メスで俺らを惑わして。

注意 ・いれいす様の名前を使わせていただいております。 ・なんか胸糞悪いです。 ・青桃、桃青どちらとも受け取れます。 ・地雷、苦手さんは今すぐ閉じましょう。 ・パクってるつもりはありません。 似てる作品があったらごめんなさい。 ・通報しないでください！

ﾋﾟｰﾝﾎﾟｰﾝ

家のチャイムが鳴る。

今は深夜の2時。

こんな時間に誰だろう…、

なんて、だいたい予想はついてる。

また、“刻まれた”のだろう。

ｶﾞﾁｬｯ

そう、ないこ。

ないこには付き合ってる彼女がいる、

…んだけど…。

その彼女がかなり暴力的らしく、毎回肉体も精神もボロボロで家に来る。

痣と傷跡だらけの身体。

ないこが来る度に消毒など、手当をするのが俺の役目。

そして、彼の心を癒してあげるんだ。

話を聞いて、彼につけられたメスのような深くて細かい傷たちを縫い合わせて埋めていく。

別れればいいじゃんって思うでしょ？

それは俺も思ってる。

でも、

彼女は別れ話をすると殺す勢いで包丁を振り上げるらしい。

前、そんな事があったみたい。

その時はびっくりした。

肩が血まみれで深い傷もそのままに来たんだもん。

なんでないこがこんな目にあわなきゃいけないの…？

なんで…、そんな女がないこの恋人なの？

俺だったら、絶対幸せにするのに。

泣かせたり、傷つけたりもしないのに。

なんで、なんでなんでなんで！

でも、

俺の中にあるこのモヤモヤはなに…？

…ろ…！…ま……！！………

まろ！！！！

少しの沈黙。 静かな部屋。

だがその沈黙を、 ないこの一言が壊した。

…………え？

やべ、大きな声出しちゃった…。

か細い声。 普通の人なら聞き逃すくらい、小さい。

こんな時に、嘘つくわけないやろ。

ないこまた泣き始めちゃったよ？！ 俺なんかしちゃった？？！？

そんなん、当たり前やん。

こんな、辛そうなないこ、

別れたいのに別れられない、俺だったら死んでしまいたいくらいの生活。

そんなないこを、

俺が、少しでも支えられれば。

そのメスのような傷、

何回だって埋めてあげたいから。

…いつかないこが、

俺の物になればいいのに＿＿＿。

そうしたら傷だってつかない…し…、

あれ…？

俺の物になっちゃったら、

埋めれない、じゃん。

ないこを｢俺｣っていう糸で 縫えないじゃん。

あぁ、俺の愛も歪んでた。

俺も、穢れてる。

逃げないでね？

そうして俺は惑わされる。

ないこに。

そして、

ないこの、心の傷に。

青side 【完】

144タップお疲れ様です！ 見てくれてありがとう！！