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インサニティーサバイバル

4 - インサニティーサバイバル エピソード4

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2022年01月23日

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竜一

っち…!シュバババババ

クロス

はぁ…いつまで遊ぶつもりだ?

クロス

そんなの、当たったところでどうって事ねーよ

クロス

紫蘭愚斬!ザシュッ

竜一

ぐあっ…っ!

竜一

リージグ…

クロス

だーから

クロス

ボゴッお遊びじゃ通用しねーんだって

クロス

立てよ、お前の力はそんなんじゃねーだろ?

クロス

俺を殺すんじゃねーの?

竜一

クロス

…はぁ、しっかたねーなー、特別に見せてやるよ

竜一

な…にを…?

クロス

この目はな、凶暴化してる奴らと視界を共有する事ができるんだ

クロス

そして、今見ている視界は、俺の屋敷のもんだ

竜一

屋敷…?ま、さか…

クロス

はっ、んじゃ特別大サービスだ、今あいつらが見ている視界を、お前にも拝ませてもらおう

竜一

…あ…

竜一

み…んな…

クロス

ハハ、お前の恋人のラルセイと他の奴ら、見当たらねーなー

クロス

もしかしたらさ

クロス

殺されたかもな♪

竜一

クロス

…なんだよ、なんか反応しろよ、壊れちまったのか?

竜一

…可哀想だね、君

クロス

…は?

クロス

おい、今なんつった?

竜一

可哀想、って言ったんだよ

クロス

俺が可哀想?ふざけた事言ってんじゃねーよ

竜一

あっそう、なら君にも分かる様によーく言ってあげるよ

竜一

君は誰かの手を借りないと歩く事すらできない可哀想な人だよ

竜一

人間の赤子と同然か、それ以下だね

クロス

…それ以上喋るな

竜一

脅しのつもり?そんなんで俺が怯むとでも?

竜一

君結局何もしてないじゃん、みんなを操ったのも君の力じゃない、君は1人じゃ何もできないんだよ

クロス

…うるさい

竜一

昔から君はそうだった、何もかも中途半端で、一丁前に俺を守るとかいってさ、俺より弱いんじゃ意味ないよ

クロス

うるさいうるさいうるさいうるさい!

クロス

お前に何がわかる⁉︎天性の才能だけで強くなって家族や仲間に恵まれていたお前に何が分かる⁉︎

クロス

たった1人で誰にも愛されず必死に努力を積んできた俺の苦労が分かるか⁉︎

クロス

いつもお前はそうだ!何もかも知ったような顔して俺の一歩先を行く!

クロス

俺がどんなに修行して、必死に歩こうと走ろうとお前には届かない‼︎

クロス

お前には分からねーんだろうな⁉︎どんなに手を伸ばしても届かない俺の気持ちが!

竜一

分かる訳、ない?

天性の才能?家族や仲間に恵まれていた?

そんなの無いに決まってるじゃん

…俺のこの力は、あの人を守る為に死ぬ気で努力して身に付けた物

…今はもう居ない、たった1人の弟の為に

俺に才能なんて無かった、恵まれた環境なんて無かった

全てはあの人のおかげ、あの人に俺は助けられていただけ

何もできない気持ち?そんなの俺が1番知ってる

俺のせいで全てを失ったあの人に、俺は何も出来なかった

どんなに手を伸ばしても届かなかった…会いたいとどんなに願っても、会えない

…これは、俺への、あの人の全てを奪った、俺への罰

決して打ち明けてはならない、弱音を吐いてはいけない

…けど

今だけは、相棒を助ける為に、いいかな…?

ねぇ…空

…竜ちゃん?

…お前

クロス

泣いてんのか…?

竜ちゃんの涙を、俺は一度も見た事が無かった

どんな時だろうと、あいつは一切の弱音と涙を見せなかった

…母が死んだ時も、あいつは泣かなかった

その竜ちゃんが泣いていた

竜一

…いつだったけ…俺と君が一緒に修行をしていた日々

クロス

竜一

…あの時俺は凄く泣き虫だったよね

…思い出した、俺は竜ちゃんが泣いてるのを見た事がある、昔はしょっちゅう見ていた

竜ちゃんはいつも泣いてた、鍛錬を嫌がり抜け出してどこかへ遊びに行っていた

その度に探しに行くのは俺の役目だった、だけど竜ちゃんは必ずいつも同じ場所にいた

竹林の奥深くにある花畑、そこにいつもいた

一本の木の下でスヤスヤといつも寝ていた

なんでいつもここに居るのと聞くと、落ち着くとだけ答えていた、真相は今でも分からない

だけどある日、俺がいつもみたいに竜ちゃんを迎えに行くと竜ちゃんは泣いていた、その様子はいつもと違った

服は泥だらけ、膝は擦りむいて血が流れているのをそのままに、ハートのロケットを握りしめ泣いていた

その表情はいつも駄々をこねている子供の顔ではなく、何かを我慢するようなとても悲痛な表情だった

その日から竜ちゃんは、弱音を吐かなくなった

俺と一緒に鍛錬はしなかったけど、影でこっそり努力をしているのは知っていた

竜ちゃんのあの強さは才能なんかじゃない、俺より何倍もの努力をして得た力なのだ

…それを俺は知っていた筈なのに

竜ちゃんは周りが言うような天才でも才能の塊でもなく、ましてや強くてカッコいいヒーローでもない

喜怒哀楽を感じる、ただの少年なんだ

ずっと俺は竜ちゃんをそばで見てきた、無理をし続ける竜ちゃんを隣で支えたかった、それなのに

…いつの日か、俺の守りたいは、勝ちたいに変わっていた

何が守るだ、逆に傷つけて、ばっかじゃねーの

なぁ竜ちゃん、俺…ちゃんと相棒になれたか?

馬鹿だなクロちゃん

相棒ってのは背中を任せられる、信用できる相手の事

そして助け合い、間違った時はぶん殴ってでも止める物だよ

竜一

そうでしょ?クロちゃん

クロス

…竜ちゃん…

クロス

…俺、もう一回その手を掴んでも良いかな?

竜一

勿論、君が居なかったら、誰に背中を預ければ良いんだよ

クロス

…あぁ!そうだな‼︎

クロス

ありがとよ!竜ちゃん‼︎

クロス

…戻ってきた

竜一

そーだね、てか今いたとこってどこ?クロちゃんの精神の中?

クロス

多分そうじゃね?なんかぶっ壊してたけど

竜一

邪魔なものを壊して何が悪い

クロス

そっかー

クロス

てか屋敷大変な事になってっからはよいかね?

竜一

あ、忘れてた!

クロス

うわー、こりゃ多いな…ざっと40人ぐらいじゃねーか?

竜一

この屋敷に居るメイドとかも合わせると相当な数だよ

クロス

どうする?逃げるか?結構消耗してるけど

竜一

いや、この包囲網じゃ逃げられないよ

クロス

ならやる事は1つだな

竜一

うん、そうだね

竜クロ

全員ぶっ飛ばす!

クロス

行くぜ、相棒!

竜一

死ぬんじゃねーよ?

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