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桐山 穂乃果

凪沙ちゃんっ

桐山 穂乃果

お腹すいたぁ……

ソファに座る凪沙に穂乃果は話しかけた。

南 凪沙

え?お腹すいたのー?

桐山 穂乃果

ご飯まだー?

南 凪沙

凌ちゃんは……

南 凪沙

(今お風呂か)

南 凪沙

ごめんね。凪沙ちゃんご飯作れないんだ

桐山 穂乃果

なんで?大人なのに?

南 凪沙

うぐぅ……

桐山 穂乃果

お腹すいたよぉ

穂乃果は目をうるうるさせて凪沙を見つめた。

南 凪沙

その顔は反則ですよー!

南 凪沙

(何か……作れるかな)

南 凪沙

目玉焼きくらいなら、作れるかも!

桐山 穂乃果

目玉焼き!穂乃果食べる!

南 凪沙

うん!食べようね

南 凪沙

よーし

南 凪沙

(まずはフライパンを用意してっと)

凪沙はIHの上にフライパンを置いた。

南 凪沙

どうやって火つけるんだろ

南 凪沙

……これかな

凪沙は火を強火に設定した。

桐山 穂乃果

ねえ、まーだー?

南 凪沙

まだだよー

南 凪沙

いい子にしてたら出来るからね

桐山 穂乃果

うんっ

南 凪沙

危ないからリビングで待っててくれる?

桐山 穂乃果

わかったー!

穂乃果はスキップしながらリビングへと戻って行った。

南 凪沙

(えーと、皿を準備しようかな)

凪沙は後ろの棚から皿を取り出そうと、クルッと振り返った。

その時、

南 凪沙

凪沙の体とフライパンの柄の部分がぶつかる。

南 凪沙

……っ、

フライパンはバランスを崩し、凪沙の足へ一直線に落ちていく。

南 凪沙

(やば、火傷する___)

凪沙がギュッと目を瞑った時、

グインッと勢いよく腕を引っ張られた。

バァンッッとフライパンが床に落ちる音が耳に入る。

南 凪沙

わっ

凪沙の顔はポスッと誰かの胸の中に顔をおさまった。

南 凪沙

……?

桐山 凌

……ってぇ

桐山 凌

あっぶな……

南 凪沙

!!

ボッと凪沙の顔は赤くなった。

凪沙は凌に抱きつく体制になっていた。

南 凪沙

わ!わ!

南 凪沙

ごごご、ごめん!

凪沙は慌てて凌から離れる。

桐山 凌

………………

凌は黒いオーラを燃やし、凪沙を睨みつける。

南 凪沙

あ、やば……

桐山 凌

おぉまぁえぇなぁあああ!

桐山 凌

馬鹿野郎!!!

南 凪沙

ひっ……

桐山 凌

俺が助けなかったら、

桐山 凌

あのアッツアツのフライパン、お前の足に直撃するところだったぞ!

南 凪沙

は、はい……

桐山 凌

……まじ心配かけさせんなよ

凌はイライラしながらフライパンを拾い、IHの火を消した。

南 凪沙

……

南 凪沙

ごめんなさい…

南 凪沙

(また私やっちゃった…)

南 凪沙

穂乃果ちゃんのご飯、作ろうと…して

桐山 凌

…………

桐山 凌

凪沙が何も出来ないことくらい分かってるんだから

桐山 凌

人をもっと頼れ

桐山 凌

無理なこと、無理やりしようとしなくていい

南 凪沙

…………

南 凪沙

わかった……

桐山 凌

……でも、ありがとな

桐山 凌

穂乃果の飯作ろうとしてたんだろ

凌は凪沙の顔を覗き込んだ。

南 凪沙

っ!

南 凪沙

そ、そうだよっ

凪沙は赤くなって思わず凌から目を逸らす。

桐山 凌

ド下手くそなりに頑張ったんだな

南 凪沙

う、うるっさい!

桐山 凌

一応褒めてんだけど?

……

ドキッ……

南 凪沙

(……っていやいや)

南 凪沙

(ドキッ…はないわ。自分……)

南 凪沙

あは、あははー

南 凪沙

そりゃどーも……

凌ちゃんには彼女がいるんだから

しかも私たちいとこなんだし…

私の恋心は終わったはずでしょ

なのになんで今更__

桐山 凌

一緒に夜ご飯、作るか?

南 凪沙

…………

あーあ……

私、最低だ__

南 凪沙

作る!

凪沙はニコッと笑って凌の隣に並んだ。

ごめんね、明里ちゃん

今だけは私が凌ちゃんの隣に並ぶのを

許してください。

ー休日 昼ー

水木 光

はぁああああッ!?

光は冷蔵庫を開けて大声を出した。

水木 陸

ソファでうたた寝をしていた陸は思わず飛び起きた。

水木 陸

ビックリした……

水木 陸

どうした、光

水木 光

おいコラバカ兄貴!!

光は怒鳴りながら陸の前に立つ。

水木 光

私のプリン食べただろ!!

水木 陸

…………

水木 陸

あは、なんのことかなー

陸は光から目を逸らした。

水木 光

目を逸らすなー!逃げるな卑怯者ー!!

水木 陸

俺は猗窩座か

水木 陸

……はぁ

水木 陸

そうだよ。俺が食ったよ!昨日の夜!!

水木 光

開き直りやがった……

水木 光

もー!吐き出せ!兄ちゃんのバカ!

水木 陸

はぁ?

水木 陸

たかがプリンだろ?

水木 陸

明日買ってくるよ

水木 光

今!今すぐ!

水木 陸

えぇ…

水木 光

あのプリン……

水木 光

期間限定なのにぃー!

水木 陸

……あ

水木 陸

たしかに、いつもと味が違ったような__

水木 光

数量限定販売の『スーパートロピカルウルトラミラクルラブストーリー味』なのに!

水木 陸

ラブストーリー……???

水木 光

とーにーかく!

水木 光

優成がたまたま買ってて、それを詐欺みたいに高値で売りつけられた超貴重品なのに……!

水木 陸

はぁ…

水木 陸

そんな大切なもの、名前も書かず冷蔵庫に置いてあるのが悪いんじゃ__

水木 光

うるさーい!!

水木 光

お兄ちゃんのバカー!

水木 陸

(めんどくさいモード入ったな……)

水木 陸

(頑固な光は、期間限定のプリンを買ってこない限り機嫌治らないぞ…)

水木 陸

すぐそのトロピカルなんとか味のプリン買ってくるから機嫌直すんだぞ

水木 光

じゃあすぐ買ってきてねっ!

水木 陸

はいはい

陸は靴を履いて立ち上がった。

水木 陸

(プリン探しの旅、始めますか)

水木 陸

いってきまー……

水木 陸

(あ、そういえば夕方頃から雨予報だったな)

水木 陸

傘持ってくか……

陸は傘を片手に玄関の扉を開けた。

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