(文化祭前日・放課後) 準備は終わった。 教室の飾りも、看板も、全部。 残ったのは、 胸の奥に溜まったものだけ。
佐久間萌笑
なのに、落ち着かない)
一ノ瀬瑞希
佐久間萌笑
一ノ瀬瑞希
佐久間萌笑
並んで校門を出る。 夕方の空は、オレンジ色。 近い。 でも、触れない。 それがもう、限界だった。
一ノ瀬瑞希
佐久間萌笑
一ノ瀬瑞希
一ノ瀬瑞希
佐久間萌笑
佐久間萌笑
一ノ瀬瑞希
一ノ瀬瑞希
一ノ瀬瑞希
佐久間萌笑
佐久間萌笑
佐久間萌笑
一ノ瀬瑞希
一ノ瀬瑞希
靴を脱ぐ音が、やけに大きい。
誰もいない。
静か。
――危ないくらい。
佐久間萌笑
一ノ瀬瑞希
ドアが閉まる。 その音で、空気が変わった。
一ノ瀬瑞希
佐久間萌笑
一ノ瀬瑞希
佐久間萌笑
距離が詰まる。 一回目の“寸前”。
一ノ瀬瑞希
佐久間萌笑
佐久間萌笑
その一言で、 唇が、触れた。 一回目。 短く、確かめるだけ。
佐久間萌笑
一ノ瀬瑞希
佐久間萌笑
視線が外せない。 二回目。 少しだけ長く。 でも、すぐ離れる。
一ノ瀬瑞希
佐久間萌笑
一ノ瀬瑞希
一歩下がる。 でも、また近づく。 三回目。 触れて、留まって、 でも踏み込まない。
一ノ瀬瑞希
佐久間萌笑
額が触れる距離。 息が混ざる。
一ノ瀬瑞希
一ノ瀬瑞希
四回目。 今度は、少しだけ深く。 長い沈黙みたいなキス。
一ノ瀬瑞希
佐久間萌笑
一ノ瀬瑞希
佐久間萌笑
佐久間萌笑
一ノ瀬瑞希
一ノ瀬瑞希
離れては、また近づく。 五回目。 短く、でも確実。
一ノ瀬瑞希
佐久間萌笑
六回目。 今度は、ためらいが少ない。 深くない。 でも、離す気もない。
一ノ瀬瑞希
一ノ瀬瑞希
佐久間萌笑
ゆっくり、離れる。 距離は戻る。 でも、熱は戻らない。
一ノ瀬瑞希
佐久間萌笑
一ノ瀬瑞希
一ノ瀬瑞希
佐久間萌笑
一ノ瀬瑞希
家を出ると、夜風が冷たい。 でも、 唇だけが、熱を覚えていた。
文化祭前日。 我慢は、 もう限界だった。






