悲しきマフィアは殺せない

夢を見ていた。

毎日、同じ夢だった。

その夢ではいつも、

俺が「お前のせいで、友達が...」と言っていた。

でも、博士はいつも言う。

「お前みたいな生き物に友達なんていない。」

そうだよ、その通りだ。

俺に友達なんていない。

俺が勝手に傷つけ、勝手に壊した友情を

俺はまだ「友達」だなんて言っていた。

手を汚した俺は、誰にも受け入れてもらえない。

自分自身にさえも。

ドォオオオーーーン!!!

俺は、そこから記憶がない。

確かに、あの日

きおは、おおはらの爆弾に巻き込まれた。

そして、きおは大怪我をして、

きおと2人で1つの俺も機能不可になった。

ただ、俺は意識だけはあった。

おおはらは...、おおはらは

きおを巻き込んでしまった絶望で、

研究所を破壊し始めた。

博士は、自分の大事な研究所を壊されてるのにも関わらず、

きおの修復を最優先にした。

それは、博士にとって、

俺たち3人は「子供のような存在」だからだと言う。

実は、俺たち3人と混ぜた子供は

博士の血縁の子供だった。

だけど、博士の3人の子供は、

博士のいない時に暗殺された。

「また子供と遊びたい」「大人になった姿をみたい」

そんな想いがあって、研究を始めた。

本当は「心のある動物を作る研究」じゃなくて、

「3匹の動物と、3人の人間を幸せにする研究」だったんだ。