優斗
俺の賭けに等しい策を見せてやろう
フードの男
面白いですね
フードの男
今あなたは絶望的にも関わらず
フードの男
そんな虚言を吐けるなんて
優斗
虚言じゃないことを証明してやる
優斗
(俺のスキル妄想癖…)
優斗
(扱い次第では強力なものになる)
優斗
(やることは単純…)
優斗
(これの不安な点は俺の体力をどれほど持っていくかだな)
優斗
俺のスキルの1つを見せてやる
優斗
それがお前を倒す切り札となる
優斗
増殖せよ!
フードの男
なに?
フードの男
(ど、どういうことだ!?)
フードの男
(あいつが増えた?)
フードの男
(あ、ありえない…)
フードの男
(個々がギア開門12だとすれば…)
優斗
俺みたいな雑魚でも数増やせばなんとかなるだろ?
優斗
塵も積もれば山となるってね
優斗
さぁ覚悟しろ!
フードの男
くっ!
増えた優斗の猛攻を何とか耐え凌ぐも手数の多さにジリ貧になり徐々に劣勢になる
フードの男
(くそ!なんでやつだ…)
フードの男
(手合わせしてみたが個々の実力は少し弱体化してる程度だ)
フードの男
(あのスキルの謎が分からないが恐らく代償があるはず)
フードの男
(大体は己の体力と引き換えにするものだが)
フードの男
(それだとして本体は体力減少により力を思うようにだせない)
フードの男
(だがあいつが増やした己自身がそれを見越した強さだとしたら)
フードの男
(本体を見つけるのは至難の業だ)
フードの男
(力量的にギア9まで落ちてるがそれでも驚異には変わりない)
優斗
オラオラオラァ!
優斗
さぁ諦めろ!
優斗
負けを認め降伏すれば命は取らない!
フードの男
勝った気でいるようですね
フードの男
勝負とは最後まで分からないもの
フードの男
ここから私があなたを負かす可能性も有り得るのですよ!
フードの男
己な力に慢心をなさるな
優斗
なんだと!
フードの男
(とは言ったものの確かにこのままやり合えば私は確実に死ぬ)
フードの男
(奥の手はまだ確かにありますが…)
フードの男
(データの少ない状態での実践導入は如何なものかと)
フードの男
(しかし出し惜しみしてるとやられるのもまた事実)
フードの男
(仕方ありません…)
フードの男
私もあなたと同じく奥の手を出しましょう
優斗
それ以上のものなんて…
フードの男
デーモン・ハウンド!
フードの男
フードの男
ど、どうしたというのだ!?
ガルダ
残念だったな
ガルダ
あの犬は俺らが倒してくれたぜ
優斗
ガルダ!
ガルダ
俺のが年上だから一応さんをつけろ
フードの男
デーモン・ハウンドを殺した?
ガルダ
あぁそうだ
フードの男
フードの男
ふっ……
フードの男
ふっふっふっ……
フードの男
ハッハッハッハ!!
ガルダ
な、何がおかしい!?
フードの男
なるほどそうですか…
フードの男
倒したですか…
フードの男
勘違いもいいところですね
ガルダ
あいつのコアは破壊したぞ!
フードの男
合成魔獣について詳しいつもりですか?
フードの男
まだまだ甘いんですよ
フードの男
デーモン・コアよ!
フードの男
私を器にし新たな命と力をやろう!
優斗
何をするつもりだ!?
ルルカ
(あの男まさか…)
ルルカ
ユート!
ルルカ
早くあいつにトドメを刺しなさい!
優斗
んな事わかってるけど…
ガルダ
こ、これは…
ガルダ
この男の魔力だと言うのか……
優斗
魔力暴走によって近づけないですよ!
ルルカ
なら私がやる!
ルルカ
【ギガ・フレア】
ルルカの唱えた炎の魔法は巨大な火球を飛ばす上級魔法だった
その火球がフードの男にたどり着く前に魔力暴走によってかき消される
ルルカ
ば、馬鹿な!?
フードの男
ふはははは!!
