ビブリア
まず、一番古い物語は神話ね

エイレーン
神話ってオリンポス十二神様のお話とか、アキレウスやヘラクレスの様な英雄の話とか?

ビブリア
そんな感じ。ギリシャ神話は詳しいのね

エイレーン
神殿で祈ってたからね

ビブリア
そうなのね

ビブリア
次に、物語のベースになったのは戯曲ね

エイレーン
あー、あの貴族の娯楽か

ビブリア
そう。そこから転じて、小説や物語が生まれたと考えられているわ

ビブリア
戯曲の台本もあるから、暇なら読んでみなさい

エイレーン
また本進め出た

ビブリア
何かしら?

エイレーン
いや、何でも

ビブリア
話くらい静かに聞きなさい

ビブリア
そしてその後中世になると、政治や世の中の批判を目当てにした小説が登場するの

ビブリア
この時代に有名なのはゲーテやドストエフスキーね

エイレーン
ドストエフスキー?

ビブリア
代表作は「罪と罰」ここにもあるわよ

エイレーン
へぇー

余計な事を言うと酷い目に遭うことが分かったのかエイレーンは多くは言わなかった
エイレーン
他には?何かあるのか?

ビブリア
一番小説に変化があるのは…19世紀ね

ビブリア
本当はもっと細かく話したいんだけど、あんたじゃ理解出来ないでしょ?

エイレーン
馬鹿にしやがって…否定は…出来ねぇけど

ビブリア
詳しくは今度話すから、今回は19世紀についてにするわね

エイレーン
ああ……

なんかビブリア優しくなったなぁ…とエイレーンは密かに感じていた
ビブリア
19世紀のイギリス…貴方の知る言葉だとロンディニウムかしら?そこではね

ビブリア
今までの社会や支配体制がこわれてしまうんじゃ無いかっていう恐怖が蔓延していたの

エイレーン
ポリス崩壊みたいな?

ビブリア
そう考えてもらって構わないわ、それでね、その支配者達は人に紛れて密かに世を蝕んでくのよ

エイレーン
密かにって…誰も信用出来なくなっちまいそうだな

エイレーン
だって、ポリスにペルシア軍が紛れ込んでいていつか反乱を起こしてポリスを乗っ取るんだろ?

ビブリアにとっては歴史の事だが、彼の中ではまだそれが当たり前なのだ
ビブリア
そうよ、だからその恐怖を元にした小説が大流行したのよ

エイレーン
大流行!?そんな身近な事が?

ビブリア
身近な事だからこそ、物語で遠くの事だって思いたかったのよ

エイレーン
あー…そういう思考か

ビブリア
それで、特に有名な作品は

ビブリア
「吸血姫カーミラ」若い女性の吸血鬼が人を襲う話

ビブリア
「ジキル博士とハイド氏」二重人格の人が主人公でもう一人の人格に乗っ取られてしまう話

エイレーン
なんか…じわじわくる怖さだな

ビブリア
そう言うのが流行ったのよ

エイレーン
まぁ、暇だったら読んでやる

ビブリア
いつも暇でしょ?

エイレーン
まさか、俺だって俺なりに忙しいのさ

ビブリア
ふふっ、初めて知ったわ

気付かなかっただけかもしれないが、最近のビブリアは生き生きとしている