ザァァ……
雨は、さっきよりも弱くなった
ゆうくんは、俺の背中をとん、とんと止めることなく叩いてくれている
如月ゆう
如月ゆう
こったろ
ゆうくんが、すこしためらいがちにそう言った
あの話っていうのは、俺が家を飛び出した前のあの話のことだ
如月ゆう
如月ゆう
如月ゆう
如月ゆう
如月ゆう
一気に尋ねられて黙ってしまった
流れた沈黙は、永遠かと思うほど長かった
でも、やがて俺の口から─心の中から言葉がこぼれでてきた
こったんが、ゆっくりとその理由について教えてくれた
こったろ
こったろ
如月ゆう
思わず小さく叫んでしまった
こったろ
こったろ
こったろ
こったんの声と体が震え始める
嫌な事を嫌だって言えなくて
それが、ずっと続いて
すごく辛かったに違いない
もっと早くこったんの苦しみに気がついていたら
少しでも早くこったんを、苦しみから助けられたのかもしれない
そう思うと今までの自分の行動を後悔する
如月ゆう
こったろ
こったろ
なんて言えばいいのか分からなくて
その時は、こったんを抱きしめることしか出来なかった
数十分後
いつの間にかこったんは、眠っていた
寝顔を見ると少し安心した様な気がした
気づいたら自分も眠ってしまっていた
コメント
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続き楽しみです~!!フォロー失礼します!!