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ー推しが私の“担当”になりましたー

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ー推しが私の“担当”になりましたー

12 - 推しが私の“担当”になりました 最終話 交わる桃色

♥

7,805

2022年09月09日

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交わる桃色

last E.

深澤くんが塾を辞めたあの日から

早くも5ヶ月が過ぎようとしていた

あと1日、

あの日から私はずっと勉強も学校でのことも頑張って、

成績トップをキープして難関大学から推薦が来た、

解けない問題があった時は深澤くんからのあの手紙を何度も読んで

元気をもらっていた

深澤くんと話したあの日々を思い出して、

深澤くんに会える日を心待ちにしていた

翌日、

1月22日

冬の肌寒い朝は布団から出るのを 体が拒否する

けど、

瀬戸内菜美

んー、

しつこいくらいに鳴り響くアラームが私の脳を目覚めさせて

起きるしかなくなってしまう、

瀬戸内菜美

っと、

布団から出ると分厚いパジャマを着ているはずなのに 素肌丸出しの姿で冷蔵庫にいるみたいだった

瀬戸内菜美

頑張らなきゃ、

普段ならしないナチュラルなアイメイク、

髪をハーフアップにして

前髪にはしっかりヘアアイロンを通す

午前は学校だと言うのに

ここまで手を込ませてしまうのはきっと

深澤くんに「綺麗になったね」 そう思われたいから、 そう言われたかったから

濃いメイクじゃないのに自分じゃないように感じる自分になんだか 不思議に思う、

瀬戸内菜美

いってきまーす

朝ごはん後のテーブルを 片付けていた母は

普段はしない髪型に驚いたのか

「いって、らっしゃい」 と言葉が少し途切れていた、

いつも通りの時間に学校に着いた私は先に教室にいた沙苗に声をかけられる

横井沙苗

菜美どうしたの?!

横井沙苗

可愛いじゃん!!

沙苗も普段見ないハーフアップにびっくりしているのか私の頭を触りながら言う

瀬戸内菜美

ちょっとね

横井沙苗

なに、告白するの?!

沙苗がそう言った途端 ちょうど教室に入ってきた高橋くんと目が合う

ダメだ、目を見たら、

だけど目が合ったのなら、

瀬戸内菜美

おはよう、

私の挨拶に動揺したのか

高橋恭平

おう、

高橋恭平

はよ、

目を逸らして挨拶してくる

横井沙苗

え、

横井沙苗

高橋、?

小声で聞いてきたけど

瀬戸内菜美

ううん

小さく首を横に振る

ごめんね、違うの、

私が好きなのは高橋くんじゃないの、

そう胸を痛めながら、

半日の授業を終えた

高橋くんに告白されたのは 沙苗には話さなかったから

沙苗は

横井沙苗

えー高橋くんじゃないんだ

部活がないから沙苗と同じ通学路をゆっくりと歩く

横井沙苗

まーおなかすいたぁ!

そう言って鞄に潜ませていたであろう個包装のチョコを取り出す

瀬戸内菜美

じゃあ私ここで

横井沙苗

まぁ告白頑張りなよ!

瀬戸内菜美

はいはい

告白、なのかな、?

でももし塾に来たら、

私は絶対に気持ちを伝える

深澤くんの気持ちがこの5ヶ月で 変わっていたとしても

私が好きなことはこの半年

変わることは無かった、

何か変わったとすれば

推しとして好きだった気持ちが

1人の男の人として好きという気持ちになったことだ、

私は沙苗にありがとうとだけ言って分かれ道を進んだ

家に着いた途端

再び私は家を出る、

きっと早すぎるだろう、

でも会いたくて仕方なかったから、

だから私は会いたい気持ちに身を任せて

自転車を漕ぎ始めた

塾の隣に自転車を止める

すると、

深澤辰哉

久しぶり

聞こえてきたのは会いたくて仕方なかったあのキャラメルのような声だった

瀬戸内菜美

深澤、くん、

瀬戸内菜美

あ、、先生、、?

