。
月島
日向
月島
月島
月島
日向
月島
月島
月島
日向
月島
ｺﾞｼｺﾞｼ
月島
日向
月島
日向
たった一人の友達も、いつかはきっと柊翔に取られてしまう。
兄さんも、父さんもバレー部のみんなも、友達も。
柊翔は平気で盗るから。
月島
日向
月島
月島
日向
今だけ、は···こうやって友達のままで居る。
悲しまないように、距離を取って。
飛雄
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