テラーノベル
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4回目に会ったのは、区立中央図書館。作画の資料を借りたところで、あの子が本を一冊ずつ、丁寧に返却口に入れているのを見つけた。
時雨
あなた
時雨
あなた
時雨
あなた
時雨
あなた
時雨
あなた
時雨
「こっち」と、日本の作家のコーナーへ行き、一冊の本を取り出し、渡した。
あなた
時雨
あなた
時雨
あなた
これが愛想笑いだったらあざとすぎる。⋯⋯あんは、そんなことしないな。素直に喜んでくれた。⋯⋯自惚れてる? 一冊だけ借りて、トートバッグに仕舞うと、おれの荷物を見てニコッと笑った。
あなた
時雨
そう言われてみれば、重い。 図書館には、小さなギャラリーとカフェが併設されている。
時雨
あなた
少々の躊躇い。まだ警戒心は解いてもらえていないらしい――そりゃ、そうか。まだろくに話したこともない。 「お好きな席へどうぞ」と言われ、日差しの当たらない壁際のテーブルに着く。 あんたはアイスティーを、おれはオレンジジュースを頼んだ。
時雨
あなた
時雨
あなた
意外な返答に思わず瞬きをする。
時雨
あなた
可愛い子だとしか思っていなかったが、さすが華子に気に入られるだけあって面白いことを言うなと思った。高3のときに「仏教学科に行きたい」なんて発想はおれにはなかった。
時雨
あなた
時雨
あなた
時雨
あなた
時雨
あなた
あんたは本当に驚いたという顔をしていた。
あなた
時雨
あなた
時雨
首をひねって考えたが、決して深く考え込むタイプではない。大学には行こうと思っていて、その時に読んでいた本の作者が教授をしているという大学の哲学部を選んだ、というところだろうか。 将来、寺の嫁になりたいなんてしっかりした目標すらなかった。
時雨
あなた
あんたの笑った顔が、本当に可愛かった。 その後も、しばらく何てことない話をした。おれの携帯が鳴って、楽しい時間が終わった。
コメント
1件
うわ、このエピソードめっちゃ好きだわ…!図書館で本を勧めるシーン、時雨さんの「何となく」で哲学選んだエピソードで笑った。あんたの仏教学科とか華子さんが医学部ってのも意外で、キャラのバックボーンがじわじわ広がってく感じがいいね。カフェのシーンは距離感が絶妙で、まだ警戒されてる自覚ある時雨さんにグッときた。続き気になるな~。