深澤辰哉

ふはっ

深澤辰哉

いいよ深澤くんで

変わったようで変わってない あのラフな姿と少しの猫背

瀬戸内菜美

深澤くん、

深澤辰哉

手紙読んでくれたんだ

瀬戸内菜美

はい

瀬戸内菜美

私の宝物です

深澤辰哉

なら良かった

そっと微笑む深澤くんに私は言ってしまう

瀬戸内菜美

会いたかった

深澤辰哉

え?

瀬戸内菜美

あ、

思わずこぼれてしまう私の言いたかった本音

深澤辰哉

にひひ〜

深澤辰哉

俺も会いたかったよずっと

段々と私に近づいて来る

深澤辰哉

まぁ外で話してたら寒ぃし中入るか

手にかかった鍵をヒラヒラさせて 私を呼び込む

深澤辰哉

いま暖房入れてるしすぐ暖かくなるよ

瀬戸内菜美

ありがとうございます

深澤辰哉

さてと

深澤辰哉

本題話していい?

瀬戸内菜美

え?あ、

いきなりのことに一瞬びっくりするけど

瀬戸内菜美

はい

冷静になって返事をする

深澤辰哉

わかった

深澤辰哉

じゃあ席について

そう言われて自習室の特等席に座る

すると、

深澤辰哉

じゃあ、

深澤辰哉

いまから言うことちゃんと聞いてね

深澤辰哉

あ、驚いたりリアクションなしね

瀬戸内菜美

はい

深澤くんに言われたことをしっかりと守る、

そして深澤くんは私と向かい合わせに座る

深澤辰哉

まず、

深澤辰哉

俺がアイドルを辞めた理由は

深澤辰哉

社長に言われたんだ

深澤辰哉

俺らはアイドルとしてやっていてもこの先芸能界では生きていけない

深澤辰哉

だからまだ人生がやり直せるこの時期に、俺らはアイドルを辞めるほうがいいって

深澤辰哉

言われたんだ

深澤辰哉

だから俺はこの塾に来たんだ

深澤辰哉

きっと瀬戸内さんに言ったら、悲しんだり、怒ったりしちゃうんじゃないかなって思ったり、

深澤辰哉

それに、その頃から君に恋心を持っていたから、

深澤辰哉

言えなかったんだ

深澤辰哉

ごめんね、
隠してたみたいで

瀬戸内菜美

っ、

瀬戸内菜美

そんなこと、

確かに深澤くんは私に言うことを悩んでくれた、

でも、その頃からって、

瀬戸内菜美

深澤辰哉

好きだから、

深澤辰哉

何歳も年上な男だけど、

深澤辰哉

本気で好きだから、

深澤辰哉

瀬戸内さんがモテてるのとか嫉妬してたし、

瀬戸内菜美

え、?

深澤辰哉

あ、リアクションした

さっきまでの真剣な表情から一変 大好きなふにゃふにゃした笑顔になった

瀬戸内菜美

すいません、

深澤辰哉

いいよ

深澤辰哉

でも、俺と付き合ってくれたらね

瀬戸内菜美

っ、!

頭の中から言葉が消える、

さっきまで伝えたかった“好き”という言葉が書いてあった頭が 一気に真っ白の白紙になる

瀬戸内菜美

いいん、ですか?

深澤辰哉

いいってなにが?

深澤辰哉

俺が言ってるのになんの許可取ろうとするんだよ

とおかしく笑ってくる

瀬戸内菜美

だって、

嬉しくて、

好きだと言ってくれたあの声も、 その言葉も、優しい目も、

嬉しすぎて目から涙が自然と溢れ出す

深澤辰哉

ちょっ

深澤辰哉

泣かないでよ〜!

