NOside
宮侑
あーもう!なんっやねん!!
宮治
やかましいわ
宮侑
しゃあないやろ!
北信介
やかましいで侑
宮侑
すんません
部室に侑の嘆く声が響き渡る。
苛立ったような侑は、
主将である北の一喝で 静まった。
ぺしょりと垂れ下がった耳と 尻尾が北には見えていた。
宮治
なんや、また悠未さんにフラれたん?
宮侑
正解すんなや
尾白アラン
八つ当たりやん
ワイシャツのボタンを 外しながら泣きべそをかく侑を
双子の治が呆れ顔で見やる。
選手の情緒はプレーを 左右することもあるからだ。
宮治
今日はなんて言われたん?
宮侑
“罰ゲームちゃうのん?”って
角名倫太郎
罰ゲームは笑う
宮侑
笑い事ちゃうからな!
宮侑
なんで信じてくれんの…
宮治
普段からふざけてるからやろ
角名倫太郎
侑が真面目に告白とか俺でも信じない
尾白アラン
お前ら鬼か?
尾白アラン
これ以上拗ねたら面倒臭いやろが
宮侑
今んところアランくんが一番酷いねん
宮治
わーわー言っとると置いてくで
宮侑
あ、待てやサム!
とっくに着替え終えた部員達が
ぞろぞろと 部室をあとにする。
取り残された侑はいそいそと ベルトを外したのだった。
悠未side
部活を終えて 弓道着から制服に着替える。
生徒玄関でローファーを履き、
すっかり暗くなりはじめた 空を見上げた。
宮侑
あ、悠未!
一際明るい声に振り返ると、
これまた明るい金髪が 視界に飛び込んできた。
柘植悠未
侑くんと治くんと…
尾白アラン
あぁ、俺のことはええよ
尾白アラン
治、2人にしたりや
宮治
なんで?帰るところ同じなんやけど
宮侑
空気読めや!
宮治
読んでくださいやろが
治くんは私と侑くんを 交互に見ると、
仕方なさそうにため息を吐いた。
宮治
そうや俺寄りたい所あるんやったー
宮治
アランくん行くでー
宮侑
棒読み過ぎん!?
尾白アラン
じゃあまた明日な侑!
そう言って 治くんとアランさん?は
別の方向に 歩いていってしまった。
宮侑
い、行くで悠未
ツッコむ間もなく 侑くんに言われ、
私も帰路についた。







