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貴方だけの光になれたなら

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貴方だけの光になれたなら

1 - 貴方だけの光になれたなら

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2019年11月12日

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口調不安定

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……OK?

炭治郎

おい善逸、禰豆子が困ってるだろ!!

善逸

ちょっと、炭治郎ぉぉお!

善逸

たたでさえ お前のせいで結婚出来なかったんだから 邪魔するなよぉぉぉお!!

炭治郎

だから それは俺のせいじゃ…

伊之助

猪突猛進!猪突猛進!!

伊之助

俺に壊せないものはねえ!!!

炭治郎

なっ、伊之助も部屋の壁を壊そうとするな!!!

その場にゴチンという音が響き渡る。

ここまでの会話はとても平和的ではないが、いつも通りの微笑ましい 光景。

これまでの流れを見ていた義勇はため息を つきながらも、弟弟子である 炭治郎の笑顔に少し口角が上がる。

いつも笑顔でいる 炭治郎は、きっと無口で無愛想であろう 自分を兄弟子として 今でも慕ってくれた。

本当に太陽のような子供だとしみじみ 思う。

無論、そんな太陽を自分の物にしたいと思う 愚かさも……

貴方だけの光になれたなら

これまで ずっと願っていた事。

禰豆子を人間へと戻し、鬼舞辻無惨の首を落す事。

そして、鬼を全て滅ぼす事。

それが もうすぐ、叶おうとしていた。

禰豆子は人間に戻ったらしく、無惨の首も後 もう少しで届く。

沢山の鬼殺隊の人が死んでしまったが、その人達のおかげでここまで 来れたのだから 悲しんでいる暇はない。

しかし本当に、昨日 善逸や伊之助と取っ組み合いをしていたのも嘘のようだ。

……それが義勇さんに 見られていた事はかなり恥ずかしかったが。

……それにしても、自分は今 上弦の参と戦っていたはず。

しかも苦戦していた。

なのに、何故 こんなに考え事をする暇があるのだろう。

ここで、自分は気を失ってきるのだと気づいた。

つまり、今 義勇は1人で応戦しているのだ。

そんな時に自分はゆうゆうと寝ているなんて……

俺は慌てて 目よ覚めろと 、意識を活性化させようとする。

そしてようやく開いた目にうつるのは……

炭治郎

ぎ…義勇さんっ!!!

義勇

……目が覚めたのか…

上弦の参は倒せたようだが、見るからに重症を負っているのに、いつもと変わらない義勇の姿であった。

炭治郎

傷 だらけ じゃないですかっ!!

炭治郎

気絶してた俺が悪いんですけど、叩き起してくれれば…

自分を守るためについた義勇の傷だらけの姿に、思わず涙がポロポロと流れる。

正直 上弦相手に柱でさえ無傷は難しいと言えども、堪えきれず泣いてしまった自分が情けなくて仕方なかった。

そんな時、いきなり 義勇の澄んだ水の匂いに体が包まれる。

炭治郎

…!?

そう、抱きしめられたのである。

義勇

……泣くな…

義勇

お前は笑顔が1番良い…

炭治郎

はへ!?

普段そんな事を絶対言わない義勇が微笑みながら言った言葉に、顔を真っ赤に染める。

そして同時に涙も止まらなくなった。

炭治郎

…いきなり なんなんですかっ!

炭治郎

普段 言わないくせに今ばかり…

炭治郎

義勇さんが死んじゃうみたいじゃないですか!!!

炭治郎

どうせ 俺が 生きてれば自分は死んでも良いとか考えてるんでしょう?

それを聞いた義勇は 一瞬驚いたように目を見開いたが、また先程のように微笑んだ。

義勇

……そうだな…

義勇

…っ!?!?

それを聞いた瞬間、ずっと義勇を抱き締め返していた手のひらを離し、義勇の顔をつかんで 思いっきり頭突きをかました。

いきなりの自体を飲み込めない義勇の顔をこちらへ向かせ、未だに涙が溜まる瞳で見つめる。

炭治郎

……いいですか

炭治郎

俺だって義勇さんの事はすっっっごい 大事なんですからねっ!!

炭治郎

自分は死んでもいいとか、悲しい事 二度と 言わないでください!

炭治郎

もし 言ったら何度でも頭突きしてやります

炭治郎

何度でも何度でも!!

そう 泣き顔のまま言い切った炭治郎に、義勇はいまだに 目を白黒させていた。

そんな義勇を炭治郎は今度は自分から抱きしめ、頭突きした部分的を撫で口づけを落とす。

義勇

!?

炭治郎

…義勇さん、一緒に生きましょう

炭治郎

俺が、貴方だけの光になりますから…

やっと涙がとまった炭治郎は、笑顔でそう言い放つ。

勿論、義勇からの答えはひとつしかない。

義勇

…俺も……お前の隣で生きていたい…

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