快晴空、君は 笑う。

去年、

20XX年 冬。

─────────

続いてのニュースです。

昨夜、○○県の△村で

倒れている男児二人が 発見されました。

二人は同い年、 小学六年生と思われており、

────────

一年後

始．

確か、

カチッ、カチッ、カチッ、

ピッピッピッピッ、

俺は目を開けた。

まずは、 視界に白い天井が映し出される。

次は耳だ。 沢山の、規則的な機械音。

同じなのにあの時とは全く違う。

そして、 独特な薬品の香りがした。

そうすると俺は理解する。

ここは病室だ。

俺は死んだのだろうか。

………いや、

ピッピッピッピッ、

この音は、確か、

心臓の鼓動を 測る機械だった気がする。

漫画やドラマである、 病室でキャラが死ぬ事が分かる音

『ピ─────────』

という音が鳴っていないから 多分俺は生きているんだろうな

幸いなのか、最悪なのか。

そんな事、 考えても出てくるはずないけど。

取り敢えず視界を動かしてみる

白いカーテン、天井。

俺に掛かっている真っ白な布団。

規則的にリズムし続ける時計。

そして何らかの 数値を測っているであろう機械。

きっと、先程の音の正体だろう

ピッピッピッピッ、

まるで気温のグラフのような ギザギザとしている線。

それが映し出される画面。

線は多少不規則だが、 俺が生きている証のようなもの だった。

あれが まっすぐな線を引き始めると 俺は死んだ事になる。

心臓が止まった証だ。

ガラガラガラ

ゆっくり扉が開けられた

俺は音の行先に目をやる。

いきなり質問を かけられたことにより、 少し動揺する。

声が出た。

ガラガラガラ

声が届いていた。

俺は生きている。

俺は昨日のことが 忘れられずにいた。

村はどうなったんだろうか？

俺は病室にあったテレビで 急いでニュースを付けた。

これだけでかい事が起こってるならニュースになっていてもおかしくは無いだろう。

昨日、△村で爆発、火災が発生しました。

これだ、と思い、 チャンネルを変えずに見る。

火災の原因はとある家の炎の消し忘れと考えられています。

ですが、爆発は人工的による犯行でした。

最初は家で発生した小さな火災だったのですが、近くにあった爆弾により、火災が大きくなったと考えられています。

この事件で、村は全焼。

死亡者数12名。 負傷者数13名。 行方不明者多数です。

この事件で爆発の犯人は見つかって居らず─────

─────ピッ、

俺はテレビを消した。

自分もその場に居たって考えると

なんだか気持ち悪かった。

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それから数日後、

葬式が行われた。

カ──────ン

祖母が死んだのだ。

寝ている間に 火災で死んだらしい。

涙は出なかった。

なんでなのかは分からない

ほんと、悲しくて、寂しくて

一週間前までは 一緒に喋ってたのにって考えると

心が痛くなる。

でも、涙が出るよりも先に

何かが、 俺の頭の中で邪魔していた。

あ、そういえば

あいつは何処へ 行ってしまったのだろうか。

茶髪の、オレンジの瞳の、

あいつは…………

あいつも、 「行方不明者多数」 の所に分類されているのだろうか。

「死亡者数12名」

に、居ないといいなって

最後に、あいつが 言ったのはなんだっけ

走れ、か？ 爆発だ、か？

思い出せない

人は、 声から忘れられていくものだ というのは本当なのだろうか。

でも、俺の視覚は結構優秀で

最後に見たのは炎の前だ。

強くて真っ赤な炎が 彼の背景のようになっていて、

その場に少しも見合わないけど、

綺麗だな

って思った。

会いたいな

NEXTepisode⇒heart,1000．