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今回泣かせに来てますぜ、 まず [🩷💛 夏祭り 1] を読んでからこちら呼んでください! こちらの作品スクロール設定してからお読みください!
夜風が少し肌寒くて、夏祭りの夜に染みる。 浴衣を着てきた俺は、わたがし片手にみっちーの前を歩く。 でも、心の中ではずっと意識してしまう。 ちょっと離れたところで、俺の後ろ姿をじっと見つめるみっちーの視線を感じて。 俺、みっちーが俺のこと好きなの、知ってる。でも、俺はその気持ちに応えられない。 応えたくないわけじゃない。 むしろ、ほんまは俺も、みっちーが他の誰かに気持ちを向けてしまうことが怖いくらいや。 でも、みっちーには俺なんかじゃなくて、もっと可愛い女の子と幸せになってほしい。 だから気づかないふりをしてるんや。 みっちーが俺を誘ってくれたときも、断ろうかと思った。 「お前こそ、可愛い子と来たらええやん」って思って。 でも、俺はどこかでその言葉が喉から出なかった。 みっちーが俺以外と行くところなんて、考えるだけで胸が苦しくて、気づいたら「行く」って返事をしていたんや。 💛「みっちー、見て!わたがし、こんなにでかい!」 みっちーの方を振り返って、大きなわたがしを見せたら、あの人、少しぎこちない笑顔を返してくれた。俺が何か言うたびに、こんな顔する。 あの優しい目で俺を見つめてくれる。 でも、その目を見るたび、ほんまは苦しくなる。 「そんな顔で俺を見ないで」って、心の中で何度も呟いてるんや。 みっちーのこと、好きやって自覚させないでほしい。 俺がこうやって無邪気に振る舞うたび、みっちーの心を惑わせているんやろうなって思うと、申し訳ない気持ちでいっぱいや。 でも、俺はこのままの関係でいるべきなんや。 俺が気づかないふりをし続けることで、みっちーもきっとその気持ちを忘れて、いつか俺の隣から離れていくんやろうって思ってる。 でも、そんなことを考えながらも、みっちーの視線が胸に突き刺さるたびに、俺の心も揺れる。 俺のわたがしの食べ方とか、何でもない仕草まで、愛おしそうに見てくれるその目。 俺にだけ向けられるその温かさが、嬉しいのに辛くなる。 💛「ん?なんか言うた?」 🩷「いや、なんもないわ」 なんやろ、このもどかしい感じ。 俺も本当は、みっちーが俺のことを大事に思ってくれるその気持ちに応えたくてたまらん。 でも、俺はそれを望んじゃいけない気がして、気づかないふりを続けるしかないんや。 ふと見上げた夜空に、花火が一瞬大きく輝いて消えていく。 俺たちの関係も、きっとこの花火みたいに儚いんやろな。 でも、俺は今、この瞬間だけで十分やって思える自分もいる。 みっちーの隣にいて、一緒に笑い合える時間があるだけで。 💛「なあ、みっちー、次どこ行く?」 🩷「うーん、どこ行きたいん?」 俺が行きたいところなんて、特にない。 ただ、みっちーの隣にいるだけで、今はそれでええ。 でも、そんな俺の気持ちが、伝わらないように、いつも通りの笑顔で答えるだけや。 俺は今日も、みっちーに気づかないふりをし続ける。 いつかみっちーが、本当に幸せになれる日が来るまで、俺はこうやってそばで見守るだけ。 それが、俺がみっちーのためにできる唯一のことやと思うから。