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─ 探偵社 ─

太宰 治

〜♪

中島 敦

中島 敦

太宰さん、何だか愉しそうですね

太宰 治

嗚呼、少し善い事が有ってね

中島 敦

善い事?

太宰 治

善い自殺場所を見付けたのだよ!

中島 敦

またですか……

国木田 独歩

貴様は善い加減仕事をしろ

国木田 独歩

太宰が仕事をやらない所為で周りの奴らにも迷惑が掛かって居るのだぞ

太宰 治

判ってるよ国木田君〜

中島 敦

あはは…

中島 敦

(確かに…太宰さんの仕事は何時も押し付けられる様な気がするなぁ…)

谷崎 潤一郎

あ、敦君

谷崎 潤一郎

お茶入れたンだけど飲む?

中島 敦

善いんですか!?

谷崎 潤一郎

うん、何時も頑張ッてるからさ

中島 敦

有難う御座います!

中島 敦

(谷崎さんは頼りになるんだよなぁ…)

太宰 治

却説、少し散歩にでも出掛けようかな

国木田 独歩

おい!此溜まりに溜まった資料は如何する心算だ!

太宰 治

如何するって、帰って来たらやる心算だよ?

国木田 独歩

貴様って奴は何時も何時もそうやって仕事を後回しにしては……!!

中島 敦

(また始まった…)

太宰 治

それじゃあ、私は行って来るから

中島 敦

あ、はい!お気を付けて!

ガチャン──

中島 敦

……行ってしまった

国木田 独歩

はぁ……敦、彼奴の事はもう放っておけ

中島 敦

あ…はい…

中島 敦

(本当に善いのかなぁ…)

与謝野 晶子

まァ太宰の事だし、敵に殺られる事は無いだろうけどねェ

宮沢 賢治

何時もの生命力で生きて帰って来そうですね!

中島 敦

あはは…まぁ確かに、太宰さんがそう簡単に殺られる事は無いと思いますけど…

与謝野 晶子

けど?

中島 敦

否……何だか矢っ張り一人で行かせるのは不安だなぁと…

泉 鏡花

其の気持ちは判る

谷崎 ナオミ

他の女性にナンパしてそうですものね

国木田 独歩

そうなればまた俺の理想が全て水の泡だ……!!

ガチャ──

中島 敦

中島 敦

誰です……

芥川 龍之介

只今戻った

中島 敦

ってえぇ!?

芥川 龍之介

芥川 龍之介

……なっ!?

芥川 龍之介

何故虎が此処に居る!?

中島 敦

否其れはこっちの台詞何だけど!?

国木田 独歩

何故之また急に…!!

芥川 龍之介

何故と云われても、此処が僕の仕事場なのだから仕方あるまい

中島 敦

はぁ!?

中島 敦

お前はポートマフィアが仕事場だろ!?

芥川 龍之介

貴様こそ何を云うか

芥川 龍之介

僕の仕事場は此処、武装探偵社だ

芥川 龍之介

貴様の方こそポートマフィア所属では無かったか?

中島 敦

ぼ、僕がポートマフィアなんかに入る訳無いだろ!?

江戸川 乱歩

善く見ると、何時もと服装が違うみたいだけど?

江戸川 乱歩

お洒落にでも目覚めたの?

芥川 龍之介

否、僕は常に此服装故、お洒落等心底如何でも善い

江戸川 乱歩

ふぅん……

与謝野 晶子

何だ、何時もみたいに攻撃的じゃ無いンだねェ?

芥川 龍之介

何時も……?

芥川 龍之介

僕は仲間相手なら攻撃致しません

中島 敦

なっ……!?

国木田 独歩

と、取り敢えず状況を整理しよう……

国木田 独歩

先ず…何故芥川は此処に居る?

芥川 龍之介

此処が僕の仕事場故

中島 敦

仕事場って……転職でもしたのか……?

芥川 龍之介

違うに決まって居るだろう

芥川 龍之介

虎と……小娘、貴様もだ

芥川 龍之介

何故此処に居る?

泉 鏡花

何故……?

泉 鏡花

…武装探偵社の一員だから

芥川 龍之介

ポートマフィアを辞めたのか?

泉 鏡花

其の事に付いては貴方が一番善く知って居る筈

泉 鏡花

もう貴方の指示に従うのは御免

芥川 龍之介

確かに一度支配はしたが…其れ位の事で此処迄云われるとはな

中島 敦

一度なんかじゃないだろ!

中島 敦

鏡花ちゃんは…もうお前の手駒なんかじゃ無いんだ!

芥川 龍之介

手駒…?ふん、何を云うか

芥川 龍之介

僕は此小娘を手駒の様に扱った覚えは無い

中島 敦

なっ……!?

与謝野 晶子

喧嘩は善しな、状況整理が優先だろう

芥川 龍之介

……ふん

中島 敦

(何なんだ……!?)

国木田 独歩

はぁ……暫く話をしたが、全く理解が追いつかん

江戸川 乱歩

之に付いては僕も善く判らないね

江戸川 乱歩

別の世界線の芥川が来たとしか云え無いだろう

中島 敦

別の世界線……?

江戸川 乱歩

嗚呼、僕達の此世界とは別の世界だ

江戸川 乱歩

例えば芥川が探偵社に所属して居て、敦がポートマフィアに所属して居る世界線が有ったとしたら?

江戸川 乱歩

辻褄が合うだろ

中島 敦

確かにそうですけど…

中島 敦

でもそんな事有り得るんですかね…?

江戸川 乱歩

転生系の異能か…?

国木田 独歩

異能ならば十分に有り得る

江戸川 乱歩

太宰が居て呉れたらちゃちゃっと解決出来そうなのにねぇ

国木田 独歩

こんな時に限って彼奴は何時も……!!

芥川 龍之介

つまり、僕は別の時空から来たと?

江戸川 乱歩

うん、そうとしか考えられないからね

江戸川 乱歩

芥川が急に寝返るだなんて有り得ないだろう

国木田 独歩

取り敢えず……今日の処は此辺にして、仕事に戻るか

中島 敦

……ですね

芥川 龍之介

僕は如何すれば……

国木田 独歩

仕事の手伝いをしろ

芥川 龍之介

承知

谷崎 潤一郎

やけに従順だね……

谷崎 ナオミ

何だか怖いですわ……

宮沢 賢治

そうですか?

谷崎 潤一郎

うん、だって急に襲って来たりなンかしたら……!?

宮沢 賢治

其の時は僕が守ります!

谷崎 潤一郎

頼もしいよ賢治君…!!

中島 敦

(何でこんな事に…)

中島 敦

(僕がポートマフィア?そんな世界線…信じたくも無い…)

中島 敦

(兎に角今は仕事に集中しよう……!!)

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