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何にもなくなってから
全部どうでもよくなった
それから数年間生きたけど
まるでセカイに色がなかった
もういっそすべて捨てて
2人に会いに行こう
そう思った
カナデ
……
カナデ
ここならだれもいないよね
宮廷で兵士たちを惨殺したとき
私の中には戦闘魔法の感覚が残っていた
カナデ
(あの時なぜか頭に浮かんだ言葉を使えば――)
逃 げ て
カナデ
ｯ――！
カナデ
……なんで、
カナデ
たった一言詠唱するだけなのに……!!ﾎﾟﾛｯ
消えられなかった
命を賭して自分を守ってくれた父母の言葉が頭をよぎった
あなたは本当に優しい子ね
カナデ
お母さん…
カナデの魔法は、誰かを笑顔にできる魔法だな
カナデ
お父さん……
優しい子
誰かを笑顔に
カナデ
……帰ろう
その数日後
ミズキ、マフユ、エナと出会った
カナデ
…そして今に至る
カナデ
これが私の過去だよ
マフユ
…ふぅん
エナ
え、えっと…
エナ
話してくれてありがとう
カナデ
別にお礼を言われるような事でもないよ
カナデ
…私は、お父さんとお母さんのために生きてる
カナデ
2人が言ったように、誰かを笑顔にするために
カナデ
私は魔法を使う
カナデ
…もう、誰も傷つけたくないの
マフユ
…そう、
エナ
カナデは…強いね、
カナデ
？
カナデ
まぁそれなりの戦闘魔法は使えるようになったけど…
エナ
違うよ、そうじゃなくって！
エナ
誰かのために魔法を使う、とか
エナ
誰かのために生きる、とか…
エナ
逃げだしたくなっても乗り越えて今生きてるんでしょ？
エナ
そういうところが、強いなって
カナデ
そう、なのかな
カナデ
私はただ――
自分に言い聞かせてるだけ
カナデ
…
エナ
どうしたの？
カナデ
ううん、なんでもない
マフユ
だから、ミズキにあんなこと言ったんだね
カナデ
うん、
カナデ
ミズキは、私みたいになっちゃダメだから
ミズキ
…ぅ…
エナ
ミズキ、！
ミズキ
……あれ、ボク…
ボクは――
ミズキ
エ、ナ…
カナデ
！
カナデ
(もしかして、暴走が揺らいでる…？)
ミズキ
う”ぅ…
ボクは、何のためにここにいる？
復讐？
誰のために？
自分？
それとも他の誰かのために？
ボクは
誰のために
誰 の た め に ――？
Next...≪coming soon≫
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