フードの男
能ある鷹は爪を隠す…
フードの男
切り札と言うのはここぞと言う時に使うものです
魔力暴走が起こる中一筋の光がその中にとスッと入り込んでいく
ガルダ
今なにかが…
フードの男
コレが私の切り札だぁぁぁ!!
瞬間辺りに立ちこめていた魔力が落ち着くもその後一気に開放される
優斗
うわぁぁ!!?
ガルダ
うぐっ!?
ルルカ
きゃぁあ!!
フードの男
フードの男
………
優斗
あ、アイツがさっきの?
ガルダ
わ、分からないが
かろうじて人型というのは分かるがその姿は元の姿とは程遠いものだった
その腕は獲物を刈取るために作られた筋力と恐ろしく鋭い鉤爪
体もところどころ毛で覆い隠されているが筋肉質なのは毛があっても分かるほど
そして背中には空中戦にも対応できるよう翼が授かっていた
下半身は地を強く蹴るために必要な筋力を得るために獣の脚をしている
フードの男
コレが私ですか…
フードの男
ふふっ…
フードの男
素晴らしい…
フードの男
素晴らしいですね……
フードの男
力を試したいですが……
フードの男
そうですね……
フードの男
デーモン・ハウンドの消えた今あの街を壊すのは辞めても良さそうです
フードの男
それよりも面白いデータを得れましたし…
フードの男
あなた達を殺すのはまた今度にします
フードの男
あなた方にはある意味感謝してるので
フードの男
一つだけでしたら質問にお答えしましょう
ルルカ
なら私の質問に答えて
ルルカ
あなたは何者なの?
フードの男
私ですか?
フードの男
私は【ヴィルラント】
フードの男
この世に恨みを持つただの魔道研究家です
ルルカ
ヴィルラント…………
フードの男
ではまたどこかでお会いしましょう
フードの男
次は別の大陸でね
そう告げると背にある大きな翼を羽ばたかせ空にと消えた
優斗
と、とりあえずは勝ったのか?
ガルダ
勝ちなわけねぇだろ…
ルルカ
あんなのが生まれちゃったしね…
ムーミャ
ヴィルラント…
ムーミャ
なんだろー?
ムーミャ
私その名前聞いたことあるような……
優斗
まぁなんにせよ
優斗
あの街は守れたし依頼である犬っころは殺れたんだろ?
優斗
つかの間の休息かもしれないが今を喜ぼうか
エルス
そ、そうね…
エルス
それがいいと思うわ
ガルダ
エルスさん起きて大丈夫ですか?
ガルダ
まだ反動で立つのも危ないと思いますけど
エルス
うっさいわね
エルス
立てないと帰れないでしょ!
優斗
それじゃあルルカさんの家に戻りますか
エルス
報告は後日にでもしようかな
ガルダ
全く俺は首突っ込んじゃ行けねぇものに突っ込んだかもしれねぇな…
ムーミャ
ムーミャお腹減った!
ムーミャ
ご飯食べよー!
エルス
ムーミャちゃんは元気ね…
ガルダ
まぁ子供ですしね…
3人が話しながら街にと帰る中ルルカは一人デーモン・ハウンドの死体の前にいた
ルルカ
コレが合成魔獣……
ルルカ
でもどこかおかしい…
ルルカ
それにあの時のあの光は…
優斗
優斗
ルルカさんは帰らないんですか?
ルルカ
少ししたら帰るわよ
ルルカ
ただこの子の体の作りが気になってね
ルルカ
従来の合成魔獣とは少し違うみたいんだけど
ルルカ
何がどう違うのか分からない
ルルカ
それを解明するためにもまだ私はここに残る
優斗
そうですか…
優斗
それじゃあ俺は先戻ってますね
優斗
ギア開門のせいで体のあちこちが痛いんでね
ルルカ
とっとと休むことを進めるわ
優斗
了解でーす
ルルカ
ルルカ
ヴィルラント…
ルルカ
私は彼の名前を知ってる…
ルルカ
彼について紐解けばこのデーモン・ハウンドについても分かるかもしれない
ルルカ
この後が1番しんどいかもしれないわね…