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ザァァ……

雨は、さっきよりも弱くなった

ゆうくんは、俺の背中をとん、とんと止めることなく叩いてくれている

如月ゆう

こったんは…

如月ゆう

その…あの話聞いて…どう思った…?

こったろ

えっ…

ゆうくんが、すこしためらいがちにそう言った

あの話っていうのは、俺が家を飛び出した前のあの話のことだ

如月ゆう

ゆさん達…寂しかったんだよ…?

如月ゆう

ずっと遠慮してばっかりで…

如月ゆう

ゆさん達のこと嫌いなのかなって…

如月ゆう

でも…こったんがそんなこと思うはずないよね?

如月ゆう

何か…理由があるんじゃない?

一気に尋ねられて黙ってしまった

流れた沈黙は、永遠かと思うほど長かった

でも、やがて俺の口から─心の中から言葉がこぼれでてきた

こったんが、ゆっくりとその理由について教えてくれた

こったろ

俺、昔学校で、優等生優等生ってからかわられて

こったろ

学級委員とか全部押し付けられて…

如月ゆう

なにそれっ!?

思わず小さく叫んでしまった

こったろ

でも、断ったら嫌われて居場所すら失っちゃうじゃないかって…

こったろ

だから、嫌でも嫌だって言えなかった

こったろ

それが、ずっと続いて今も遠慮するくせが残ってて…っ

こったんの声と体が震え始める

嫌な事を嫌だって言えなくて

それが、ずっと続いて

すごく辛かったに違いない

もっと早くこったんの苦しみに気がついていたら

少しでも早くこったんを、苦しみから助けられたのかもしれない

そう思うと今までの自分の行動を後悔する

如月ゆう

ごめんねこったん…気づけなくて…

こったろ

ゆ、ゆうくんのせいじゃないよ…っ!

こったろ

俺が、ずっと隠してたから…

なんて言えばいいのか分からなくて

その時は、こったんを抱きしめることしか出来なかった

数十分後

いつの間にかこったんは、眠っていた

寝顔を見ると少し安心した様な気がした

気づいたら自分も眠ってしまっていた

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