俺
時間の流れが早い
普段から多少は思えど、ここまで感じるのは久方ぶりだろう
俺
暑い暑い帰路の途中、そう思った
世間一般で言う間接キスをした二人は、とても紅くて少し可笑しく感じる
藤花ちゃんは顔を背けて震え、紅は名前に恥じぬほどの赤面ぶりだ
葵ちゃんとあんなに話し合った甲斐がある、と自分の事を褒め称えたくなる
俺
紅は愛が強い。一途なのは良いがそれ故に暴走しないか常に隣に居た俺は心配している
俺
万が一、紅が自分も周りも見失いそうになって何かしら凶行に走ろうとしたら何が何でも止めると小学生の時にひっそりと誓った
俺
紅
藤花
俺
葵
同級生四人と言うよりかは、二人の年頃と保護者の構図になっている
さて、この二人に何と言おうか。あまり良くない頭を擦り減る程使って考えてみる
俺
俺
葵
葵
二人に気遣うように、諭すように声を掛ける。この時期の学生は何かと人の恋に首を突っ込みがちだ
俺
正直、からかったり誰かに言ったりするのは野暮だと俺は思う
紅
俺
葵
何がなんだか分からないと言わんばっかりの紅にヤケクソに言う
俺
単に状況が読み込めていないだけかもしれないが、何でこうも変な所が鈍いのだろうか
やはり、もう一押し必要かもしれない
俺
紅
俺
紅
何故不貞腐れる!こっちが不貞腐れたいわ!
幼馴染だから「まぁ紅だし…」で済むが、他の人が聞いたら「焦れったい!」と言われてパンチ喰らっても可笑しくない
俺
取り敢えず今はアイスに集中することにした
アイス食べ終わった俺と紅は隅にひっそりとあるベンチに腰掛けた
俺
紅
俺
俺
多分、葵ちゃんも思っていたであろうことを紅本人に吐露する
そして続けざまに口を開いた
俺
俺
紅
俺
俺は諭すように声を掛ける。しっかり話せば幼馴染兼親友は分かってくれるはずだ
俺
俺
元気づけるように明るい声色を意識しながら俺は話す
紅の顔は少しだけ晴れたが、また表情は一瞬にして曇ってしまった
紅
俺
紅
俺
紅
紅は自らが奥手である理由をポツリポツリと語り始めた
俺
紅
紅
紅
今の紅の顔色は、怯えたような顔色で少なくとも俺は好きではない
紅は、気持ちの暴走から全力で思うことを恐れてしまっているようだ
俺
俺
紅
俺は逸らさずに紅の瞳と向き合う
俺
紅
紛れもない昔からの俺の本音だ。紅には後悔しないように恋愛を心から楽しんでほしい
隣に座る相手の心に届くよう願って
俺
紅
俺達は前に向かって走り始めた
アイス屋の付近をキョロキョロすれば女子組の二人はゆるふわな、The・女の子って感じの店にいた
俺
紅
藤花
藤花ちゃんの言葉は変わらず優しい
俺
改めて俺は思った
俺
葵
俺
藤花
紅
四人組は歩き出した
気づけば、もう帰る時間になっていた
俺
紅
俺
橙色に染まる空を見上げならがら、そんな会話をしていると藤花ちゃんが少し笑う
藤花
俺
藤花
葵
楽しい時間の終わりは近い。噛み締めながら駐輪場に移動する
紅
藤花
俺
葵
俺
部活が違う疎外感をこんなところで味わうことになったが、もう気にしないことにする
紅
俺
そして俺達はチャリで帰り始めた。女子組は車で帰るらしい羨ましい
俺
紅
漕げば漕ぐほど温風が身体中を扇ぐ。俺は夏に負けないから喉から声を出す
俺
紅
俺
紅
そんな会話を二人で、別れ道まで繰り広げ続けた
これは俺達四人組の夏の一幕に過ぎない
まさか、あの約束を果たす日が来るとは思わなかったけれども
俺
今、誰かに四人組で初めて遊んだ日の締めを伝えるならば、あの日の帰り道の夕焼けは…
物凄く色鮮やかで綺麗であったことだろうか
コメント
8件
続き待ってましたぁあぁ!!!✨ チャットノベル版だ!! 間接キスしたあとの空気感が可愛くて、微笑ましすぎますよ!! 尊すぎる!! そして、朔くんがカッコ良すぎる、、、! このまま仲良く4人で楽しんでほしい〜!! チャットノベルだと、ノベルとはまた違う面白さがあっていいな!! 次回も楽しみにしてます!✨ 投稿お疲れ様です!🍵
読んでくださりありがとうございます。作者のぬんです。 投稿がかなり久々になってしまい、申し訳ございません。 お詫びとして、今年に始まる参加型のタイトルをここで発表させていただきます。 タイトルは「必ずに死に至る病」となります。 始まった際には、ぜひ参加してみてください!