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第6話 存在

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第6話 存在

1 - 第6話 存在

♥

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2020年08月24日

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2日後

朝陽、グランプリおめでとう!

朝陽

ありがとう!

やっとお祝い出来たわ。

朝陽

ごめんね、フランス留学の事で
色々話があって。

それは大変だったねぇー。

朝陽

しかも出発が1ヶ月後だから、暫くは準備で忙しいかも。

そっか。何か手伝えることあったら言って。

朝陽

文、ありがとう!凄く助かる!

どういたしまして。

そいえば、竜野さんはどうリアクションしてたの?

朝陽

おめでとうって言ってくれたの!

その他は?

朝陽

へ?

竜野さんと朝陽のことだから、何かしらあったでしょ。

朝陽

…っ/////

ほら顔真っ赤になった!

何があったか言いなさい。

朝陽

はい…。頭を、

頭をなんだい!

朝陽

ぽ、ぽんぽんされました/////

うわぉ。青春だねぇ(ニヤニヤ)。

朝陽

うぅ、言わせないでよぉ。

ごめんて(笑)。

で、いつ告白するの?

朝陽

こ、告白!?なんで!?

だって朝陽、竜野さんのこと好きでしょ?

朝陽

違うよ!蓮さんは友達!

朝陽

…なんでそう思うの?

だって、竜野さんの話をしてる朝陽、凄く楽しそうだからそうなのかなって。

朝陽

確かに蓮さんといるのは楽しいよ。

朝陽

でも、好きかどうかなんて
分かんないよ…。

それじゃ、竜野さんを思い浮かべてみて。

朝陽

え、うん…。

竜野さんの隣には女性がいます。

その女性はとても綺麗です。

そして二人は付き合っています。

竜野さんもその女性もお互いを想いあっています。

さぁ、朝陽はその姿を後ろから見てどう思いますか。

朝陽

…嫌。

もっと詳しく。

朝陽

他の女の人と仲良くして欲しくない、です…。

やっぱり。朝陽、竜野さんに恋してるよ。

朝陽

そうなの?

うん。だって、名前呼びになった時も頭ぽんぽんされた時も嬉しかったでしょ?

朝陽

うん。

それ、他の男性にやってもらったら?

朝陽

…何か違う。

それは竜野さんが特別だから。

もう自覚しな。朝陽は竜野さんに恋してるって。

朝陽

…これが、この気持ちか恋なんだ。

朝陽

なんだか、分かって嬉しい。

それは良かった。

ケーキの約束があるからまた会えるもんね。

朝陽

あっ!そうだっだ…。

朝陽

好きって気づいたから会うの緊張する///。

まぁ、そんなもんよ(笑)。

普段通りで頑張りな。

朝陽

うん、まだまだ蓮さんには私のケーキを食べてもらわないとだから!

ケーキ作り終了後、、、

朝陽

顔赤くないかな?

朝陽

落ち着いてられるかな。

朝陽

すぅーはぁー。

朝陽

よしっ!

キンコーン、、、

朝陽

…あれ、いつもならすぐ出てくるのに。

朝陽

出かけてるのかな?

大家

あ、柊さん。こんばんは。

朝陽

大家さん!こんばんは。

大家

竜野さんに用?

朝陽

はい。

大家

仲良いの?

朝陽

はい!ケーキの感想を貰ってて。

大家

…何も聞いてない?

朝陽

何かあったんですか?

大家

竜野さん、引っ越されたよ。

朝陽

えっ!いつ、ですか。

大家

部屋を出たのは昨日の朝かな。

朝陽

…そうなんですね、
ありがとうございます。

朝陽

では、このケーキ食べて貰えませんか?

大家

いいのかい?

朝陽

はい、奥さんとどうぞ!

大家

ありがとう柊さん。

大家

では失礼します。

朝陽

はい、お疲れ様です!

朝陽

文、今ちょっといい?

全然おうけい!

どしたー?

朝陽

蓮さんがいなくなった。

は?

朝陽

蓮さん、私に何も言わずに引っ越しちゃった…。

今からそっち行くから。

朝陽

うん。

ガチャ、、、

朝陽!

朝陽

文…。

朝陽

どうしよう、蓮さんがいなくなっちゃった…。

朝陽

好きって気づいたのに…。

こっち、おいで。

朝陽

う、うあぁぁぁぁぁぁ!

朝陽

やだ、やだよう。蓮さんと会えないなんてやだ!

朝陽

なんで何も言わずにどこか行ったの?

朝陽

それならもっと早く気づいて、気持ち伝えれば良かった!

朝陽

私のばかぁ!

朝陽…。

朝陽

私だけなの、友達って思ってたのは!

朝陽

蓮さんにとって私は大好きなケーキを作ってくれる人でしかなかった!

朝陽

悔しいよぉ…。

そんなことない!

竜野さんだって、朝陽のことは大切な人だと思ってる!

朝陽

どうして分かるの!

竜野さんは朝陽の事を名前で呼んだ!

大切だと思っていない女性に軽々しく頭撫でたりしない!

朝陽

…なんで、文も泣いてるの?

そんなの悔しいからよ。

私がもっと早く気づかせてあげれば、朝陽がこんな思いしなかったのに…。

朝陽

文のせいじゃないよ。

朝陽

この想いは自分で気づかないといけないのに、私が知らないフリをしてたのがいけなかったの。

…本当にごめん。

朝陽

ありがとう、私の為に泣いてくれて。

2人して何してるんだろう(クスッ)。

朝陽

本当だね。

朝陽

なんで急に引っ越したんだろう。

それは私にも分からない。

朝陽

実家に帰ったとか?

それはあるかもね。

祖父母が体調崩したとか。

朝陽

でも、引っ越すなら
何か一言欲しかったな…。

朝陽。

朝陽

何?文。

朝陽は竜野さんの為にケーキを作り続けるんでしょ?

朝陽

うん。それが私のケーキだから。

なら、またいつか会えるよ。

最近ずっと朝陽のケーキを食べてたんでしょ?

それなら、朝陽のケーキの味はいつまでも忘れないって。

朝陽

…そうだよね。

朝陽

早くパティシエになって、蓮さんにケーキを渡さないと!

その調子!

…今日はもう寝よっか。

朝陽

うん!来てくれてありがとう。

朝陽

だいぶ心が落ち着いた。

それは良かった。

それじゃおやすみ。バイバイ!

朝陽

おやすみ。
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