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青いワンピース

第2話 - 青いワンピースⅡ

2023年01月15日

#ホラー

ソネミ

クルミ

あ、ゆあ

ゆあ

おはよ…

クルミ

大丈夫？

クルミ

気分は落ち着いた？

ゆあ

まぁ…落ち着いたけど…

ゆあ

ヒビキの事が頭から離れない

クルミ

…そーだよね

クルミ

あ、ゆあのその青いワンピ可愛いじゃん💦

ゆあ

これ、ヒビキとデートした時に買ったの

ゆあ

ヒビキ、似合うねって言ってくれたのに…

クルミ

に、似合ってるよ！

ゆあ

ありがとう…でも

ゆあ

これ着るとヒビキの事余計思い出しちゃうんだ

ゆあ

でも何故か着たくなっちゃうの

クルミ

わ、分かるよそーゆーの…

クルミ

大切な思い出があるほど手放したくなくなるよね

ゆあ

うん…

ゆあ

あ…これ、あそこのお店で買ったの…

クルミ

へぇ〜そうなんだ！

クルミ

すごいお洒落なお店だね

ゆあ

ヒビキも…

ゆあ

そんな事言ってくれたっけな…

クルミ

ゆ、ゆあ…

クルミ

とにかくさ、彼氏の事はもう忘れよ？

クルミ

今は楽しまないと！

ゆあ

うん…

その夜

ゆあ

クルミ、今日はありがとう…

クルミ

ううん

クルミ

ゆあに元気になってもらいたかったから

クルミ

で、元気出た？

ゆあ

うん…

ゆあ

ねぇクルミ。私分かったよ

ゆあ

やっぱりヒビキを諦めることは出来ないって

クルミ

え…

ゆあ

それは私がこの世に生きているからだよね

ゆあ

私は生きている限り

ゆあ

永遠にヒビキがいない事に絶望する事になる

クルミ

でも、もう忘れようって言ったでしょ？

ゆあ

やっぱり無理だったの

ゆあ

忘れるなんて無理…

クルミ

ゆ、ゆあ…

ゆあ

永遠に苦しむ人生になるなら

ゆあ

一瞬で人生終わった方が楽だよね

クルミ

え？ちょっと待って

ゆあ

ねぇクルミ…

クルミ

ゆあ、一旦落ち着こ？

ゆあ

あの青いワンピース…

ゆあ

私が死んだら、

ゆあ

お店の人に返しといてね

クルミ

ゆあ…なんで死んだのよ…

クルミ

彼氏の事なんか忘れて楽しもうって言ったのに…

ゆあの母

不在着信

クルミ

わ！え？

クルミ

ゆあの母？

ゆあの母

あの、石橋クルミさんですか？

クルミ

あ！そ、そうですけど…

ゆあの母

突然連絡を入れてすみません

ゆあの母

私は山本ゆあの母です

クルミ

ゆあの…お母さん…

ゆあの母

はい。娘が大変お世話になりました

クルミ

え、いえ…私は…何も…

クルミ

何も出来なかったんです…

ゆあの母

娘から聞いていますよ

ゆあの母

あなたはとてもいい人だったと

クルミ

そんな…

ゆあの母

それで、1つお願いなのですか

クルミ

は、はい

ゆあの母

娘の青いワンピースのことをご存知でしょうか？

クルミ

あ、知ってます

ゆあの母

実はゆあ、その服を来て、自殺したんですが…

ゆあの母

妙なんです

クルミ

妙？

ゆあの母

ゆあは、も、燃えて死んでしまったのに

ゆあの母

そのワンピースは無事だったんです

クルミ

え…

ゆあの母

不思議な事もあるのかもしれません

ゆあの母

それで、そのワンピースのポケット中に紙切れが入ってて

クルミ

紙切れ？

ゆあの母

見たら、このワンピースは石橋クルミという子に渡してくれと書かれていたんです

クルミ

あ…

ゆあの母

なにかご存知でしょうか？

クルミ

まぁ…はい。

ゆあの母

あの、失礼ですが、そのワンピースを引き取ってもらってもいいですか？

クルミ

え…

ゆあの母

娘の言う通りにしたいんです

クルミ

あ、全然大丈夫です

クルミ

じゃあ明日にでも伺います

ゆあの母

ありがとうございます…

