思い返してみると
僕は君に何も
してあげられなかったように思う。
裕二
裕二
裕二
???
???
お婆さん
あの時も。
???
裕二
???
裕二
裕二
裕二
???
裕二
小春
小春
小春
裕二
裕二
小春
裕二
裕二
あの時も。
裕二
裕二
裕二
裕二
裕二
小春
裕二
裕二
裕二
小春
小春
あの時も。
小春
小春
小春
小春
小春
裕二
裕二
裕二
裕二
裕二
小春
小春
小春
小春
あの時も。
いつも大事なことは
君の口からだった。
付き合う時もプロポーズも
僕は大事なことを口にする
ひと握りの勇気がなかった。
「愛してる」のひと言さえ
勇気がなくて言ったことがない。
僕は君に何を
してあげられたのだろう。
小春
裕二
小春
苦労を掛けたのだろう。
小春の美しい顔には
たくさんの皺が刻まれている。
裕二
静かな病室に電子音が響く。
裕二
小春
裕二
幸せだった?
聞こうとしてやめる。
幸せだったはずがない。
こんなに苦労を掛けたのだ。
答えを知るのが怖くて
僕は口をつぐみ顔を逸らす。
小春
小春
ゆっくりと
小春が唇を動かす。
小春
小春
ピ │ ッ
裕二
完
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