青桃集

ないこ心

If心

生まれてからずっと比べられてた

『いふはこんなに出来るのに。』

『なんであなたは出来ないの？』

そんな度に

『次なら出来る…次なら…』

そう思う度に心が折れた。

いふはテストでも満点。

そして成績もオール5の完成系。

運動神経も良くて…顔も…

俺が欲しかった才能も 全ていふに奪われてしまう

親からの愛が欲しかっただけなんだ。

俺は小さい時は何も 出来ず泣いてばかりだった。

その度に周りの人と比べられて…

親は俺を全然見てくれたかった

そうして俺が悲しんでいる時に

『ないこ』がうまれた。

ないこは小さな手で俺の指を握って、

こんな俺にでも笑顔を向けてくれた。

そして俺は思ったんだ。

『ないこに無理をさせたくない。』

本当は怒ってないの…

嫉妬してるだけなのｯ

何もかもが完璧ないふに…嫉妬してるだけなの

だから、お願い…怒らないで…ｯ

それなのに俺は

あぁ、俺…

褒めて欲しかったんだ…

沢山我慢して、沢山頑張ってきた自分を、

誰かに、褒めて欲しかったんだ…

どう？ないこ…

ないこは少しでも悲しい気持ち吹き飛んだ？

これから、どんなに悩んでも、苦しんでも

俺が沢山褒めて上げるからな。

だからさ、ないこ。

『もう、生きたくない…』

なんて言うのは辞めような…

そんなこと言ったら自分を苦しめるだけやから…

絶対言わんでな…