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主
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主
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主
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主
主
夜ーー
月明かりを裂くように、夜桜 輝は第七演習区の鉄門を押し開けた。
ここはかつて、高危険度能力者の訓練に使われていた区域。
崩れかけた演習塔、焼け焦げた地面、黒く染まった壁面。
そして中央には、巨大な円形の“力封印陣”が刻まれている。
輝
息を吸い込み、中心に歩み出る。
足元の陣が、微かに青白く脈動した。
輝
輝
右手を掲げ、炎煌神の力を展開――
次いで、水・絶対零度・紫電雷光神・風、そして虚空を重ね合わせる。
六属性同時展開。
普通なら、精神と肉体が同時に崩壊する無謀な行為。
輝
その瞬間、空気が凍りついた。
光も音も消え、世界が無の色に塗り潰される。
視界が闇に包まれ、耳に届くのは自分の鼓動だけ。
――ドクン。
輝
輝
虚空の中心から、何かが現れる。
形を持たず、色もなく、ただ“存在”だけがそこにある。
《――力が欲しいか》
低く、掠れた声。
それは外からではなく、頭の内側に直接響く。
輝
《代償は、魂だ》
輝
《お前の記憶、感情、存在そのもの……それらを少しずつ削る》
輝
輝
輝
その瞬間――虚空が裂け、銀色の光が奔った。
爆発音。
演習区の地面が抉れ、塔が崩れ落ちる。
輝は膝をつき、肩で息をしていた。
右目が淡く碧白に輝き、周囲の空間が歪んでいる。
輝
手を伸ばすと、指先から空間が消し飛ぶ。
物質は跡形もなく消滅し、存在の痕跡すら残さない。
だが――その力の発動と共に、頭の奥が焼けるように痛んだ。
輝
思い出そうとする。
だが、瑠花と耀の"ある一日の記憶"が、まるごと抜け落ちていた。
輝
膝を押さえ、立ち上がる。
視界はまだ揺れているが、感覚は研ぎ澄まされていた。
輝
翌朝、学園の講義室。
クラスメイトが何人も話しかけてくる。
だが輝は、昨夜の記憶を悟られないよう、いつもの笑みを浮かべる。
生徒A
輝
言葉を濁しながら、隣の席に座る瑠花を見た。
だが――その日、彼女と耀がどんな会話をしていたのか、思い出せない。
瑠花
輝
輝
輝
視線の奥で、碧白の虚空が静かに瞬いた。