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イリス・ゼラニウム
よちよちと歩きながら、キッチンで料理を作る母に近付く。
母
母
優しく私を抱き上げ微笑むお母さんは、 何となく前世のママとも重なる所がある。
抱き上げられて分かる、ほのかな花の甘い匂いの様な母の体臭が、私は好きだった。
まるで、花のナデシコの様な人だと 母を見るたびに思う。
イリス・ゼラニウム
母
必死に口を動かして言葉を紡ごうとするが、上手くいかない。
あれ… どうしてだろう、大分上手く発音出来るようになったと思ったのに
まぁ、いいか
イリス・ゼラニウム
イリス・ゼラニウム
お母さんの所に産まれてこられて、良かったよ
母
イリス・ゼラニウム
イリス・ゼラニウム
俯いて何も言ってくれない母に、違和感を感じる。
母
ギュルンと急にこっちを向いた母は
この世のものとは思えない顔をしていた
母
母
イリス・ゼラニウム
バッ
ガバッと勢いよく起き上がったせいか、 心臓がバクバクと脈打っていて痛かった。
イリス・ゼラニウム
イリス・ゼラニウム
床に寝っ転がっていたら、いつの間にか寝ていたらしい。
身体中がじっとりと湿っていて気持ち悪い。 震えが止まらない。
夢だ、あれは夢だ。
そんなことは分かってる。 でも、妙に現実味があって、分かっていても…怖い。
ウォールバーグ・バイガン
イリス・ゼラニウム
すぐ横から老人の声が聞こえて驚いた。 老人の後ろには、もう一人の老人と、魔法警察がいた。
ビックリし過ぎて後退りしたら、グラッと浮遊感がした。
イリス・ゼラニウム
ブレス・ミニスター
イリス・ゼラニウム
イリス・ゼラニウム
怖くて目を瞑ったのに、何故だか浮遊感はあるのにいつまで経っても痛みが来ない。
イリス・ゼラニウム
目を開けたら、私の体はフワフワと浮いていた。
ウォールバーグ・バイガン
ウォールバーグ・バイガン
老人の方を見ると、杖を私に向けて、魔法をかけているみたいだった。
イリス・ゼラニウム
ゆっくりと丁寧に床に置いてくれ、 優しく頭を撫でてくれる老人に 何となく見覚えがある様な気がした。
イリス・ゼラニウム
最初はビックリしたが、倒れそうになった私を助けてくれたり、優しく頭を撫でてくれたりした老人に、私は少し警戒心が薄れていた。
ウォールバーグ・バイガン
ウォールバーグ・バイガン
ウォールバーグ・バイガン
イリス・ゼラニウム
イリス・ゼラニウム
思い出した。
主人公が通うイーストン魔法学校の校長先生だ…!
イリス・ゼラニウム
ウォールバーグ・バイガン
ウォールバーグ・バイガン
優しい人だな…
なんだか、久しぶりに人と会話した気がする。
ウォールバーグ・バイガン
ウォールバーグ・バイガン
イリス・ゼラニウム
ココのベッドは前世で言うキングサイズベッドと同じくらい広い。
家では、壁とお母さんに挟まれて寝ていたので、どうにも広いベッドが、 「自分は今ひとりぼっちなんだ」 と考えてしまう材料になった。
ウォールバーグ・バイガン
イリス・ゼラニウム
ウォールバーグ・バイガン
魔法警察の人が持ってきてくれるご飯はとても豪華で、普通は美味しそうと思うだろう。 でも、私はお母さんが作ってくれるご飯が恋しくて、どうしても食べる気持ちになれなかった。
イリス・ゼラニウム
ウォールバーグ・バイガン
ウォールバーグ・バイガン
頭を撫でてくれるシワシワの手の温かさが、じんわりと心に染みた。
イリス・ゼラニウム
イリス・ゼラニウム
眉間に皺を寄せてどうにか耐えていた涙が、 ポロポロと溢れ出してきてしまった。
手で拭っても拭っても、とめどなく流れて来て止まらない。
ウォールバーグ・バイガン
優しく微笑むこの人の笑顔が、前世の母と重なった。
イリス・ゼラニウム
イリス・ゼラニウム
イリス・ゼラニウム
イリス・ゼラニウム
イリス・ゼラニウム
イリス・ゼラニウム
イリス・ゼラニウム
ウォールバーグ・バイガン
ウォールバーグさんは、黙って大泣きする私を抱きしめてくれた。
鼻水と涙とよだれでぐちゃぐちゃの私を、 嫌な顔せず抱きしめてくれた。 ひゃっくり混じりの私の背中を優しく叩いてくれた。
私を、救ってくれた
イリス・ゼラニウム
何十分も泣いて、泣き疲れた私は鼻を啜りながらウォールバーグさんの腕の中でウトウトしていた。
部屋の隅にいた他の人も、気が付いたら居なくなっていた。 他の人は、泣く私の為に飲み物と毛布を持って来ようと出ていったらしい。
ウォールバーグ・バイガン
ウォールバーグ・バイガン
イリス・ゼラニウム
私の顔を自分の服の袖で拭ってくれながら、ウォールバーグさんは言った。
ウォールバーグ・バイガン
ウォールバーグ・バイガン
イリス・ゼラニウム
ショボショボと眠気が襲う中、目の前がキラめいて見えた。
迷惑になるとか
後悔するかもとか
そんな言葉を頭の隅に押し込んで、私はただ…
イリス・ゼラニウム
泣き笑い気味な顔で、力強く返事をした。
みそらーめん
みそらーめん
みそらーめん
みそらーめん
みそらーめん
みそらーめん
みそらーめん
みそらーめん
みそらーめん
みそらーめん
みそらーめん
みそらーめん
みそらーめん
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