そう言ってくれる深澤くんは優しい笑顔で暖かかった

瀬戸内菜美

深澤くんが好きだったから

瀬戸内菜美

嬉しくて

今出てくる精一杯の言葉を 一言ずつ繋いで話す

深澤辰哉

嬉しいってことはさ

深澤辰哉

俺の事

深澤辰哉

推しとして好きってことじゃないみたいだね

瀬戸内菜美

そうですよ

瀬戸内菜美

深澤くんをいつの間にか男の人として見てて

瀬戸内菜美

いつの間にか推し以上の気持ちを持っていたんです

深澤辰哉

これで両想いだね

深澤辰哉

ごめんね5ヶ月も待たせちゃって

そう言って私の右手をとってくれる

深澤辰哉

よろしくね

瀬戸内菜美

っ、はい!

深澤くんの手を握って 涙でぐちゃぐちゃの顔だけど全力の笑顔を深澤くんに向ける

深澤辰哉

大好きだよ

“俺の唯一の教え子で 俺の1番の担当ちゃん”

エピローグ

気持ちが通じあったばかりの私たちは過去の思い出に浸る

深澤辰哉

あ、

深澤辰哉

海で会ったあの男の子のこと

深澤辰哉

ちゃんと振った?

いきなり思い出したように言ってくる

瀬戸内菜美

海、?

瀬戸内菜美

あ、

高橋くんの事だ、

瀬戸内菜美

ちゃんとお断りしたよ

深澤辰哉

なら良かった

深澤辰哉

俺嫉妬しすぎてどうにかなりそうだったんだからな!!

深澤辰哉

あ、あと誘拐しようとしたあいつも!!

深澤辰哉

本気で手出そうになったんだからな

深澤辰哉

まぁ、大人の装いでなんとか誤魔化したけど、

次々と出てくる深澤くんの嫉妬話

話す度に耳が赤くなって、

今度は頬が赤くなる、

瀬戸内菜美

な、なんか、ごめんなさい、?

つい謝ってしまう

瀬戸内菜美

でも、

瀬戸内菜美

私は深澤くんが1番好きだし

瀬戸内菜美

深澤くんしか見えてないです

真っ直ぐに見てそう言うと

深澤辰哉

っ、

深澤辰哉

嬉しい、、けど、

深澤辰哉

まだ深澤くん呼びかぁ、

深澤辰哉

カップルなのに深澤くんはやだなぁ

深澤くんでいいって言ったの深澤くんなのになぁ、

なんて思って少しいじわるする

瀬戸内菜美

深澤くんは深澤くんでしょ?

深澤辰哉

俺は辰哉なんですけどね〜

瀬戸内菜美

たつ、や、くん?

深澤辰哉

うわっ、

深澤辰哉

それもう1回!!

深澤辰哉

今度はビデオとる!

瀬戸内菜美

ダメだって!

瀬戸内菜美

もう言わない!

深澤辰哉

なーんでよー!

本当に5ヶ月前塾で同じ大人の男の人から勉強を教えて貰ってたとは思えない無邪気さ、

だけど一緒にいて楽しくて 幸せで自然と笑顔になる不思議さと

新たな自分と、新たな辰哉くんの 一面を知れる新鮮さ、

でもまだまだ知らない辰哉くんを 知りたい、

そう思ったのは

ほかの何でもない、

私が1番の

“辰哉くんの担当で 辰哉くんの彼女だから”

END

最終話ありがとうございました! 最終話普段の倍の長さなの気づきました?ほんと長すぎてごめんなさい💦

先週とか新連載の予告出したんですけど、 納得行かないので一旦非公開にしました🙇🏻‍♀️🙇🏻‍♀️🙇🏻‍♀️

それと同時に この作品のAnother story、もしくは第2連載をいつか始めようと思います!

明日からはなんとなく面白いかもって思う連載を始めるのでぜひ

❤連打と感想💬お忘れないようお願いします🙇🏻‍♀️🙇🏻‍♀️🙇🏻‍♀️

コメント欄にてあとがきを残すのでぜひ呼んで行ってください✨

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