ゆあの母

お待ちしてます

次の日

クルミ

ほ、本当に引き取っちゃったよ…

クルミ

このワンピース…

クルミ

でも、最後にゆあ

クルミ

お店に返してって言ってたし

クルミ

そうした方がいいよね

クルミ

あ、あった

クルミ

ここだ

クルミ

お邪魔します…

クルミ

あ…

クルミ

誰かいますか…？

おじいさん

何か用かな？

クルミ

わ！びっくりした…

おじいさん

……！

おじいさん

お客さん、そのワンピースは…

クルミ

あ…ちょっと、色々と事情があって

クルミ

返しに来たんです

おじいさん

……そうか

おじいさん

まぁ…

おじいさん

そうじゃろうな…

クルミ

え…そうって？

おじいさん

お客さん…

おじいさん

このワンピースの持ち主…

おじいさん

焼身自殺したんじゃないのかね…？

クルミ

え！？なんで分かるんですか！？

おじいさん

ずっとそうなんじゃよ…

クルミ

ずっと…そう？

おじいさん

……お客さんは

おじいさん

聞く権利があるから…

おじいさん

話すとするかい

クルミ

話す？

おじいさん

実はな…そのワンピース、

おじいさん

元はワシの娘のだったんじゃ

クルミ

え！

おじいさん

娘が自分で縫って作ったんじゃよ

おじいさん

よう出来とるじゃろ

クルミ

は、はい…

おじいさん

娘にはかっこええ彼氏もいてな

おじいさん

いつも笑顔で楽しそうじゃった…

おじいさん

だが、

おじいさん

……娘はフラれたのじゃよ

クルミ

え……

おじいさん

娘は彼氏が出来たのは初めてじゃったからな

おじいさん

フラれるのも初めてじゃった

おじいさん

深く落ち込んで…ずっと自分の部屋にこもりきっておった

おじいさん

そしてあの日…

おじいさん

娘は死んだんじゃ…

クルミ

え…

おじいさん

焼身自殺でな…

クルミ

……

おじいさん

しかし不思議なんじゃ

おじいさん

青いワンピースは全く焼けてないんじゃ

おじいさん

娘はそれを着て体に火をつけたというのに

おじいさん

じゃからわしは、そのワンピースは特別なものなのだと確信したのだよ

おじいさん

捨てるのももったいないから

おじいさん

わしゃそれを店の商品棚に飾っておいた

おじいさん

売り物としてではなく…飾りとしてな

おじいさん

しかし、このワンピースを買いたいという女性が現れた。

おじいさん

ワシは売るつもりはなかったのだが…

おじいさん

経営困難のため…仕方なく売ったんじゃ…

クルミ

そ、それで…？

おじいさん

そのお客さんにも彼氏がいたらしいんじゃがな

おじいさん

何故か急にフラれ、

おじいさん

フラれたショックで…そのお客さんは

おじいさん

焼身自殺したんじゃ…。

クルミ

そ、それって…

おじいさん

ああ、わしの娘とそっくりなんじゃ

クルミ

まさか、娘さんの怒りが？

おじいさん

そうかもしれんな

クルミ

じゃあ、ゆあが焼身自殺したのも…

おじいさん

多分…その青いワンピースのせいじゃ

クルミ

な、なんで…

クルミ

なんでこんなもの売ってるんですか！

クルミ

今すぐ捨てるべきです！

おじいさん

簡単に言うでない

おじいさん

娘が最後に着とった服じゃ

おじいさん

お前さんにそれを捨てる気持ちが分かるのかい

クルミ

……っ

おじいさん

それとも…

おじいさん

お前さんが着てもいいんじゃよ

クルミ

私帰ります！！

結局そのワンピースは

またあのお店へと置かれることになった

今度は誰が、あのワンピースの犠牲になるのだろうか

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ソネミ

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