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レトルト
キヨ。
レトルト
レトルト
熱でぼーっとするのか 目線がフラフラしている。
キヨ。
キヨ。
レトルト
レトルト
布団の上にお椀を置く。
キヨくんは弱々しい手でスプーンで掬って 口に運んでいる。
キヨ。
キヨ。
レトルト
レトルト
キヨ。
キヨ。
いつもと違ってふんわりと笑うその表情が
見ていて新鮮な気持ちにさせてくれる。
レトルト
レトルト
水や薬の準備をしながら ゆっくり食べているキヨくんに言う。
キヨ。
レトルト
キヨ。
レトルト
キヨ。
良かった。
ご飯を食べたら少し元気が出たみたいだ。
…年上みたいって言ったのは許さない。
レトルト
レトルト
キヨ。
レトルト
キヨくんの首元まで布団をかけ
食べ終わった食器を片付けようと キッチンに向かう。
キヨ。
その時、袖をグッと掴まれた。
レトルト
レトルト
キヨ。
少し甘えたような声で 俺の名前を呼ぶキヨくん。
俺はふっと笑ってその頭を軽く撫でる。
レトルト
レトルト
キヨ。
キヨ。
安心した表情で、眠りにつく。
…こうしてみるとやっぱりかわいいな。
レトルト
キヨくんが寝ている間、 俺は色々片付けたり洗濯したり
料理をしたりと、家事をやっていた。
起きてきた時のために 俺は二人分のご飯を作る。
キヨくんが寝てから3時間は経っていた。
時間も遅く、夜中になってしまった。
レトルト
何も持ってきてはいないけれど
キヨくんに借りよう。
キヨ。
レトルト
レトルト
俺よりちょっと背の高いキヨくんの おでこに手を当ててみる。
レトルト
キヨ。
キヨ。
レトルト
レトルト
キヨ。
キヨ。
レトルト
レトルト
キヨ。
キヨ。
俺は部屋の時計を指さした。
レトルト
レトルト
レトルト
キヨ。
キヨ。
普段なら絶対に言わないような言葉に
くすぐったい気持ちになる。
うどんも食べて風呂にも入った。
キヨくんはまた布団に潜っている。
俺はベッドの横に布団を敷いて そこに寝転んだ。
キヨ。
キヨ。
レトルト
レトルト
少しムスッとした俺の顔を見たのか 満更でもなさそうにしていた。
キヨ。
レトルト
キヨ。
キヨ。
キヨ。
馬鹿だな…こいつ…
別に誰に対しても言うわけじゃないのに…
レトルト
レトルト
キヨ。
キヨ。
もう風邪なんて完治しているような いつもの調子で俺をからかう。
明日の朝には治ってるといいな…
キヨ。
キヨ。
頭の上から優しい声が降ってくる。
レトルト
朝か…
レトルト
ちょっと笑って俺の顔を見る。
レトルト
レトルト
レトルト
俺は焦ってキヨくんの肩を掴む。
キヨ。
キヨ。
キヨ。
掴まれた肩の腕を 今度はキヨくんが掴む。
キヨ。
キヨ。
その言葉を聞いて俺はほっと胸をなでおろす。
レトルト
キヨ。
キヨ。
キヨ。
レトルト
キヨ。
キヨ。
キヨ。
キヨ。
キヨ。
そうだよ。
本当はものすごく心配した。
楽しみだった実況もできなくて
…会いたかったのに会えなくて。
レトルト
俺はキヨくんの手を握る。
キヨ。
キヨ。
キヨ。
レトルト
キヨ。
元気になったキヨくんは いつもの調子に戻っていて
俺のことをからかう。
もぞもぞと布団に入り、 キヨくんの体温を感じながら
俺は眠りについた。
−後日談−
レトルト
レトルト
キヨ。
キヨ。
キヨ。
次の日、今度は俺が風邪を引いた。
キヨくんのが移ったらしい。
レトルト
キヨ。
キヨ。
レトルト
体調を崩しているときは 寂しく感じるとはよく言ったもので
人肌恋しくもなるものなんだな。
レトルト
レトルト
キヨ。
キヨくんに看病されて とても気分がいい。
はぁ…早く治るといいな…
早く治して皆と実況撮らなきゃ。
俺は朦朧とする意識の中、 その冷たい手を額に当てて
そっと目を閉じた。
THE END.