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ぶくしつです
ぶくしつです!
最高でした😭👏✨ぶくしつです✨
桃赤
放送が終わって椅子に体重をかけた
ふぅ、と息を吐いてカレンダーを見つめる
それは3月のもので重い腰を上げて2枚の紙を破る
また椅子へ戻り、1日1日を辿っていく
24日までたどり着いて動かす視界を止めた
そういえば最近さとみくんと話してないな
もちろん今日の放送で話したけど、プライベートで話すことはなくなった
LINEも送っても少し素っ気ない返事で
赤
視界の隅に入ったるぅとくんの置いていったお菓子
自分から近くのカシューナッツと書かれた袋を膝の上に置いて中から1粒を手に取る
枝豆とは違い、ゴツゴツとした形
それを口に入れて奥歯を使って噛む
その際に歯にしゅっとした感覚が俺を襲った
赤
不味くもなく、美味くもなく
どちらかと言えば食べたくない
膝の上に置いた袋を机の上に戻して俺は作業部屋を出た
ドアを閉めると待ち伏せをしていた小さな可愛い家族達が足元に擦り寄ってきた
しゃがんで1人ずつ顎の下や頭、背中などを撫でるともう満足したのかみんな各地に散っていった
あっけねぇ…なんて思いながらリビングに行ったつーちゃんについて行きキッチンへと向かった
2つあるうちの1つのマグカップを取ってココアを作る
シンクに寄りかかり、息を吐いて湯気をどかす
白い視界が次第にクリアになってマグカップの入っていた棚が視界に映った
そこには同じカップの色違いが1つと、紙皿、紙コップ、鍋敷きが置かれていて自分の私生活に少し笑いが零れてしまう
赤
めんどくさいんだよなぁ
それに大体は彼の家に揃っている訳だし
カップに口をつけてココアを喉の奥に流し込んでいく
そうしたかったが猫舌の俺は舌に触れた瞬間カップから口を離してしまった
赤
こういう時無意識に声に出てしまうのが疑問に思う
例えば、段差につまずいた時に痛くもないのに「痛っ」と言ってしまったりとか
どうでもいいのだけれども
再び棚に目を向ける
最近一緒に居ないから取り出す事も無くなってしまった
……家に入れたいけどさ
赤
トイレの横に山積みとなった段ボール
それにジェルくんやころちゃん達にいじられ続けた獣臭
あんだけ言われれば気にしない方がおかしくて
少し硬くなった背中を伸ばし、足を動かしてソファーに腰掛けた
それを見計らったかのようにつーちゃんが膝の上に乗ってきた
ソファーの前に置かれているテーブルにカップを置いてつーちゃんの肉球をぷにぷにしたり、よしよししたり、おすわりやおてをさせたりと遊んでいるとつーちゃんは飽きたのか俺の膝の上で丸くなった
そんなつーちゃんの頭を軽く撫でてスマホでも弄ろうとズボンのポケットに手を突っ込む
が、ポケットの中に入っていたのはAirPodsの充電器で
…あれぇ?
パーカーのポケットにもどこにもない
赤
ふと放送中にスマホを取り出して机の上に置いたのを思い出した
申し訳ないがつーちゃんをどかして立ち上がりリビングを出る
するとコタギンが玄関の前で座っているのが視界に入った
どうしたのだろうと疑問に思っているとカチャっという音が響いた
赤
玄関の鍵が開いた事に目を見開き、驚愕する
ゆっくりと開かれるドアに恐怖感からか体が動かなくてその場に立ちつくす
怖い怖い怖い怖い、え何、えだっ誰
まだ姿がはっきりしない人影に体を震わすが出てきたのは
桃
………
桃
いやこっちの台詞な?
ガサガサと色々と入っていそうな袋を鳴らしながら靴を脱いでいる彼
廊下に足を踏み入れる彼を咄嗟に止める
赤
桃
赤
桃
ボソッと吐かれた言葉に目を開く
赤
顔を上げて彼の顔を見ると眉を下げて口角は上がっているのに、瞳の奥は不安で満ち溢れていた
桃
赤
桃
赤
……言えるわけがない
彼氏の前では完璧でいたいのだから
段ボールだらけな所も何も見られたくない
赤
桃
彼の胸元に頭をぐりぐりと擦り付ける
桃
赤
「我慢しろ」と言って彼の服の裾を掴む
久々の彼は何故か安心して、彼の香りを嗅ぐと何故か寂しくなった
裾から手を離し、首に回すと体が宙へ浮き、微かに揺れ始めた
赤
桃
赤
桃
赤
桃
リビングに着いてソファーにさとみが腰掛けてその上に俺が置かれる
その上にずっと待ってたつーちゃんが乗った
コタギンはキャットタワーに飛び乗ってコチラを遠くから見ている
桃
彼はテーブルに置かれた俺のカップをとって飲み始めた
赤
桃
赤
バッと奪いとり睨みつける
桃
指さされた先を見ると確かに湯気はもうたっていない
試しに一口飲んでみるが俺にとってはまだまだ暖かくて
赤
桃
赤
桃
赤
もう1口飲む
飲み込んだ後も残るこの甘さ
いちごミルクもそうだが、ココアはまた違くて飽きがない
いちごミルクは小さいパックのやつが丁度いい
ココアから彼に視界を変える
この無言の時間が前では全然心地がよかったのに、久しぶりのオフラインはちょっとだけ気まずい
斜め下から見る彼もイケメンで、どうしても殴りたくなってしまう
俺の視線に気付いたのか目を合わせて微笑んでくれる彼
赤
このままだと見惚れてしまいそうでパッと思い浮かんだ事を声に出す
桃
赤
桃
桃
赤
カップをテーブルに置いて少し体制を変える
向かい合わせになるように座ってその隣につーちゃんを置く
首に腕を回し、彼の首筋に顔を埋める
桃
赤
桃
赤
桃
桃
桃
赤
桃
赤
桃
最後の言葉に背筋が凍る
桃
赤
桃
桃
耳元で囁かれる言葉は俺にはちょっと理解ができないな〜なんて思ってあの道を避ける方法を一生懸命考えるが
彼は俺を抱き上げた
あ、俺終わったな
あ、これ死ぬんだ(腰が)
みんな、またね
~ end ~